‘木枯らし一番’が大阪でも吹いたとテレビが伝える今日は、冬が来たと感じさせる寒い一日だった。本当の冬はもっと寒いのに。
我が家の前をランドセルの小学生が二人、2、3年生だろうか、大きな声で話しながら通り過ぎた。「あの子、なんであんなことで怒るんやろか」「さむー」と言ってと言って急に走り去っていった。標準語に訳すと、「あの子、どうしてあんなにつまらないことで怒るのだろうか」とでもなるのかな。最後に「さむ―」といったのは、体感的に寒いことを表すのか、最近はやりのバカみたい、つまらない、と言う意味なのか定かではない。
社会生活を送る上で人との関わりは欠かせない。会社の中で、夫婦の間で、学校の中で、どこかで誤解が生じて喧嘩になったり言い合いになったりする。なんらかの誤解があって、人間関係に摩擦が生じる。“怒る”と言う感情には必ず理由がある。ところが、ちょっと一息ついて「なんで?」「どうして?」と考えてみると、大抵の場合、あまり大した理由などないことに気づく。
アメリカに留学していた時に、人間の'怒り’について学んだ心理学の授業を思い出す。
「理由のない怒りというものはない。しかし、大した理由であることはめったにない。」と言うものだ。誰の言葉だろうか。たくさんの名言を残したBenjamin Franklin(ベンジャミン・フランクリン)である。例の凧上げの実験で雷と電気の関係を学んだ人である。アメリカの独立宣言の起草委員の一人でもあり、100ドル紙幣にも顔が印刷されている。
英語では“Anger is never without reason, but seldom with a good reason."
大した理由でもないのに怒りがいろんな事件を引き起こす今日この頃。立ち止まって「バカみたい!」と叫んでみればどうだろう。