こだわり米専門店スズノブ 西島 豊造(五ツ星お米マイスター)の豊かに造ろう

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説得力欠く提案

2014年05月27日 19時19分32秒 | Weblog
日本農業新聞 e農ネットに「[規制改革会議 農協改革案の検証 三重大学招聘教授 石田正昭氏 1] 説得力欠く提案  (2014/5/27)」という記事が出ていた。

内容は以下の通り
規制改革会議が農業改革案をまとめた。
この中の農協改革案を中心に、三重大学招聘(しょうへい)教授の石田正昭氏にポイントと問題点を解説してもらう。(5回掲載) 

・不見識な組織解体論

当初の予想通り、政府の規制改革会議は、総合農協の解体、農業委員会系統組織の解体、農外企業の農地所有(農地所有の自由化)の促進を柱とする農業改革案を公表した。
こうした非連続的な改革案を公表した理由は、並列して設置されている産業競争力会議、国家戦略特区諮問会議の議論も考え合わせると、戦後自作農体制の終焉(しゅうえん)を見定めていることにある。

総合農協も、農業委員会も、その歴史的使命は戦後自作農体制の堅持にあるが、その自作農体制が限界を露呈しつつある現在、農業の成長産業化を錦の御旗に、企業的農地所有を進めるとともに農協系統組織と農業委員会系統組織を解体しようとする意図を持っている。

議事録を読むと分かるが、担当相・副大臣、規制改革会議の議長・議長代理、農業ワーキンググループの座長の他、主要な会議員の間で共有されている理念なり思想は、「戦後農地改革は、社会政策としては成功であったが、経済政策としては失敗であった」というものである。

これはこれで一つの見識であるが、そこからいきなり、農協と農業委員会の組織をいじくりまわすというのは不見識であり、説得力を欠く。
「大きく騒いで扇動する」類いの政治的行動にほかならない。

・自作農の限界“責任転嫁”

戦後自作農体制の限界が露呈しているのは、農地改革、ないしはそれによって措置された農協や農業委員会の責任ではなく、農家家族と農業集落の適応力を超えた急速な経済社会の変化によるものである。

16、17世紀に起源をもつ直系家族制(単独相続制)の家族農業は、少なくとも高度成長期以前はバランス良く保たれてきた。
しかし、その後は家族農業の適正規模と現実の農地所有規模との乖離(かいり)が顕著となり、相続のもめごとや耕作放棄地などを生んでいる。

その解決策の一つが、今回措置された農地中間管理機構(農地集積バンク)である。
家督相続から均分相続への転換は不可逆であるから、地域社会に精通している者からの情報を生かしつつ、家族がうまく活用できない農地は速やかに公的な農地中間管理機構に預けるようにしたい。

この点において、農協と農業委員会の基盤である集落機能の維持・活性化は、今後も重要である。
というもの。

5回掲載という事なので、次回の記事も確認しよう。
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