知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

図面に従った製品の製造と、「複製」や「翻案」への当否

2012-12-24 22:35:12 | 著作権法
事件番号 平成23(ワ)2283
事件名 不正競争行為差止等請求事件
裁判年月日 平成24年12月06日
裁判所名 大阪地方裁判所  
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
裁判長裁判官 山田陽三、裁判官 松川充康,西田昌吾

(2) 原告製品図面の著作物性
 本件で原告製品図面であるとして提出された設計図面(甲13)は,通常の作図法に従って記載されているところ(甲13,弁論の全趣旨),原告は,上記設計図面のうちどの部分が著作物性を有するのか,また,その理由について,具体的な主張をしていない(・・・。)。したがって,原告製品図面は,著作権法上の著作物といえない。 

(3) 原告製品図面の複製,翻案
 また,原告は,被告製品又はその構成部品の製造が,原告製品図面の複製又は翻案であると主張しているが,著作物たる「学術的な性質を有する図面」(著作権法10条1項6号)であっても,これに従って製品を製造することは,建築物の場合(著作権法2条1項15号ロ)を除き,複製や翻案には当たらないと解される。
 したがって,被告が被告製品又はその構成部品の製造,販売をすることが,図面に係る原告の著作権(複製権,翻案権)を侵害すると見る余地はない。

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