学びのプラスあるふぁ:日常の気付き

人の人生、それぞれが皆オリジナル。街を歩き人に話しかけることから「なるほど」と納得できる発見がある。

はぐれスズメ

2021-05-28 16:42:33 | 日記
 昨日の午前中の大雨の中、“一匹狼”ならず“一匹スズメ”を見つけた。我が家の玄関の屋根の下の外灯にとまって雨宿りをしている様子のこの雀、何か理由でもあって群れを離れたのだろうか。気づかれないようにじっと観察しているといろいろ想像力をかき立てられる。
 「一匹オオカミ」は英語では文字通り a lone wolf と表わして、人間の場合には他人と交わることなく自ら進んで単独行動をする人のことを言う。とにかく集団と群れることを好まず距離を置く人のことを指すようだ。マーヴェリック(maverick) という言葉もあり、英和辞書を引くと母牛から離れた子牛のことや、政治や芸術的には反体制の人であったり異端者であったりする人をいうとある。要するに周りの人と合わせながらの生活を好まず自分のやりたいことを重視して我が道を行く人ということになる。よく言えば自立している人なのだ。アメリカの歴史を調べているとサミュエル・マーヴェリックという人の名前が出てくる。テキサス州の独立宣言に署名した人ということでマーヴェリックという言葉が「独立心」を表すようになったということを学んだ。他人と群れることなく独りの道を歩んだ人の話は枚挙にいとまがない。だからこの1匹スズメにもなんらかの理由があって独りの道を選んだのだろうか。どこかでいじめにあったのかもしれない。余りにも他のスズメとの協調性がなくて皆に無視されるようになったのかもしれない。
 またまた思い出したのが夏目漱石の『草枕』。「智に働けば角が立つ。情に棹ささせば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人(スズメ)の世は住みにくい」…ということなのだろうか。「人間」の漢字を入れ替えたら「間人」だ。人の間で窮屈に生きていかねばならない。あのスズメもひょっとすると他のスズメと合わせて生きて行くことに疲れたのかもしれない、などと考えていた。コロナで巣籠もり、余計な発見と思惟(しい)するひと時を楽しんだ。

雨があるから虹がある

2021-05-25 18:19:57 | 日記
 何も特別なことが起こらない自粛生活の中でどうしても書きたいことが土曜日の夕刻に東の空にかかった虹の橋のこと。少し雨が降った直後の夕焼けを見ようと庭に出た。西の空を見てふと東に目をやると、なんと180度しっかり見える虹の橋だ。こんなにしっかりした虹を見たのは何十年ぶりだろう。今はスマホの写真がある。場所を変えて何枚もの写真をとった。虹とは「雨上がりなどに、太陽と反対側の空中に見える7色の円弧状のおび。大気中に浮遊している水滴に日光が当たり光の分散を生じたもの」と広辞苑にはある。外側に赤、内側に紫色の光の帯が大阪の生駒山にかけられた壮大な風景であった。虹はなぜ人を興奮させるのだろうか。一方、虹を   騒ぎ立てる我々に何故か冷や水を浴びせるような名言もある。人生そんなにいいことばかりではないと戒める意味を持っているのか、あまり良しとしない諺も存在するのだ。
 人生の旅が虹のように彩られたものになりますようにとチャールズ・チャプリンが残した名言がある。「空を見上げてごらん。虹は下を向いていたら決して見ることはないだろう (Look up to the sky. You will never find rainbows if you are looking down.)」と日本の歌『上を向いて歩こう』のように落ち込んだ時は上を向いて歩こうと教えてくれる。
一方、何となくそんなにはしゃぐなとばかりにブレーキをかけるものもある。あの有名なフランスの画家セザンヌは「私達は混沌という虹の中に住んでいる(We live in a rainbow of chaos.)と言い、イギリスの作家スティーブ・レッドヘッドは「虹を追いかけて人生を無駄にしないことが重要である」などという。ま、人生をいろいろ、迷いながら苦しみながら、気楽にいきましょう。「雨があるから虹が出る」

烏合(うごう)の衆

2021-05-21 16:51:10 | 日記
 ごみ収集日が来ると近所がちょっと騒がしくなる。電柱にカラスの小集団が集結して外に出された家庭ゴミの袋を襲撃、餌を漁るのである。防御ネットをかぶせたり、住人達はそれ相応の対策を講じているのだが、カラスもそれに負けじと袋を破るのだ。知恵は人間の2、3才というものの彼らは翼を持っているので自由自在、多分匂いなどを嗅ぎつけながら餌のありかを感知するのだと思う。住人にとってはななり厄介な鳥である。
 数年前にアメリカのオハイオ州にあるスプリングフィールド(人口6.5万)という街が数万のカラスに襲われた事件があった。僕の友人が50マイルほど東のダブリンという街に住んでいるので二度ほど行ったことがあるこじんまりとした落ち着いた町だ。僕の年齢の人ならこの事件で即思い出すのがヒッチコック監督の『鳥』という映画だ。カモメやカラスが人を襲うという設定の映画で気候変動や動物の生態系を人間が乱していると言ったことを暗示する映画であった。今、我々の街に集結するカラス達、やっぱり山に食べ物がなくなってきたのだろうか。それとも人間を敵視しているから…などと考えたりする。
 世界で厄介者扱いされるカラス達、中に一羽リーダーがいて一番高い電柱に止まって辺りを見回して群(むれ)を見守っているような威厳さえ感じさせる。“群の年長のカラスは自分が一番黒いと考えている(Every old crow thinks his is the blackest.)”などとプライドが高いということを表現する英語すらあるのだ。もう一つ、カラスに関わることわざを忘れてはいけない。「カラスに反哺の孝あり(カラスにはんぽのこうあり)」カラスは親の恩を忘れずに成長後に老いた親鳥に餌を運ぶという意味だ。人に嫌われるカラスといえど我々人間が学ぶことがあるということを忘れてはいけない。カラスと人間、なんとか折り合える方法はないものだろうか。

雨が止んだら傘を忘れる

2021-05-18 15:42:07 | 日記
 16日(日曜日)に近畿地方梅雨入り宣言。うそー、まだ5月半ばを過ぎたところなのに?明くる17日、昨日の月曜日は朝から断続的に強い雨が降っていた。土砂降りの中をゴミ収集のトラックがずぶ濡れになりながら走りさるのを見届けた。各家の前に出されたゴミ袋をトラックに積み込む二人の若者、雨ガッパも身に付けず背中から湯気を出しながら走っていた。仕事には楽なものはないのだなーとつくづく思う。本当にご苦労さまです。
 雨を眺めていると思い出すのがかつてのアメリカ留学時代の大学の「アメリカ文学」の授業だ。そこで学んだ『雨の日 (The Rainy Day)』という詩はヘンリー・W・ロングフェロー  (Henry W. Longfellow)という 19世紀半ばに活躍したアメリカの詩人が書いたものだ。ロングフェローは彼の人生で苦しみや悲しみを幾度となく繰り返して経験した悲劇の味を言葉にして表した人である。“それぞれの人生にはいくらか雨が降るはずだ(Into each life some rain must fall.)” 。つまり雨はひとりだけに降るわけではない。彼のいう「雨」とは人それぞれの苦しみや悲しみでずぶ濡れになる人生の出来事のことだ。苦労を味わうのは自分だけかも、と思っている人への激励だ。
 さて、日本の雨に話を戻してみると「雨晴れて傘を忘れる」という格言がある。雨から自分を守ってくれた傘を晴れた途端に忘れてしまう。助けてもらったことや人から受けた恩を忘れてはいけないという戒めのことわざだ。たかが雨、それでも降る雨から学ぶことは多いのだ。梅雨が明け雨が止んだら、次は暑い夏が来る。エアコンに頼る夏日には「暑さ忘れれば陰忘れる」の意味を時々は考えてみょう。

舌がもつれる

2021-05-14 17:03:15 | 日記
 大相撲夏場所が始まった。緊急事態宣言の影響で最初の3日間は無観客ということで行司さんの声や力士のぶつかる音が火曜日までは館内によく響いていた。大相撲といえば大勢の観客と声援に最後の仕切りとなると興奮が伝わってくるはずがなんとも静かな取り組みの進行である。ふと気がついたことがあった。呼び出しの声が「若隆景(わかたかかげ)〜〜」と響いて、僕も「あーこの人のことか」と顔と名前が一致した瞬間に自分も口に出してみたけれどなんと言いにくい四股名(しこな)なのかと気づいたのだ。何度も言ってみるとタカタカカタと舌を噛みそうな発音になる。僕が歳をとって滑舌が悪くなったせいだろうか。
 ま、それはさておいて、顔と名前が一致した若隆景は僕の好きな力士だ。先場所技能賞を獲得した彼は筋肉質の体とおっつけと下からせめる相撲で元気が良い。彼のことを調べてみたらなんと男三兄弟で相撲界に入り、お互いに競い合いながら頑張っているという。彼は負けず嫌いの三男坊だ。毎日、「若隆景」と名前が呼ばれる度に三度口に出してみてもやはり言いにくい。そこで思い出したのがあの有名な早口言葉。「隣の客はよく柿食う客だ」それからもうひとつ「隣の竹垣に竹立てかけたのは竹立てたかったから竹立てかけたのだった」タケカケカケタテ…
 話は飛ぶが僕が英語の勉強をしていた若い頃、英語の早口言葉(Tongue Twister トングツイスター=舌をもつれさせるもの)を練習すれば発音が良くなりアメリカ人の英語が聞き取りやすくなると言われて、盛んに練習したものだ。アメリカで大学に通っていたころ覚えた早口言葉、A big black bug bit a big black bear. (大きい黒い虫が大きい黒い熊を噛んだ)などを教えてもらいよく笑い友達を沢山作ることができた時期があったことを思い出す。
 「頑張れ〜ワカタカカゲ〜」言いにくっ!