知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

ソフトウェアの翻訳したメニュー表示の著作物性

2012-10-23 22:15:14 | 著作権法
事件番号 平成24(ネ)10053
事件名 訂正公告掲載請求控訴事件
裁判年月日 平成24年10月10日
裁判所名 知的財産高等裁判所  
権利種別 著作権
訴訟類型 民事訴訟
裁判長裁判官 塩月秀平、裁判官 池下朗,古谷健二郎

3 本件記事には,本件ソフトウェアの画面レイアウトの例が記載されている。控訴人の主張によれば,控訴人は外国語で作成されたソフトウェアである「EarMaster」の日本語版である本件ソフトウェアの作成に関与したものであって,控訴人が行ったのはメニューの日本語化とヘルプファイルの作成の一部であったというのである。しかしながら,本件記事中の日本語メニューは製品紹介として掲載されているのであり,本件記事は,メニューも含めて本件ソフトウェアの機能を普通に表現したにとどまる。メニューの日本語表示は小さく読み取り難く,かろうじて読み取れたとしても,日本語化において創作性のあるものとは認められない。また,ヘルプファイルの内容は本件記事には記載されていない。したがって,被控訴人が本件記事に本件ソフトウェアの画面レイアウトの例を記載することによって,控訴人の著作権又は著作者人格権が侵害されたということはできない。

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