昨夜、NHK総合で放送されたドラマ「おシャシャのシャン!」は、創作テレビドラマ大賞の最優秀作だそうだが、45分の枠であれだけのドラマができることに感心した。このドラマは、長野県のある村に230年間続く村歌舞伎の存続の危機に立ち上がった女性と、救世主として東京から招かれた若き歌舞伎役者、そして村人たちが葛藤しながら伝統を守っていくという物語。テレビの草創期にはこのくらいの長さのドラマは結構あったような気がするが、今回このドラマを見て、長けりゃいいってもんじゃないなと、あらためて感じた。映画でも名作といわれる作品は90分から100分で終るものが多い。ちなみにあの「男はつらいよ」シリーズもほとんど100分程度にまとまっている。このドラマの作者、坂口理子さんという方についてはよく知らないが、シナリオを勉強している者として大変参考になった。
久しぶりに中国映画が見たくなって「天上の恋人」というDVDを借りた。新作として並べられていたが、5年ほど前に製作されたものらしい。監督のジャン・チンミンという人は日本で映画製作の勉強をした人らしいし、奥山和由がプロデュースしているので、明らかに日本のマーケットを意識して作られたものだろう。しかも、「至福のとき」のドン・ジェと「山の郵便配達」のリィウ・イエ共演というなんともベタなキャスティング。舞台がまた天にも届かんばかりの山村で、主役3人はそれぞれ耳が不自由、口がきけない、目が見えないと、まさに“見ざる・言わざる・聞かざる状態”というベタな設定。製作者の魂胆はわかりすぎるほどわかっていながら、あの圧倒的な絶景の中でピュアなラブストーリーを見せられるともう「参った!」というしかないのです。
なお、奔放な娘役でタオ・ホンという女優さんが出ているが、「ションヤンの酒家」のタオ・ホンとは別人らしい。
なお、奔放な娘役でタオ・ホンという女優さんが出ているが、「ションヤンの酒家」のタオ・ホンとは別人らしい。
最近、テレビを見ていると昔を回顧する番組がやたらと多い。中でもよく取り上げられるのが1966年のビートルズ来日公演のことだ。日本におけるロックの歴史が変わっただとか、ヒドイのになるとそこから日本のロックが始まっただとか言っている。そんなこたぁない!たしかにマスコミや一部のある意図をもった大人たちが煽って大騒ぎにはなった。当時、貧乏学生だったので武道館まで見に行くことはできなかったが、彼らの来日中に放送された公演の中継録画を学生寮のテレビに鈴なりになって見たもんだが、みんなの評判はよくなかった。第一、曲目は少ないし、演奏も決して上手とはいえなかったし、正直「な~んだ!」てな感じだった。既にその頃にはフジテレビの「勝ち抜きエレキ合戦」なんていう番組が始まっていて、当時の若者の眼は肥えていた。この番組から伝説の天才ロックギタリスト・成毛滋のいたザ・フィンガーズや寺尾聰のいたザ・サベージなどが育っていたからだ。ビートルズが類まれなソングライターあるいは音楽クリエイターとして評価されるようになったのはもっと後になってからだ。
ところで成毛滋(昨年没)といえば、後年、私が就職した会社の副社長が彼の親父さんで、ある時、某所でされた講演のテープ起こしをさせられたことを懐かしく思い出す。
(注)写真の禿げ上がったおっさんが故成毛滋
ところで成毛滋(昨年没)といえば、後年、私が就職した会社の副社長が彼の親父さんで、ある時、某所でされた講演のテープ起こしをさせられたことを懐かしく思い出す。
(注)写真の禿げ上がったおっさんが故成毛滋
日本の文化を外国人の眼を通して再発見しようというNHK-BSの番組「Cool Japan」はとても興味深く、よく見る番組の一つだが、昨夜は「歌」を取り上げていた。(多分再放送だと思うが・・・)中でもアメリカのヘビメタ・ロックバンド、メガデスの元ギタリスト、マーティ・フリードマンの分析は面白かった。彼は日本語ペラペラの日本通として知られているが、いろんな番組で音楽に限らず、日本文化全般について造詣の深さを示している。彼によればセリーヌ・ディオンやホイットニー・ヒューストンなど洋楽の歌手はまず、自分がいかに歌がうまいかを表現することが第一でテクニックに走る傾向にある。一方、J-Popの歌手はメロディや歌詞を正確に歌い、いかにして歌に込められた意味や心を伝えるかに腐心しているというのだ。セリーヌ・ディオンの「All By Myself」と平原綾香の「明日」を聞き比べながらの説明には説得力があった。そう言われてみると、映画の世界でも同じようなことが言えるのではないかと思った。
昨夜、BS2で「サウンド・オブ・ミュージック」が放送された。ミュージカル映画としては最高傑作だと思っていたが、その思いはいささかも揺るがなかった。1965年に日本初公開された時、日比谷の70mmスクリーンで見てからもう43年経ったがちっとも古さを感じない。さらにその9年前の1956年、当時の西ドイツで映画化され、日本では「菩提樹」という題名で公開された。小学生だった私は小学校の映画見学会で見たこの映画でトラップ一家の話を知った。その後、この物語がブロードウェイでミュージカル化され、さらにハリウッドでミュージカル映画として製作されるという話を聞いて、あの地味な話が果たしてハリウッド映画としてなじむのか半信半疑だったものだ。しかし、さすがは「ウエストサイド物語」で実績のあるロバート・ワイズ監督は見事なエンターテイメントに仕上げた。ロジャース&ハマーシュタインの音楽はもちろん素晴らしいし、名シーン揃いだが、中でも好きなのは、マリアと大佐の結婚式で修道女たちが鉄柵越しに見送るシーンと、音楽コンクールで大佐とマリアが歌う「エーデルワイス」が次第に会場全体の大合唱となるシーン。特に「エーデルワイス」のシーンは「カサブランカ」におけるラ・マルセイエーズの大合唱のシーンに匹敵する名シーンだと思う。
菩提樹(1956)
菩提樹(1956)
楽しかった3日間はあっという間に過ぎ、孫たちは嵐のように去って行った。朝は廊下を走り回る音や可愛い叫声で起こされ、一日中彼らに引きずりまわされた。ついついこちらもふだんはめったにしないオーバーアクションや大声を上げる羽目となり、彼らが帰った後は何だかどっと疲れが出た。それにしても子どもがいるといないとでは、どうしてこうも家の中の雰囲気が変わるのだろう。またふだんの生活に戻ったわが家の食卓では何をしゃべるでもなく黙々と飯を食んでいる
今日は午後から家内と二人でみわにお付き合い。まずはTSUTAYAに行って「となりのトトロ」のDVDを購入。みわは「プリキュア5」も欲しがったが、あいにくレンタル盤しかおいてなかったのでヴォリューム6だけをレンタルした。その後、鶴屋デパートで開催中の「ミッフィーワールド」へ。市内は普段の何倍もの車が入ってきているのだろう、駐車場はどこも満車状態。やっと出庫する車を見つけて何とか駐車できた。「ミッフィーワールド」でみわがしばらく遊んだ後、デパ地下でおみやげにピロシキを買って帰った。孫のお付き合いも大変だ。
お昼からは兄弟姉妹とその家族が集まって恒例の新年会を開いた。久留米の次男家族や東京の甥夫婦も来てくれて、近年珍しい顔が一同に揃った。ゴッドマザーのわが母も一年で一番嬉しい日だ。今年は孫のてっぺいが初見参。昨年はみわの一人舞台だったが今年は子どもの声が増え、さらに賑やかな会となった。
9時から久しぶりに元旦の初詣に行った。歩いて15分程の熊本城内にある加藤神社はそれほど混んでなかった。数年前までは年明けのカウントダウンに行列して初詣したものだが、さすがにもうその気力はない。思えばこれまで移り住んだいろんな街で初詣に行った。防府市の防府天満宮、東村山市の八坂神社、国立市の谷保天満宮、大田原市の大田原護国神社、彦根市の多賀大社など。それぞれにいろんな想い出がある。縁起物の破魔矢は、厄除け的な意味合いが強いから、今年は破魔矢の他に夢を射る矢というのを買った。神社ビジネスに乗せられたかな?