僕にとって第二の故郷とも言うべき久留米出身の発明王と言えば、幕末から明治時代にかけて活躍した「からくり儀右衛門」こと田中久重。現在、久留米市の石橋美術館で「からくり儀右衛門展」が行われている。大ヒットドラマ「JIN-仁」で南方仁に豆電球を渡した人物だ。東芝のルーツとなる会社を興した人でもある。子供の頃から「からくり人形」に始まり、実に様々なものを発明しているが、実は久留米の伝統工芸品、久留米絣(くるめがすり)の創始者・井上伝を織機開発で手助けしたのも儀右衛門だという。また、日本に7基しか残っていない儀右衛門が発明した和時計、須弥山儀(しゅみせんぎ)の一つは熊本市の大橋時計店が所有しており、現在、セイコー時計資料館に寄託されている。日本の「モノづくり」の原点ともいうべき、「からくり儀右衛門展」をぜひ見に行きたいと思っている。
