虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

17歳の処方箋 (2002/米)

2004年12月09日 | 映画感想さ行
IGBY GOES DOWN
監督: バー・スティアーズ 
出演: キーラン・カルキン スーザン・サランドン ライアン・フィリップ クレア・デーンズ ジェフ・ゴールドブラム ジャレッド・ハリス アマンダ・ピート ビル・プルマン

 17歳のイグビーはWASPの裕福な家庭の生まれだが、反抗的で問題児。強権的な母、優等生の兄に反発し、母が入れた学校で問題を起こしては放校の繰り返し。父は精神を病み入院中。ついには高校でなく、士官学校に入れられドラッグにまで手を出す。また追い出され、彼の名付け親D.Hがいるニューヨークで自由を試みようとする。イグビーはそこでスーキーとレイチェルという2人の美しい女性と出会う。
 「10日間で男を上手にフル方法」の脚本で知られるバー・スティアーズの監督デビュー作。

 感動というのでなく、心に引っかかり、残ってしまう映画だった。
 あまりに豪華な出演者なのでついずらずらと書いてしまったが、やはり大人がすごい。達者です。
 邦題からして、「17歳のカルテ」とか10代の不安定さを思いっきり連想させるし、確かに主人公の視線が思いっきり内向きでその中で寂しい、怖い、と手をつなぎたい相手を探してるとこなんか共通してるかな、と思った。

 ほんとに見ていて、主人公の気持ちがわからんではないけど、こういう子がそばにいたらアタシも殴っちゃうね、きっと。子ども時代から満たされない、つらい思いをしてたのはわかる。でもアンタだけじゃない。俗物、冷酷呼ばわりするお兄さんだって、彼が選んだ道を歩いていくのは大変だし、あなたをそれだけ面倒見るのだってそれなりに努力してる。
 スーキーにしたって、あなたは「彼女にもたれかかりたい」がミエミエです。後のつらさがみえても、お兄さんの安定感は魅力です。
 私もどっかに主人公と同じもの抱えてるので一層、何やってるんだよ!と腹立たしくなるんでしょうなあ。
 スーザン・サランドンは自己を意思で最期まで律しようという強烈な女性で、グレートマザーのある暗黒面をさすがの演技で、怖かったです。ある意味で彼女が正しいことは正しいし。イグビーの反抗は反抗のための反抗。それなのに社会規範と良心をもって子どもに立ちはだかる父親的存在が薄弱すぎ。D.Hもちょっとそういう存在としてはいびつ。でも、彼にうちすえられての「罰」という言葉は象徴的だった。
 D.Hに捨てられよれよれのレイチェルのイグビーに対して母を気遣う言葉。妙な自由人芸術家(ジャレッド・ハリス…リチャード・ハリスの息子ですって?) この映画、大人がそれなりに大人です。
 ラストは、希望を持たせるような終わり方ではありますが、彼の前途は多難である、と思わずにはいられない。
 しっかりやってくれ、と。
 音楽が、なかなか効果的だった。

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白い魔女は

2004年12月09日 | 映画の話題
ナルニア国物語「ライオンと魔女」の白い魔女役は
ティルダ・スウィントンに決定したらしいですね。
オルランドの主役、私は最近では「ヴィトゲンシュタイン」「アダプテーション」で見ています。
身長は180センチで申し分ないです。
思いっきり冷たく美しく演ってください!

でも、4人きょうだいは、どうなるのかな~