虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

マイ・ボディガード (2004/米)

2004年12月20日 | 映画感想ま行
MAN ON FIRE
監督: トニー・スコット
出演: デンゼル・ワシントン ダコタ・ファニング クリストファー・ウォーケン ジャンカルロ・ジャンニーニ

 元CIAの特殊部隊員ジョン・クリーシーは、長年対テロ活動に従事し、その仕事の中身に押しつぶされ酒びたりの日を送っている。誘拐が日常茶飯事のメキシコシティで友人から少女のボディガードの仕事を世話されたクリーシーは、彼自身にも思いがけず、その少女ピタとの交流に心癒されていく。しかしある日、ピタは誘拐されクリーシーは重傷を負う。

 A・J・クィネルの原作のクリーシーって、確か連作の主人公でしたよね。私は読んでいませんが、はまってる友人が「なんでデンゼル・ワシントン?」と心配そうでした。クリーシーというのは独立独歩の無敵の老練な傭兵だそうです。だとすれば、この映画の主人公は、クィネルの原作とはかなり違うようですが、映画としてみたときは多少の矛盾に目をつぶれば、よく出来た映画だと思います。
 クィネルの本は、最後にスカッと開放感がありますが、これはそれほど開放感や幸福感に満たされません。最終的に自分の納得できる生き方と死に場所を得られた男へのシンパシーとかそういうものですね。これは「仕事だから」の言い訳で自分の人間性と自分の行動を便利に切り離そうとする人間と、そうできない人間の戦いの物語。クリーシー以外にも闘うヒーローは出てきます。レポーターとか、正しい警察官とか。

 デンゼル・ワシントンは安心してみていられます。ダコタ・ファニングってあんなに小さいのに、主人公のレディとして必要なオーラを備えてます。彼女の魅力と存在感が後半の凄惨なシーンを納得させます。
 なんたってちょっと役不足かな、出番少ないぞと思うけどクリストファー・ウォーケンいい!素敵!あの一種独特な寂寞感に加えて、すっきりと歳取ってて、出るたび見とれる。私って、ほんとに「哀愁のおじさん」好き!(「2046」のトニー・レオンにへたへたと参ってしまったのは、きっと彼が「花様年華」よりもっと「哀愁のおじさん」してたからかも)

 しかし、映画の後半では血がドバドバ飛び散り、火柱は派手に吹き上がり、メキシコ・シティは怖くて悪い人だらけみたいです。映画の最後にメキシコシティへのスペシャルサンクスがあったけど、ほんとに良かったのかなあ。邦題、なんか違うって気もします。