8月第一週にイタリアの巨匠二人の名作が、NHK-BS2で放送される。8月5日(水)はルキノ・ヴィスコンティの「山猫」、8月6日(木)はフェデリコ・フェリーニの「8 1/2」だ。いずれも1963年の作品で、その後の世界中の映画監督たちに多大な影響を与えたといわれている。若い頃に見た印象とどう違って見えるかが楽しみだ。そして楽しみのもう一つは、このどちらの映画にも出ている“キキ”ことクラウディア・カルディナーレだ。この当時は彼女が24、5歳の頃で、多くの大監督たちから引く手あまただった頃である。僕は、最も偉大な女優はソフィア・ローレンだと思っているが、これまでの人生で最も好きだった女優はクラウディア・カルディナーレだ。彼女はグラマラスな肢体にチャーミングな笑顔、そして独特のハスキーボイスが魅力だった。ハリウッドでも活躍したが、なぜか、イタリアの巨匠の一人、ヴィットリオ・デ・シーカの作品には出ていない。おそらくこれはデ・シーカとソフィア・ローレンの関係が影響しているものと思われる。それはさておき、絶頂期のキキの美しさを楽しみたい。

山猫 8 1/2
彼女の世界デビュー作「刑事」(1959)


山猫 8 1/2
彼女の世界デビュー作「刑事」(1959)