リメイク版「椿三十郎」の興行成績が思ったほど伸びない。邦画では「マリと子犬の物語」、「恋空」、「ALWAYS 続・三丁目の夕日」などの後塵を拝している。興行収入的にはほぼ目標を達成する見込みだというが、これが仮に黒澤時代劇のリメイクというアドバンテージがなかったら、と考えると製作者の思惑どおりだったとも言えるわけだ。ある調査によると、いま、製作される映画の30%くらいがなんらかの形でリメイクだそうだ。オリジナルが製作された後に映像技術が飛躍的に進歩したので、もう一度、より完成度の高いものを作りたい等の理由があればリメイクも納得できるが、最近の傾向は、過去の作品の名声を利用することで、ある程度のヒットを担保しようとしているようにしか見えない。これは何と理屈をつけようと作り手が自ら創造性を放棄していると言わざるを得ない。
「隠し砦の三悪人(リメイク版)」の一場面
雪姫(長澤まさみ)
真壁六郎太(阿部寛)
ニューキャラ武蔵(松本潤)
「隠し砦の三悪人(リメイク版)」の一場面
雪姫(長澤まさみ)
真壁六郎太(阿部寛)
ニューキャラ武蔵(松本潤)