虫干し映画MEMO

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ハウルの動く城 (2004/日)

2004年12月01日 | 映画感想は行
監督: 宮崎駿
声の出演: 倍賞千恵子 木村拓哉 美輪明宏 我修院達也 大泉洋

 戦争の始まりにざわつく町で、父の遺した帽子店を切り盛りする18歳の少女ソフィーは、美青年と出会う。それは悪名高い魔法使いのハウルだったのだが、ソフィーは彼の優しさに惹かれる。だがその夜、彼女は荒地の魔女に呪いをかけられ90歳の老婆にされてしまうのだった。家を出たソフィーは、ハウルのいる移動する城で掃除婦として一緒に暮らし始める。

 昨日遅くまでお仕事あったから、今夜も夜までしっかり入ってるしとか、自分にも言い訳しつつ朝一で見に行って来ましたが、コメント難しい… ちょっとイメージ散漫。
 ジブリですし、映像・音楽すべて水準には達していますが、この映画、今までのに比べてですが、世界を作り込んでない感じがしました。それに、戦争が始まった時期のあの一種独特な高揚感から始まり、戦争の中にハウルが巻き込まれていくのと、登場人物それぞれにかけられた魔法が、お互いのかかわりの中で解けていくのが織り成されている物語なら、戦争についてもっと突っ込んで描いたほうがもっと印象が強くクリアーになったと思う。ジブリだからこそ、の物足りなさかもしれないです。
 最初の空中歩行では、やっぱり胸が高鳴ったんだけど、あんまり続かないし。

 ちょっと辛い見方になったのは、個人的に老いたソフィーに納得できないのもひとつの要因。おばあさんになってからのほうがなんか前向き人間みたいなのは、彼女が呪いによって、却ってそれまでの自分から解放された部分もあるのだから納得。でも、私は爺さん婆さんとお付き合いが幼少時代からかなり多く、米寿祝を3人いっぺんにやろうか、なんて家族だったから、80歳とか90歳のイメージが出来上がっちゃっていますのね。やっぱり厚みのある過去を持たない年寄りには違和感。だからもっともっと独特なおばあさんに描いて欲しかったな。

 木村拓哉は悪くなかったです。もっと涼やかさがあれば尚可。宮崎監督は声優を使うのが嫌いという話ですが、三輪明宏さんくらい「美しく、バケモノじみてもいて、可愛さも」という迫力(加藤治子さんにもありますが)のあるイメージ背負った方はともかく、俳優自身のイメージ邪魔にはならないのでしょうか?
 大泉さんあれだけ?楽しみだったのに。

 もしかしてこの映画は宮崎監督の枯淡の境地…?まだ早いんじゃないでしょうか?

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movie diary ハウルの動く城