前田建設工業株式会社著/幻冬舎
前田建設のWEBSITE内の
前田建設ファンタジー営業部
が本にまとめられたもの。
マジンガーZの格納庫を今の建設技術で実際に作ってみるとこうなります、の企画から見積もりが出来上がるまで。
この本はWEBのほうも知らず、タイトルと惹句だけで買ったので、読む前は漠然と「ウルトラマン研究序説」(
アマゾン)みたいなものかな?と思っていた。読んでみたら、それとはまったく違って、ゼネコンのお仕事はこんな風にやってるんですよ、のガイドブックでありました。
「マジンガーZの格納庫」というネタを漫画から引っ張ってきて、もしそれを実際に作ってみるとしたら何が必要でどうやって作るか検討し、見積もりを出すまでの過程を通常の仕事と同じように進めていきます。まっとうに企業のお仕事案内です。しかも面白い。
実際の手順に沿っているので、架空とはいえ、打ち合わせなども普通にお仕事口調で
「いろいろご意見などいただきつつ考えていきたいのですが」
「こちらとしても極力正確に検討してみましたが、難しい点はいろいろありますので、そのあたりはご承知おきください。」(144ページ)
みたいな感じで、粛々と進みます。その中に「超合金Z」を素材に使えないかとか、マジンガー自体を建設機械に使えないだろうか、なんていうのが「それでは、見積もりは通常の鋼製でさせていただきます。」式にごく真面目に入ってきて、そこはかとなきおかしみや爆笑を誘います。
私は家に積んである「建築雑誌」「土と基礎」なんて学会誌を面白そうなとこだけ拾って読んでいたり、工学修士の論文清書とかやったことがあるので、法面掘削(のりめんくっさく)とか、山留め、アンカーボルトなどの言葉には少しはなじみがあったものの、しょせんは門外漢なのだが、その私にも、あれこれ専門家(実務の現役バリバリさん!)が繰り出してくるプランがゾクゾクするように面白かった。この本は「物理や化学、理科を学校で勉強して何の役に立つの?」という問いへのひとつの回答になると思います。
私たちは普段意識して見ていないけれど、そういう知識の上で形作られた今の生活を送ってるってことをちょっと気づかせてくれます。
余談…私のマジンガーZとのお付き合いはスパロボシリーズしかなくて、装甲が丈夫なので前衛配置でブレストファイヤーしか使えないわ、みたいな扱いでしたが、今度やるときにはもうちょっと大事にしそうな気もします。
また、WEBのほうでは、第2プロジェクト銀河鉄道999がもうエピローグまで進んでいます。私は本のほうが断然読みやすかったです。
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