徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

人間五十年、下天の内をくらぶれば

2023-07-11 22:18:25 | 古典芸能
 福岡県みやま市の大江幸若舞「敦盛」の映像をYouTubeにアップして8年が過ぎ、これまで多くの方々に見ていただいた。その間ご質問をいただいたことも何度かある。最近では「幸若舞」に関するブログなどもよく見かけるようになったが、そんな中に「オヤ?」と思う解説も散見される。その一つが、信長もこれを謡いながら舞ったと伝えられる「敦盛」の有名な詞章
「人間五十年 下天の内をくらぶれば 夢幻の如くなり」
というくだりのことだ。これは
「人の世における50年は天上界の中で最も劣っている天でも一日にしかあたらない。夢幻のようなものだ」
という意味だと理解しているが、「人間五十年」の読み方について「じんかん」が正しく「にんげん」は誤りという説明をされている方が意外と多い。何か根拠となる史料でもお持ちなのだろうか。
 下のYouTube映像を見ていただきたいのだが、太夫・シテ・ワキの舞手たちは「にんげん」と発音しているし、その下の幸若舞の詞章集である「舞の本」を見ると「にんげん」とルビがふってある。
 また、僕が読んだ史料には「じんかん/にんげん」いずれもありと書かれていた。


奈良絵本に描かれた母衣を着けた敦盛の絵図





幸若舞の詞章集である「舞の本」の「敦盛」の一部


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