諸仏は世を救う者なり。大神通に住して、衆生を悦(よろこ)ばさんが為に、無量神力を現じたまふ。
妙法蓮華経「如来神力品」より
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どの仏もどの仏も、ただただ世を救うために仏となられたのである。
世の人々を救ってよろこばせようとして、大神通の仏の世界にあって、われわれが思いもよらないような神通力神力を次々に発揮されるのだ。
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だからわたしがよろこんでいいのである。わたしが救われてはじめて仏がよろこばれるのである。わたしのために仏になられたのである。仏をよろこばせることができるのは、わたしなのである。仏とわたしはとても近いのだ。綱を取って綱引きしているように近い距離にいるのだ。
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大神通、神通力、神力は仏の救済力である。偉大なる実行力である。それをただただわたしのために発揮させるのである。
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そういう受け取りをすると落涙になる。
法華経が経典を出て、とことことわたしの目の前まで歩いて来て、わたしの手を取る。