とにかく一年が「あっと」いう間に過ぎていく。あと何年元気で生きていけるだろうかなどと時々頭をよぎるようになってくると時間の経過速度が尋常ではないように思う時がある。兎にも角にも年末だ、「とりあえずは忙しそうにしておこう」などと考えていると周りでは連鎖反応のように車を洗うお父さんと子供の姿を見かけるようになってきた。仕事納めも済ませていよいよ車や家の掃除などに時間を当てようということだろう。僕としても俊敏さは無くなったがとりあえずは部屋の掃除で今年の埃などは払わなければならない。孫が来る正月に向けてやはり準備しなければならないこともある。お墓参りの仏花を買い求め、それから女房の買い物のお手伝いもしなければ。やっぱり年末は歳をとってもそれなりに忙しいではないか。
部屋の掃除をしながら何故か大晦日に放送されるNHKの番組「ゆく年くる年」を考えていた。実を言うと番組そのものより僕は「ゆく年くる年」は言葉として好きなのだ。除夜の鐘を聴きながら“ゆく年”を振り返って終わろうとしている今年がどうだったかを総まとめしようとするのだ。一年、12ヶ月の中で良し悪しは別として少なからず自分の体調や考え方に影響を及ぼした出来事というものはあるものだ。何かが起こったからそれに対応して新しい知恵を会得する。僕の好きなアインシュタインに言わせると「何かが動くまで何も起こらないNothing happens until something moves.」言い換えれば “物が動くと何かが起こる”。“くる年”もまたペダルを踏み続けなければ自転車は倒れてしまう。(皆様の“くる年”のご多幸をお祈りいたします)