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とにかく、黙々と手を動かしているばかりだ。座っている小さな丸椅子を移動させながら、右手で小さな鍬を動かし、土から草を根ごと掘り上げる、左手でそれを引き上げ土をふるい落として、収納笊に放り投げる、笊が一杯になると、畑の隅の有機肥料堆積所に運んで行く。これを繰り返す。
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とにかく、黙々と手を動かしているばかりだ。座っている小さな丸椅子を移動させながら、右手で小さな鍬を動かし、土から草を根ごと掘り上げる、左手でそれを引き上げ土をふるい落として、収納笊に放り投げる、笊が一杯になると、畑の隅の有機肥料堆積所に運んで行く。これを繰り返す。
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畑の草取りをした。3時過ぎから5時半まで、約2時間ほど。これをすると、不思議なことに、この老爺は愉快を覚えて来るのである、じわりじわりじわりと、愉快は深くなる。安上がりな男だ、まったく。草取りの何処がいいのだ、いったい? 分からない。
七十歳過ぎて買いたる赤い万年筆(ぺん) たのしいことだけたくさん書こう 朝倉市 小宮道子さん
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これは今朝の西日本新聞の、読者文芸短歌部門の入選歌。
七十歳を過ぎたら、老婆と言って差し支えないだろうか。老婆が、楽しいことだけ書く赤い万年筆を買って来た。そうなのだ。七十歳までは苦労に苦労を重ねて来たから、これからは、心機一転していいだろう。一転して楽しいことだけを書く。苦しいことも経験するだろうが、敢えて、楽しいことだけを書く。そこに光を当てていけば、何か変化が生まれるかもしれない。
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独り言ふうな短歌の作品である。数ある入選作品(15首)のうちで、どうしてかこの作品にに目が止まった。優劣はわたしには分からない。
独り言を人は呟く。老人になればそれが多くなる。聞いてくれる人も少なくなる。万年筆にでも語りかけたのだろうか。老婆に楽しいことの多くあらんことを!
彼の待つポインセチアの鉢の前 唐津 池内淳子
これは今朝の西日本新聞の、読者文芸俳句部門の入選作。いつもお見かけする顔である。
季語は「ポインセチア」だろう。季節は冬。季節を感じたら、俳句かもしれない。日本人は季節を敏感に感じる民族。
此処は花屋さんだろうか。此処で待ち合わせをしたんだろうか。彼がこれを買ってくれて、クリスマスの日の贈り物としたんだろうか。それとも此処は彼の住み処で、玄関なのかもしれない。彼を訪ねていった、彼もまた待っていてくれて、玄関に立っていた。そこに冬の花のポインセチアが、彼に代わって赤く頬を染めていた。その前に立った。彼が抱きしめてくれた。ポインセチアはそこでやっと忘れられた。そんな情景が想像できた。
俳句の良さが分かる訳じゃないけど、なんだかいい句だと直感した。情景が浮かんできたからである。俳句は恋も表現することができたのかあ。読んだ老爺がほのぼのとなった。
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それから後で、青首大根を三本つかって、切り干し大根作りをしました。今日はピーラーで薄く小さく剥くことにしました。台所のテーブルに俎を載せ、椅子に座り、根気よく根気よく丁寧に時間を掛けて剥きました。ピーラーを握りしめて力を投入している右手が疲れました。超薄型なので、乾きが早いだろうと思います。丸い大型の竹製品笽(そうけ)2個に列べました。これを日の当たる二階のベランダに運んで行って、干してもらいました。日に干して一週間ほどでできあがるでしょう。できあがったらまた、カンコロがお好きな方にお分けすることになるでしょう。
今日はお天気がいいです。太陽様々です。空の青さが目に染みます。
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朝ご飯はパン食でした。娘が夜中遅くまでかかって焼いていました。パンの酵母菌から育てています。今朝食べたのは三種類の中の二種類。金柑から作った酵母菌のは金柑の風味が感じられました。もう一種類のは、レーズンが雑じっていました。一口サイズになっています。このところ娘はパン作りに凝っています。酵母菌の育成に力を注いでいます。
これに山東菜白菜と豆腐入りの味噌汁でした。おいしく頂きました。起きてすぐに腹ごなしができました。有り難いことです。
「物思う大空」 薬王華蔵
見ていてくださっていますか
少年が大空を見上げます
大空はこっくり肯きます
お正月の少年は目を細めます
見ていてもらうことは
いつでも嬉しいことなのです
大空というのは眼球なのです
少年をずっと見ている方は
青い青い片方の眼球です
もう片方があるのです
虚空という物思う大空です
赤い赤い眼球です
宇宙が終りを迎えた時間から
物思う虚空は始まりました
時間の無限大赤色空間です
ふうわりして浮かんでいます
それがこの白髪の少年を
あどけなく嬉しくしています
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今日は月曜日。西日本新聞読者文芸の1月度の作品が発表になる日です。わたしは詩壇に投稿していました。選者は北川透氏です。1席になった作品のみが新聞掲載されます。
わたしの名前も見つけました。佳作に5人が選ばれています。わたしの名前はその最初にありました。嬉しくなりました。上の作品がそれです。これは掲載されません。名前のみです。読み直してみました。投函するときには、これでよしとしていたはずですが、もっと推敲すべきだったようです。もう一押しが足りていなかったようです。1席の方はペルセウス流星群のことを書かれていました。
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宇宙が終わりを見据えた時間から/物思う虚空は始まりました
第三聯の最初をこんなふうにしたらどうだったのかなと、いま、そう推敲しています。