知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

商標法2条3項1号所定の「商品の包装に標章を付する行為」

2010-12-26 16:59:34 | 商標法
事件番号 平成22(行ケ)10013
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成22年12月15日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 滝澤孝臣

2 商標法2条3項1号に基づく本件商標の使用の有無について
(1) 商標法2条3項1号所定の「商品の包装に標章を付する行為」とは,同号に並列して掲げられている「商品に標章を付する行為」と同視できる態様のもの,すなわち,指定商品を現実に包装したものに標章を付し又は標章を付した包装用紙等で指定商品を現実に包装するなどの行為をいい,指定商品を包装していない単なる包装紙等に標章を付する行為又は単に標章の電子データを作成若しくは保持する行為は,商標法2条3項1号所定の「商品の包装に標章を付する行為」に当たらないものと解するのが相当である。

(2) これを本件についてみると,前記認定のとおり,被告は,本件請求登録日以前から,本件容器に本件商標を付して販売するための準備を進めていたところ,被告が平成21年4月10日に外部会社から受領したものは,本件容器のパッケージデザインの電子データであるにすぎない。したがって,被告が上記電子データを受領し,これを保持することになったからといって,これをもって商標法2条3項1号所定の「商品の包装に標章を付する行為」ということはできない。

最新の画像もっと見る