
そもそも山鹿の紙灯籠の始まりは、室町時代、山鹿温泉の泉源がある金剛乗寺中興の祖といわれる宥明法印の追善供養として、紙細工の名人・山口兵衛が数百の紙灯籠を作り、霊前に供えたのが始まりといわれているから530年ほどの歴史があるわけだ。
一方、江戸前期の延宝時代には、京で灯籠踊りという一種の念仏踊りが既に行われていた記録が残っている(「都歳時記」巻之四)。少女らが灯籠を頭に載せ、笛・太鼓に合わせて踊る念仏踊りが行なわれていて、それは今日も盂蘭盆の行事として京都花園に残っている。なんと現在の山鹿灯籠踊りが藤間富士齋さんによって昭和28年に創作される300年も前のことだ。