虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ナルニアの映画化なら

2004年12月21日 | 映画の話題
 きちんとアスランとひとつの世界の始まりから終焉までをまとめなくてはいけないから、切り捨てるストーリーもいっぱい出てくるんでしょうね。
 ナルニア映画化の話を聞いてからついつい読み返してますけど、これは大作でなくていいから、ゆったりした長編シリーズで全作映画化してくれたほうが不満が残らないと思う。

 一篇の映画として一番ぴったり来そうなのが「馬と少年」
 ナルニア物語としては一番外伝っぽいけど、これが豪華に映像化されたらと思うとゾクゾク!「指輪~」と同じく、白い人たちが良くて、カラードの人たちが悪者設定というのが時代だけど、南の漁村に始まってきらびやかなアラブ風の都、暗い墓地の夜、砂漠の旅、そしてハイライトは馬から下りて一人でよろけながらライオンに向かっていくぼろを着た少年!ああ、出来のいい映像で見たくてたまらない!

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マイ・ボディガード (2004/米)

2004年12月20日 | 映画感想ま行
MAN ON FIRE
監督: トニー・スコット
出演: デンゼル・ワシントン ダコタ・ファニング クリストファー・ウォーケン ジャンカルロ・ジャンニーニ

 元CIAの特殊部隊員ジョン・クリーシーは、長年対テロ活動に従事し、その仕事の中身に押しつぶされ酒びたりの日を送っている。誘拐が日常茶飯事のメキシコシティで友人から少女のボディガードの仕事を世話されたクリーシーは、彼自身にも思いがけず、その少女ピタとの交流に心癒されていく。しかしある日、ピタは誘拐されクリーシーは重傷を負う。

 A・J・クィネルの原作のクリーシーって、確か連作の主人公でしたよね。私は読んでいませんが、はまってる友人が「なんでデンゼル・ワシントン?」と心配そうでした。クリーシーというのは独立独歩の無敵の老練な傭兵だそうです。だとすれば、この映画の主人公は、クィネルの原作とはかなり違うようですが、映画としてみたときは多少の矛盾に目をつぶれば、よく出来た映画だと思います。
 クィネルの本は、最後にスカッと開放感がありますが、これはそれほど開放感や幸福感に満たされません。最終的に自分の納得できる生き方と死に場所を得られた男へのシンパシーとかそういうものですね。これは「仕事だから」の言い訳で自分の人間性と自分の行動を便利に切り離そうとする人間と、そうできない人間の戦いの物語。クリーシー以外にも闘うヒーローは出てきます。レポーターとか、正しい警察官とか。

 デンゼル・ワシントンは安心してみていられます。ダコタ・ファニングってあんなに小さいのに、主人公のレディとして必要なオーラを備えてます。彼女の魅力と存在感が後半の凄惨なシーンを納得させます。
 なんたってちょっと役不足かな、出番少ないぞと思うけどクリストファー・ウォーケンいい!素敵!あの一種独特な寂寞感に加えて、すっきりと歳取ってて、出るたび見とれる。私って、ほんとに「哀愁のおじさん」好き!(「2046」のトニー・レオンにへたへたと参ってしまったのは、きっと彼が「花様年華」よりもっと「哀愁のおじさん」してたからかも)

 しかし、映画の後半では血がドバドバ飛び散り、火柱は派手に吹き上がり、メキシコ・シティは怖くて悪い人だらけみたいです。映画の最後にメキシコシティへのスペシャルサンクスがあったけど、ほんとに良かったのかなあ。邦題、なんか違うって気もします。

カラオケに「見果てぬ夢」はない

2004年12月19日 | 日記・雑記
 久しぶりに午前様しました。
 思いっきり酔っ払ってもいいや、と思えるメンバーでのお酒の席も楽しいです。私は体質で絶対酔えないけど、ウコン茶飲みながらカラオケしてました。ウコン茶というのは、薄い漢方薬のようだったが、ウーロン茶よりいい!お酒の席での冷たいウーロン茶はもう飽きました。健康のためには良かったと思います。
 昨日のところは、洋楽リストのほうにも、「見果てぬ夢」とかミュージカルナンバーがありませんでした。そうなるとアニメ主題歌とかマドンナくらいしか歌えません~。オレンジレンジの「花」は何とか追っかけられましたが、「大奥」主題歌はまだ駄目でした。
 笑いすぎて腹筋が痙攣しそうでおなかさすってたら、男性から「やめなよ~、妊婦みたい」と言われました。そういう発言が出るようになったのね~キミも。嫁姑の話題でカラオケそっちのけで盛り上がってる一団もあったし、はるばる越し方を思う忘年会なのでありました。

80日間世界一周(ジュール・ヴェルヌ著/岩波文庫)

2004年12月18日 | 
 1972年、ロンドンのクラブでカードゲームをしていた紳士フォッグ氏は、80日間で世界一周できるかどうか賭けをし、それを実証する為に、雇い入れたばかりの召使・フランス人のパスパルトゥーとともに旅にでる。

 これを読むのは実に小学校以来で、しかしヴェルヌって本当にストーリーテリングの天才!もっともっとヴェルヌの小説が読みたくなってしまった。
 登場人物のキャラクターがまた魅力的。フォッグ氏はロンドン紳士で、しかもその中でも一風変り種。自分の日常のスケジュールを厳守し、髭剃り用の湯温を間違えただけで召使を首にする。芸人から消防士から経験してきたパスパルトゥーは穏やかで平穏な日常を望んでフォッグ氏のところへ来たというのに、哀れにも世界一周のお供。
 この、いかなる事態にも動じずに、いかにも紳士然とした冷静さで突き進んでいくフォッグ氏と、気のいい力持ちで何でも屋のパスパルトゥーのコンビがたまらなく絶品。
 フォッグ氏の人物像は変わり者であっても基本的にとっても「ヒーロー」である。彼はとっつきにくく、計算高く、行く手を阻むものを惜しみなく金をばら撒いて次々打開し、目的のためには他のものを切り捨てる集中力がある…が、人間として「行かねばならぬ」時、インドで夫の死体とともに焼かれそうになるアウダ夫人救出や、アメリカで行方不明になったパスパルトゥーを助けるという場面では躊躇なく旅の成功を危うくするような決断ができる。
 フォッグ氏を強盗と思い込んでつけまわして、一緒に世界一周してしまうフィックス刑事。この刑事の邪魔したり助けたりもドキドキはらはら。そして最後に一発逆転まで納めてハッピーエンド。読み出したら止まらない。

80日間の予定内訳は次の通り。

ロンドン-スエズ 鉄道および客船 7日
スエズーボンベイ 客船 13日
ボンベイ-カルカッタ 鉄道 3日
カルカッタ-香港 客船 13日
香港-横浜 客船 6日
横浜-サンフランシスコ 22日
サンフランシスコ-ニューヨーク 鉄道 7日
ニューヨーク-ロンドン 客船および鉄道 9日
(1956年版の映画はかなり忠実だけれど、本では気球は出てこないし、スペインにも寄らない。でも映画のフラメンコは素晴らしかった。それにアメリカ大陸横断の一部は寒さの中を橇で進む)

 このスケジュールに沿って、フォッグ氏は何日得した損したを記録しつつ、障害は金の力で突破する。全世界に大英帝国が君臨した時代だなあ、ヴェルヌもイギリス人を主役にせざるを得なかっただろう、と思う。
 このように事細かな計算を積み上げてきた小説の終わり方がまた粋。フォッグ氏がこの旅で得たものが、男の人生を最大に幸福にする一人の女人であった…と、この勘定で締めるのかと思うと、最後にとどめの一文。
 
 そもそも人は、得られるものがもっと少なかったとしても、世界一周の旅に出かけるのではなかろうか。(454ページ)

うまい!完璧!
 
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ドン・キホーテでゴジラショックから脱出

2004年12月18日 | 映画の話題
ちょっとゴジラショックが大きすぎたので、「80日間世界一周」の本を読んでもダメージが残ってる感じでした。
でも、昨夜BS2の、

「ドン・キホーテ」(2000/米)
監督: ピーター・イエーツ
出演: ジョン・リスゴー ボブ・ホスキンス ヴァネッサ・L・ウィリアムズ 

が思った以上に良くて、心が和んだ。
ジョン・リスゴーは、あまり見てないなあ、「メンフィスベル」に「シュレック」くらいしか思いつかないが、ルックスが、はじめはちょっと違和感だったのに、だんだんぴったりに見えてきた。コスチュームや画面の感じはもうちょっと古色蒼然のムードがあればとは思ったけど、ドゥルシネア姫もこれで良いやと思ったし、すごく儲けた気分になった。

そこで引き続き
「ラ・マンチャの男」のビデオを出して、ピーター・オトゥールの青い眼を見て、いっしょに歌いまくって(声でないけど)すっきり。もう放射能吐きませんので。
今晩カラオケ行くんだけど、「見果てぬ夢」なんか歌えるでしょうか?

ゴジラ・ファイナル

2004年12月17日 | 映画の話題
ホームページのほうにもゴジラを書きました。
基本的にほめ言葉しか書きたくない主義でやっていますが
今回だけは荒れてるかも、です。

movie diary ゴジラ FINAL WARS

確かに今までにしょーもないゴジラ映画が作られてました。
今までのゴジラ映画の殻を破ったのは認めるにしても、ゴジラを主役からはずしてそれでファイナルとは納得できません。
ゴジラは造形でもインパクトでも日本の映画の生み出した最高のキャラクターのひとつなんだから、そこをもっと尊重して欲しかったと思います。

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80日間世界一周(1956/米)

2004年12月16日 | 映画感想は行
監督:マイケル・アンダーソン
出演:デビッド・ニーブン カンティンフラス シャーリー・マクレーン

 1872年、イギリスのロンドンのクラブで、80日で世界を一周できるかに全財産を賭けたフィリアス・フォグ氏が、従者パスパルトゥーと共に世界一周に出かける。
 イギリス紳士フォッグ氏役デビッド・ニーヴンのピンと伸びた背筋、どこでもイギリス紳士の貫禄と、軽快なパスパルトゥー(小学校時代からこの呼び方に慣れてるのでこう呼ばせてください)のコンビも最高。どんなときにも悠揚迫らぬフォグの最後に至ってのあせりまくりなど、最初から最後まで楽しませてくれた。それぞれの国での見せ場がたっぷりで、スペインやら、インドのアウダ姫救出シーンなど色彩の美しさにはうっとり。
 イギリスの国力絶頂期の、だからできるであろうという力ずくの物語、これはさすがにフランス人ヴェルヌもイギリス人を主役にせざるを得なかったんだと思う小説。それをまた、豪華絢爛に贅を尽くして、それだけにも圧倒されるまさにゴージャスな映画。
 登場するゲスト・スターはマレーネ・ディートリッヒ、ロナルド・コールマン、マルティーヌ・キャロル、シャルル・ボワイエ、トレヴァー・ハワード、ノエル・カワード、フェルナンデル、グリニス・ジョーンズ、フランク・シナトラ、ピーター・ローレ、……目もくらむばかり!
 時代を感じるところもあるが、キートンファンの私としては、彼の登場が列車で、しかも橋が崩れるシーンもありなんて、もう熱狂です。
 エンドタイトルでは、登場人物が確認できて、それからもう一度見たくなる映画!
 思わず原作を読み出してしまった。何十年ぶりだろう。

 今まで、テレビ放送でしかみていないと思うのだが、今回の2枚組みDVDでは未見のシーンがたくさんあった。最初にヴェルヌ原作の1902年の「月世界旅行」(この映画自体は、BS2の特集で見た)がかなり入っていたし、日本でのシーンも記憶よりどっさりあった。これもちょっと不思議な日本なので、カットされてたのかな?

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ゴジラ FINAL WARS (2004/日)

2004年12月15日 | 映画感想か行
GODZILLA: FINAL WARS
監督: 北村龍平
出演: 松岡昌宏 菊川怜 宝田明 ケイン・コスギ 水野真紀 北村一輝 ドン・フライ

 月曜・火曜真面目に、火曜午後まではPC張り付き・火曜午後は目いっぱい飛び回りだったので、今日は少しくらい息抜きしたっていいじゃない、と朝一で映画館へ。「レディ・ジョーカー」始まっちゃってたから、この映画にしたんだけど、インクレディブルの字幕版にするべきだった。
 製作側も、嘘ついちゃ駄目じゃないですか。
 これはゴジラの映画じゃなくて、「ゴジラもついてるマトリックスもどきアクション映画」じゃありませんか。
 これからまたお仕事ですが、能率思いっきり落ち込みそうです。はあ…

 重要キャラが外国人で吹き替えの違和感ありまくり。いっそのことケイン君も吹き替えたらいかがでしょう?防衛軍の主要メカのコックピットはスタトレなんですね。そこで日本刀かまえんでください。アクションのできる重厚感のあるおじさんなら、倉田保昭さんでも連れてきたら?そのほうがまだまし。北村一輝はあのイっちゃってる加減は実に上手に見せてくれてますが、周りがそれに釣り合ってない。特に主役が。ヒロインは、現実に頭が良いより、「ガタカ」のユマ・サーマンとは言わないから、ケート・ベッキンセール並みには迫力と威圧感のある美女にしてください。あの口半開きのアップはやめて。でなければ「きゃあ」という役に徹して下さい。わかってます!最後までハイヒールなんだから、わかってますけど…
 シリアスと笑わせる部分のバランスもタイミングも悪いので、見ていてちっとも笑えず落ち込むばかりです。
 ゴジラとなつかし怪獣で勝ち抜き戦状態ですが、人間のアクションと怪獣アクションがほとんど変わりません。オリバー・カーンじゃあるまいし、横っ飛びするな!
 宝田明や水野久美さんはあんな役じゃ気の毒じゃないですか。
 それにあのラストは何っ?
 少々八つ当たり気味の感想ではありますがやっぱり言いたい。

「これがゴジラ・ファイナル?????冗談でしょう!!!!」

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長澤まさみで「タッチ」を映画化

2004年12月14日 | 映画の話題
 私は「タッチ」そのものは苦手な部類です。だってこそばゆくなるんですもの。
 でも長澤まさみの南ちゃんはいいかもしれないと思う。「深呼吸の必要」でも、ちょっとヒッキー気味で葛藤のある子を演じてたけど、すごく清潔感があって好感持たせる演技だったものね。さわやか系にはぴったりでしょう。
 しかし問題は双子。FLAMEの二人というのは、まさかないよね?!
 雰囲気が似てればそれでいいから、納得できる人選してください。

 台風の被害で近所の単館係映画館がとうとう閉館。もうひとつの単館系も閉館の噂。そうなったら私の行動範囲内の単館系は一館しか残らない。冗談じゃなく、むちゃくちゃ深刻。モーターサイクル・ダイアリーズも、犬猫も、戦争の始め方も、来るんだったらそこしかないと思ってたのに!DVDがあればいいというものではない。映画への入り込み方は、自宅DVDと映画館鑑賞では違うんだから! 

「討て!ヤンキー私掠船」 ケネス・ロバーツ著

2004年12月13日 | 
 ジャック・オーブリーの時代のお話。「マスター・アンド・コマンダー」が思いのほかぐっと来たので、古本屋めぐりなんかでも海洋冒険小説が目に付くようになってる。やはりメジャーどころで、ホーンブロワー、ボライソーはよく目につくが、この間見つけたのが

「討て!ヤンキー私掠船」ケネス・ロバーツ著

という本。主人公がヤンキーで討たれるのがイギリス船。タイトルで思ったのと逆だった。
 三崎書房の航シリーズというのの一冊だが、これも不思議なシリーズみたい。この本も連作のひとつらしいのに、このシリーズの中にはこれだけしか入ってない。全部で5~6冊あるらしいが、それぞれ作者も違うし、中には「戦艦バウンティ号の反乱」の後日談なんてのも入っているらしい。新刊では入手できないようだし、シリーズ全部探すとなったらすごく大変そう。
 この本のストーリーが始まるのは1812年のイギリス・アメリカ開戦直後から。「マスター・アンド・コマンダー」でそうだったように、どこの国の海軍も別の国の船と闘っては分捕ってたありさまが克明に描かれ、それにまたイギリス海軍がアメリカの船乗りを徴用したり、いや大変な世界だったんですね。絵に描いたように好青年でマッチョな主人公は分捕られたり、奴隷状態になったりを次々に乗り越え、船と恋人を手に入れます。主人公の素直じゃない恋人も、捕虜になるわ、女船長になるわの大活躍。その彼女が、ラストの主人公の「俺が間違ってた」の一言で誇り高い美女が瞬時に従順な娘になってしまう。この豹変状態がよく理解できない。1930年代に書かれた本だが、男が女を見くびってるのは実によくわかる。
 この間アメリカ史をずっと読んでいて、レディ・ファーストの国というけど、アメリカ女性の地位ってむちゃくちゃ低いなと思ったが、今の感覚だと、「俺が間違ってた」の一言くらいで、「いいえ間違ってたのは私、あなたは全部正しかった」なんて絶対口に出来ない。とんでもない話だ。

土日のテレビの映画

2004年12月13日 | 映画の話題
 土曜日 ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔
 日曜日 戦場のピアニスト
 テレビで連日こんなすごい映画をやっていたので、CMで水を差されることがわかっていても見ずにはいられませんでした。

 「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」途中までは吹き替えで見ていたんだけど、Treebeared(木の鬚)が出てきたところで副音声の原語へ。字幕ないからきつかった。ゴラムは長島雄一さんだったかな?悪くはないけど、声優さんがどうこうより、"My precious..."のところなどの、魔力に囚われたものの一種独特な感じは、日本語に変わっちゃうと出にくいように思った。
 映画館に行く回数へっても、絶対にSEEのセットは買うぞ!

 「戦場のピアニスト」家族の反応もこの映画ならではだった。全員もう2回くらいはこの映画を見ているので、何がどうなるかは全部知っている。
 一人なんか、完全に画面に背を向けて、自分が見られる場面だけ振り返って見てる。やたらとにぎやかにしゃべりまくるのとか(黙ってるといたたまれないらしい)、見てられない場面になると本を読み出すヤツ…でもみんな見に来ちゃって、最後までテレビの前にいる。
 かなりカットされたシーンも多かったですね。
 原作を読んでからだと、名前を告げるシーンは大尉に聞かれて答える映画よりは、何かのときの為にと、自ら名乗る原作のほうがシュピルマンの意思が感じられてそちらのほうがよいと思う。

 やはりCMは邪魔だった。

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『坊やだからさ』…シャアは三味違う

2004年12月12日 | エンタテインメント
 うちの高校生が「『坊やだからさ』Tシャツが欲しいよう!」と、いきなりねだり始め我が家は時ならぬガンダムブーム。
 ガンダムシリーズを知らない方には「坊やだからさ」というのは何のことだかわからないと思いますが、これは第1シリーズからの強烈な敵キャラ、シャア・アズナブルの名セリフです。この人は名セリフの多い人で、集めたら毛沢東語録の如き名セリフ集が出来るんじゃないかと思うほどです。このキャラクターでなければ許せんようなセリフばかりです。
 第3シリーズでの「何だコリャ」なビジュアルといい、デスラー総統よりも、出来るライバル敵キャラのイメージをしっかりと植えつけたキャラクターだと思います。スパロボで実力ほどの扱いを受けてないのが悲しい。(そういえば、エヴァンゲリオンのシンジ君見たときはウッソを思い出したし、ガンダムはいろんな意味で偉大だった…笑って見てたのも事実だけど)
 やはり、ガンダムSEED DESTINY(土曜午後6時からTBS系で放送中)の影響でしょうか。私は現在全然見てませんが、チラッと覗いたら、かわいい絵になってるなあ~なんて思いました。

 しかし、ネットで探しても『坊やだからさ』Tシャツがなかなか出てこない!『若さゆえの過ち』は結構あるのに。これは秋葉まで遠征して探すしかないだろうか?(なんとなく私も欲しくなってる…がしかし何処で着るんだ?)

 お楽しみください
 俺選ガンダム名セリフ・データベースNO-FUTURE様)

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恋愛小説家 (1997/米)

2004年12月12日 | 映画感想ら行
AS GOOD AS IT GETS
監督: ジェームズ・L・ブルックス
出演: ジャック・ニコルソン ヘレン・ハント グレッグ・キニア

 ベストセラー恋愛小説家メルビンは、現実には、異常なまでに潔癖性で神経質、それに周囲をとびきりイヤな気分にさせる特技の持ち主で、一人で孤独に暮らしている。隣人の画家とは、犬をめぐってやりあう仲。そんな彼が、行きつけのレストランのウエイトレスで、病気の子を抱えるキャロルに興味を持ち、彼女以外の給仕を拒否するようになる。

 ジャック・ニコルソンは確かに名優なんだけど、いかにもそれらしい「臭み」みたいなのを感じてしまう。でもほんとにうまい。「アバウト・シュミット」を見て、続けてニコルソン見たくなってこれを借りちゃったけど、これを申し込んだのは、その「ニコルソンくささ」がこの映画だと最高に活かされてるから、選んでしまったのだと思う。
 相手の最も気に触るようなことを選んで言う名人で、それなのに相手が強気に出るとすぐ引っ込んじゃう。うわ~ 本当に見れば見るほど「やなヤツ」ですもんね。それでいて芯は寂しがりや。これを「駄目だな~」と感じさせて嫌悪感ぎりぎりでラストの「よかったね~」まで持って行く様に救ってるのはニコルソンのうまさなんでしょう。
 ヘレン・ハントも、生活と闘うお母さんと恋する女性の部分がちゃんと同居してる名演だし、あの背中ヌードキレイでした。グレッグ・キニアのいい御家出身の不運なゲイの芸術家の、いろいろあった表情の変化が良かったですねえ。

 それにしてもワンちゃんの名演技!助演賞はグレッグ・キニアだけじゃないな~とか、アカデミー動物賞とか、思わずあげたくなりません?

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Mr.インクレディブル (2004/米)

2004年12月11日 | 映画感想ま行
THE INCREDIBLES
監督: ブラッド・バード

 かつて世界の危機を救ってきたスーパー・ヒーローたちは、その桁外れの破壊力が問題視されて以来、スーパー・ヒーローとしてのパワーの発揮を禁じられた。正体を隠し一般市民として暮らし、そのパワーと正義感を持て余すもとスーパーヒーローMr.インクレディブル。実は彼の妻ももとスーパーヒーローで、3人の子どももスーパー・パワーの持ち主。彼らは普通の生活を送ることに、それぞれ苦しんでいる。一方その頃、元ヒーローたちが次々と行方不明になる事件が続発していた。

 面白かった!
 監督さんは、「アイアン・ジャイアント」の監督だったんですね!実にツボをはずさないって感じで楽しませてもらいました。伏線なんかもチョーわかりやすくて、ラストでは、あちこちで小学生が(3~4人しかいなかったけど)「やっぱり~」と声を上げていました。
 家族向けとは言っても、人の死とかそういうのは結構ストレートに描かれていて、でも、スーパーパワーの持ち主である子どもたちが、まず自分の生死に直面するというところで戦う覚悟と決めていくまでの運びなんてうまいなあ~、と。そうでないと自分のパワーで人を傷つけることに対する怯えとか、見てる子どもたちにも躊躇が生まれるから。(これやっぱりアメリカ的なのかな~と考えた部分ではありますが)
 それにスーパーヒーローのドメスティックな苦労が、実に克明にありそうだな~という感じに描かれて面白いですね。「スパイダーマン2」が奉仕の努力・身をやつす苦労独身版で、こちらは所帯持ち版の、世間に同調する大変さ。大変だよね~
 それにしても、色彩・質感・量感・スピード感の素晴らしさったらないですね~!もう感動!
 登場するキャラクターのプロポーションは現実離れしてるんだけど、そのほかのリアル感が素晴らしく、それが違和感なく画面にはまって、無駄のないストーリーが進行していく!
 今回は吹き替えで見たけど、それぞれ担当の方違和感なく、お上手でした。
 次はホリー・ハンターで見に行こう!

 最近忙しいといいつつ映画館ばっかり行ってるみたいですが、これ見に行って夕食は菓子パン一個と館内のコーヒー、家に帰ってバナナとみかん各一個になりました。

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17歳の処方箋 (2002/米)

2004年12月09日 | 映画感想さ行
IGBY GOES DOWN
監督: バー・スティアーズ 
出演: キーラン・カルキン スーザン・サランドン ライアン・フィリップ クレア・デーンズ ジェフ・ゴールドブラム ジャレッド・ハリス アマンダ・ピート ビル・プルマン

 17歳のイグビーはWASPの裕福な家庭の生まれだが、反抗的で問題児。強権的な母、優等生の兄に反発し、母が入れた学校で問題を起こしては放校の繰り返し。父は精神を病み入院中。ついには高校でなく、士官学校に入れられドラッグにまで手を出す。また追い出され、彼の名付け親D.Hがいるニューヨークで自由を試みようとする。イグビーはそこでスーキーとレイチェルという2人の美しい女性と出会う。
 「10日間で男を上手にフル方法」の脚本で知られるバー・スティアーズの監督デビュー作。

 感動というのでなく、心に引っかかり、残ってしまう映画だった。
 あまりに豪華な出演者なのでついずらずらと書いてしまったが、やはり大人がすごい。達者です。
 邦題からして、「17歳のカルテ」とか10代の不安定さを思いっきり連想させるし、確かに主人公の視線が思いっきり内向きでその中で寂しい、怖い、と手をつなぎたい相手を探してるとこなんか共通してるかな、と思った。

 ほんとに見ていて、主人公の気持ちがわからんではないけど、こういう子がそばにいたらアタシも殴っちゃうね、きっと。子ども時代から満たされない、つらい思いをしてたのはわかる。でもアンタだけじゃない。俗物、冷酷呼ばわりするお兄さんだって、彼が選んだ道を歩いていくのは大変だし、あなたをそれだけ面倒見るのだってそれなりに努力してる。
 スーキーにしたって、あなたは「彼女にもたれかかりたい」がミエミエです。後のつらさがみえても、お兄さんの安定感は魅力です。
 私もどっかに主人公と同じもの抱えてるので一層、何やってるんだよ!と腹立たしくなるんでしょうなあ。
 スーザン・サランドンは自己を意思で最期まで律しようという強烈な女性で、グレートマザーのある暗黒面をさすがの演技で、怖かったです。ある意味で彼女が正しいことは正しいし。イグビーの反抗は反抗のための反抗。それなのに社会規範と良心をもって子どもに立ちはだかる父親的存在が薄弱すぎ。D.Hもちょっとそういう存在としてはいびつ。でも、彼にうちすえられての「罰」という言葉は象徴的だった。
 D.Hに捨てられよれよれのレイチェルのイグビーに対して母を気遣う言葉。妙な自由人芸術家(ジャレッド・ハリス…リチャード・ハリスの息子ですって?) この映画、大人がそれなりに大人です。
 ラストは、希望を持たせるような終わり方ではありますが、彼の前途は多難である、と思わずにはいられない。
 しっかりやってくれ、と。
 音楽が、なかなか効果的だった。

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