先日、アニメ映画「犬王」をレンタルビデオで見た。今年のゴールデングローブ賞にノミネートされて話題になったあの映画である。古沢日出男さんの原作小説を読んでいたので、それがどのように映像化されているのか興味があった。
結論的に、僕としては期待外れだった。僕の最大の興味は、誰も見たことがない失われた芸能である犬王の天女舞をどういう風に再現しているのかだったが、犬王の舞はまるでアクロバットというか器械体操といった感じに表現されていた。また友魚の弾く琵琶楽も70年代か80年代のロックミュージックに変えられていた。
近年、若手の能楽師には現代的なセンスを持った方もおられるし、琵琶楽も気鋭の若手奏者が何人もおられるのでそういう人材の発想と能力を引き出すような舞や琵琶楽で物語を創り上げてほしかった。海外向けという意味でもロックを使えば受けるというものでもないと思われる。いつの日か犬王の天女舞を堂々と再現するような作品が生まれることを願ってやまない。

観世流 能「羽衣」より
結論的に、僕としては期待外れだった。僕の最大の興味は、誰も見たことがない失われた芸能である犬王の天女舞をどういう風に再現しているのかだったが、犬王の舞はまるでアクロバットというか器械体操といった感じに表現されていた。また友魚の弾く琵琶楽も70年代か80年代のロックミュージックに変えられていた。
近年、若手の能楽師には現代的なセンスを持った方もおられるし、琵琶楽も気鋭の若手奏者が何人もおられるのでそういう人材の発想と能力を引き出すような舞や琵琶楽で物語を創り上げてほしかった。海外向けという意味でもロックを使えば受けるというものでもないと思われる。いつの日か犬王の天女舞を堂々と再現するような作品が生まれることを願ってやまない。

観世流 能「羽衣」より