JR駅前の本屋さんに立ち寄った。店の入り口に積み上げられていたのが「時間術」とタイトルのついた本であった。さっそく買って読んでみたが期待するほどでなかったので今日は紹介しないことにした。タイトルだけが素晴らしくて中身がもう一つ、というのはそれこそ時間の無駄である。広告につられてはいけないと再認識した。
“時は金なり”とはほとんどの人が知っている有名な格言である。時間を無駄に過ごすことは人生の無駄を積み重ねているようなもので、お金に換算するとどれだけ多くの損失を生み出しているかを教えてくれるきわめて重大な格言なのである。それでも、本当にその意味を、特に一部の若い人達は理解しているだろうか。彼らには時間が山ほどあって、自分が歳をとったときの時間の重要性などを気に留めることとは縁遠い日常を過ごしているのだ。
例によって英語でこれを置き換えてみると“時間はお金のように使いなさいSpend time like money.”と随分と具体的になってくる。無駄使いばかりをしてお金を粗末に扱っていると、歳をとった時に明日の食事を心配しなければならない状況になってくる。歳をとって、明日は食事にありつけるだろうかという類の心配は誰もしたくないはずだ。それなのに、そんなことを考えもしないで時間を浪費している人が多数存在するという事実は驚きだ。
時間とお金の無駄をなくすためには手帳を工夫することだ。僕は現役の頃、一日の時間が縦に刻まれた手帳を使っていた。無益な時間を見つけることと、すきま時間を見つける事、そして自分にとっての有益な時間を見つけることで一日の過ごし方が一目でわかる手帳であった。使いこなせばこれが出来るようになってくる。毎日毎日、まちがいなく多くの空き時間があり、そのすきま時間を自分のために有益に使えば人生はかなり充実してくることを学んだ。椅子に座って腕を組んでウトウトする昼寝だって自分にとっては有益な時間なのである。退職した現在といえば、なんとウトウトばかりの時間術である(笑)。