徒然なか話

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ハーンの愛した音楽

2022-10-07 22:00:59 | 音楽芸能
 明治24年(1891)11月19日、第五高等中学校に赴任するラフカディオ・ハーン夫妻一行が春日ステンショ(熊本駅)に降り立つ。ハーンは日本の前にアメリカと西インド諸島で20年ほど暮らしているが、その間には地域の民謡や習俗の採集をするなど異文化に対する興味は強かったようだ。
 ニューオリンズ時代に出会ったクレオールの民俗音楽は、ニューオリンズジャズとして後のジャズのもととなった。ハーンはまさにジャズの揺籃期にその現場にいたわけだ。
 そのニューオリンズジャズを確立したのがジャズ王とも呼ばれたコルネット奏者のバディ・ボールデン。ボールデンが最初にジャズを演奏したとされるのが1891年。まさにハーンが熊本へやって来た時期と一致する。
 今日は彼の代表曲「Buddy Bolden Blues」を日本の「ニューオリンズジャズ・ハウンズ」で聴いてみた。(2017年収録)
  東海林幹雄(ピアノ)、加藤晋一(トランペット)、田村麻紀子(クラリネット)
  守屋雄策(バンジョー)、 伊藤穣一(ベース)、吉井哲嗣(ドラムス)
  菊池ハルカ(トロンボーン)、松本耕司(トロンボーン)、新谷健介(クラリネット)



 日本でも民話や民謡を採集したハーンが自ら英訳して欧米に紹介したのが
 千葉県銚子の民謡「Song of Fisherman(銚子大漁節)」
  立方:舞踊団花童 地方:本條秀美と秀美会・花と誠の会

一つとせ 一番船に 積み込んで 川口押込む 大矢声 浜大漁だネ
二つとせ 二葉の沖から 戸川まで 続いて寄せ来る大鰯 この大漁船
三つとせ 皆一同に まねを上げ 通わせ船の賑やかさ 浜大漁だネ
四つとせ 夜ひる焚いても たきあまる 三ばい 一挺の大鰯 浜大漁だネ
五つとせ 何時来ても 干鰯場は あき間も 隙間も 更にない
六つとせ 六つから六つまで 粕割が 大割 小割で 手にあまる
七つとせ 名高き利根川 高瀬船 粕や油を積送る 浜大漁だね
八つとせ 八つだの沖から 若い衆が 万祝衣 揃えて 宮参り
九つとせ この浦守る川口の 明神 ご利益 あらわせり
十とせ  十が重なりゃ 百となる 千両 飛びこす 万両船