徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

能の奥義「関寺小町」

2022-02-27 18:08:17 | 伝統芸能
 今夜の「古典芸能への招待」(Eテレ)は、能の最高の奥儀ともいわれ、「姨捨」「檜垣」とともに三老女の一つに数えられる「関寺小町」。近江の国関寺の僧が、寺の稚児を連れて、近くに住む老女を訪れる。老女が歌道をきわめていると聞いていたので、稚児たちの和歌の稽古に役だつだろうと考えての訪問であった。話が有名な古歌の由来に及んだとき、小野小町の作として知られている歌が話題になり、この老女こそ百歳を越えた小町その人だとわかる。
 シテである老後の小野小町を演じるのは金春流の重鎮・本田光洋。シテ方金春流としては10年ぶりの演能だそうである。今年80歳を迎える本田光洋は「明治の三名人」といわれた櫻間左陣の最後の弟子であった父秀男から厳しい稽古を受けたという熊本ゆかりの能楽師でもある。今年正月の北岡神社および藤崎八旛宮の松囃子にも参加した。3年前の8月に行われた出水神社薪能で「羽衣 替ノ型」でシテを務められた時、僕は初めて本田光洋師を舞台で拝見した。今夜の「関寺小町」は初見なので大いに楽しみだ。




2019.8.3 出水神社薪能 金春流 能「羽衣 替ノ型」(シテ:本田光洋)