学びのプラスあるふぁ:日常の気付き

人の人生、それぞれが皆オリジナル。街を歩き人に話しかけることから「なるほど」と納得できる発見がある。

老齢、前を見れば今日が一番若い時

2024-01-16 16:18:22 | 日記
 子供達の登校時間をできる限り避けて家の周りの溝や道路のゴミを拾ったりの清掃をするのが僕の朝の日課である。いろんな人が通り過ぎてお互い声を掛け合ったりすることもずいぶん楽しいものだ。時々我が家の前を乳母車を押しながら通るおばあさんと出会う。自分の歩行を補助する目的だけで乳母車を押しているのではない。彼女の乳母車の中にはマルチーズの老犬が毛布に包まれて暖かそうに首を出して周りをキョロキョロと見物しながらの散歩(?)なのだ。やや腰の曲がったおばあさんはそれでも自分の歩行訓練と犬の散歩を兼ねている、と幸せそうに話す。
 「今日は私の誕生日でんねん。今日から先、考えたら多分今日は私が一番元気なときですよってな」と言った。「それはそれはおめでとうございます」という僕の声かけが聞こえたのかどうかは定かでない。それでも自分の歳が86だと呟くように言った。毛布に包まれたお犬様もまた歳をとっていておばあさんは老老介護だと何故か得意げな顔で微笑んだ。
 歳と共にいろんな記憶が薄れいくという人がいるけれど、考えようによっては過去の面倒事を忘れて今を大切に生きることができるようになったと言うこともできる。僕のように夢に出てくる過去の場面が大抵あまり思い出したくもないものであることが多い人が言えることかもしれないけれど。歳を重ねるということは本当に不思議な感覚だ。一つだけはっきりしている事は歳と共に老いていくということだ。後ろを見れば今が一番歳をとった時、前を見れば今が一番若い時…そんなことを考えてお婆さんの後ろ姿を追っていた。

コメントを投稿