知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

商標法53条1項の商品の品質の誤認を生ずる使用

2012-12-16 22:35:04 | 商標法
事件番号 平成24(行ケ)10113
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成24年11月29日
裁判所名 知的財産高等裁判所  
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 芝田俊文、裁判官 岡本岳,武宮英子
商標法53条1項

 使用商標3とほぼ同一と認められる「Goodwear」の文字のみからなる商標は米国で商標登録されているものの(甲26の3),使用商標3が我が国において商標登録されていないことは,当事者間に争いがない。また,「R」の記号は,登録商標の表示として,主として米国で用いられている記号であるが,我が国においても,登録商標の表示として使用されることも多く,一般の取引者,需要者においても「R」の記号を登録商標の表示として認識することも多いものと認められる(甲25の34~42,弁論の全趣旨)。

 商標法53条1項の商品の品質の誤認を生ずる使用とは,商標が指定商品の種類を表示又は暗示する標章を含むものであるときに,指定商品と商標が実際に使用されている商品との間に相違がある場合,商標が表示する商品の品質が虚偽の事実を含む場合等をいうものと解される

 しかしながら,「○R(筆者注:○の中にR。以下同じ)」の記号を商標に付する行為は,これに接する取引者,需要者に当該商標が登録商標であるとの認識を与えるものの,登録商標であるか否かは,当該商標が付された商品の品質を示すものではないから,未登録商標に「○R」の記号を付しても,品質の誤認を生ずると認めることはできない

関連事件:
事件番号  平成24(行ケ)10188
事件名  審決取消請求事件
裁判年月日 平成24年11月29日
裁判所名 知的財産高等裁判所  
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟

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