徒然なか話

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人はなぜ、ロードムービーに魅かれるのか ~ 春との旅 ~

2011-01-15 22:27:22 | 映画
 今日は天気も悪かったのでレンタルDVDでも見て過ごそうと「春との旅」など3本を借りてきた。「春との旅」は劇場公開の時、見逃していたのでDVDのリリースを待っていた作品だ。僕が将来を期待している若手女優の一人、徳永えりがベテラン俳優たちに囲まれて、ヒロインの春をビビッドに演じ切っていた。物語は仲代達也扮する漁師あがりの老人とその孫娘が、老人の引き取り手を探して、遠く離れて暮らす老人の姉兄弟たちを訪ね歩くというロードムービーだ。兄弟間の軋轢や愛情など様々な人間模様を展開しながら、最後に立ち寄った孫娘の別れた父の牧場で、まるで菩薩のような父の後妻に、魂を救われる思いで二人は帰路に着く。さすがと思わせるベテラン陣の好演もあって感動的なエピソードが綴られていくが、それは二人の旅があってこそ盛り上がるのである。
 このロードムービーというスタイル、邦画、洋画問わずこれまで数多くの名作を生んできた。邦画ではなんといっても「男はつらいよ」シリーズがその代表格だろう。山田洋次監督は他にも「幸福の黄色いハンカチ」「家族」などのロードムービーの傑作がある。北野武の「菊次郎の夏」や大沢たかおが出た「花」なんかもそうだ。洋画では、「怒りの葡萄」「道」「イージーライダー」「真夜中のカーボーイ」「レインマン」などを想い出すが、数えだしたらキリがないくらいだ。旅には人のこころの動きをかきたてる何かがあるようだ。