徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

めならべ随想

2022-10-22 22:03:23 | 音楽芸能
 江戸時代は流刑の島として知られた八丈島はその昔、「女護ヶ島」ともいわれ、美しい女性ばかりが住み、男性が足を踏み入れると二度と島を出られないという伝説も残っている。八丈島の代表的民謡に「八丈ショメ節」という唄がある。盆踊りや宴会などで即興で歌われた唄で、何百という歌詞があるというが、その中で「めならべ」という島言葉が使われている。「女童」あるいは「美並」とも書いて若い娘のことだそうだ。八丈島に流罪となった近藤富蔵が書き残した「八丈実記」には「めならべ」とは「美並」と書くという一節もある。


森田曠平 「八丈のめならべ達」



 いろんな意味で話題になり、先月終了した朝ドラ「ちむどんどん」だが、一服の清涼剤となったのが、一途な恋心を込めて歌子が歌う「娘ジントヨー」だった。この歌の中にもいろんな島言葉が使われるが、その中に美しい乙女を表す「美童(みやらび)」という言葉が出て来る。これは上の「八丈ショメ節」で唄う「女童(めならべ)」と同じ語源だと思われる。遠い昔、島伝いに文化の交流があったのだろう。今日はオリジナルの我如古より子さんの唄と三線で聴いてみた。

作詞:久米仁 作曲:普久原恒勇 歌:我如古より子