学びのプラスあるふぁ:日常の気付き

人の人生、それぞれが皆オリジナル。街を歩き人に話しかけることから「なるほど」と納得できる発見がある。

巨樹は見ている

2021-07-30 16:16:21 | 日記
 先日、人が少ないことを見越して奈良の春日大社にお参りした。春日大社の本殿左横の老大杉の大木の写真を撮りたいという目的があってのことである。大阪では住吉大社、沢山の楠の巨木、巨樹が沢山あって神聖化されている。「すみよっさん」と大阪の人に愛される住吉神社は神話レベルの古い神社だ。僕はお祓の場として捉えていて時々出向いてそのスピリチュアルさを楽しんでいる。両神社の威風堂々とした巨樹の前ではその姿に畏敬の念が自然と湧いてくる。
 さて、話を春日大社に戻して、大杉の前の木の立て看板に説明がある。「このスギは樹齢千年ともいわれ鎌倉時代後期(1309年)に描かれた絵巻物『春日権現験記』にその姿が描かれている」とある。少なくとも鎌倉時代からこのスギはここに存在していて現代に至るまでどのような人々の生活の変化を目にしてきたのだろうか。この大樹はずっとここに居座って動かないけれどいろんな人々が様々なことを祈願して通り過ぎて行ったのを見てきたのだ。口があればどんな興味のあることを話してくれるだろうか。僕はスマホでその姿を別の三方向から写してみた。これをプリントにして少し手を加え色合いを変え、僕の目を通したこの老スギの大木を表現してみたい。水彩画、パステル、墨絵、と絵にもしてみて僕の心情を表現してみようとも思っている。
 アメリカにロバート・フロストという詩人がいて、セコイア国立公園の巨樹(樹齢二千年超)や森をテーマに詩を書いている。彼が残した言葉は「人生で学んだ全てを私は3語にまとめられる。(It goes on. )生命、そして人生は続く」である。この英語の it は漠然とした it と言われて日本語には特に訳さないのだが、僕は前述のようにライフとして訳を入れた。日本はもちろん世界中にある巨木、何を目撃しながらあと何百年生き続けるのだろうか。

人生に失敗が時々顔を出す

2021-07-27 19:01:48 | 日記
 オリンピック開幕!直前まで人選問題、コロナ対策、などなど課題山積の状態でなんとか喘ぎながら開幕に漕ぎ着けたという表現がぴったりだ。五輪そのものを揶揄する川柳さえも目にとまった。“オリンピック 裏はあっても オモテナシ” … 何やかやとややこしい平和の祭典だが本当は世界の人々が五輪の輪のようにつながって社会をより良い方向に変えていく場にしなければならない。たくさんの美辞麗句の背後でオリンピックは商業化されすぎて考え直す時期が来ているのかもしれない。なんとか事故もなく平和理に閉幕を迎えられたらと願わざるを得ない。
 今日はそんな心配をよそに選手の皆さんが日頃の鍛錬、練習、努力を通して本番で弾ける姿を見ながら考えた。スポーツは人生の縮図、コロナという試練のもとで栄光と敗北や挫折が余計に際立って、見る人に感動を与えてくれる。
 柔道の阿部一二三、詩の兄妹の金メダルは世界初の快挙だ。お互いの背中を見ながら金メダルを手にした二人に最高の賛辞を送りたい。一方であの内村航平が鉄棒で落下した。「ここまでやってきても失敗することがある。僕が見せられる夢はここまで」と口にした。本番に至るまで何回も成功しながらまた今回は何度かうまくいかなかったという彼の鉄棒の技。スポーツの世界では特に「まだやれる!」が悲劇を生むことを何度も見てきたように思う。引退の文字がちらつくようになって内村航平は何を考えるのだろうか。オリンピックの地ギリシャの哲学者プラトンは言った。”最初にして最高の勝利とは自分に打ち勝つことだ The first and best victory is to conquer self”と。時々失敗することがあるのが人生だ。歳と共に昔の僕を振り返ってみると、なぜかこの“時々”が突然顔を出すことを知っている。

夏のある日の風景

2021-07-23 20:01:39 | 日記
 何を急いでいるのだろうか子供が真っ赤な顔をして自転車で我が家の前を通り過ぎた。近所の家では飼い犬が水をかけられて嬉しそうにはしゃいでいるのを目にした。宅配の人が真っ赤な顔に汗をして小包を届けてくれた。いかにも頑張っている姿に「ありがとう、熱中症に気をつけてくださいね」と僕。オリンピックがいよいよ始まってソフトボールでは39歳のピッチャー上野さんが頑張っている。夏の気温と汗の赤い顔などはなぜか”頑張る”という言葉と結びつく。
 梅雨が明けるとともに起こった急激な気温の上昇で身体がついていかない。僕が毎日記録して日記では大阪の気温の状態は17日の土曜日の33.4℃以降連日の35℃以上が続いている。水曜日に出かけた大阪歴史博物館の「あやしい絵画展」、日本の近代化と共に女性を主とした絵画界が通らなければならなかった道を紹介するものだった。当時の画家などの頑張りが感じ取れるものだった。博物館の外の公園では木々の下にたくさんのセミの抜け殻とセミが抜け出した穴だらけの地表が印象的だった。これらもまたセミが頑張って地表に出てからのほんの数日の短い彼らの人生を思わせるものだった。皆が頑張っているように見える夏の一日に「頑張る」という意味を考えてみた。仕事や勉強に頑張る(work harder), という場合もあるだろうが、何でも自分ができる限りのことをする (do my best I can) という頑張りが一番好きだ。人は皆、その時々で精一杯の努力をして生きているのだ。ただ頑張りすぎて病気になれば元も子もない。
 夏に注意しなければならないのは熱中症だ。体温が上がり体内の水分や塩分のバランスが崩れ体温の調節機能が働かなくなる状態をいう。目眩、痙攣、頭痛などの症状があるという熱中症対策は水分や塩分を摂ることが進められている。頑張るためにはちょっとした休憩を忘れてはいけない。夏休みやお盆休みはそのためにある一休みかもしれない。


地震雷火事、親父?

2021-07-20 16:05:03 | 日記
 やっと梅雨明け宣言で大阪の気温は急上昇だ。でも今年もまた梅雨の真最中には熱海の土砂崩れの惨事が報道された。天災というより人災の色が濃くなってきたこの惨事に人々は「怖い」という言葉を繰り返す。昔から「地震、雷、火事、親父」という言葉があって突然襲ってくる怖(恐)い物を列挙したものだがそれに土石流や川の氾濫、台風、などを加えなければならないのが最近の兆候だ。地震や雷は天災として、火事と親父は人災(?)というかとにかく人が絡んでいる。今日は「怖い」ものの中に入っている親父について思いを巡らせてみた。はじめの地震や雷、また火事とは同じ範疇の怖さではないことは明らかである。現代の我々オヤジたちはできる限り優しく、怖さや威厳を否定しながら生きてきた。突然カミナリを落とすようなことはしない。
 「怖い」を広辞苑で調べてみると、定義①は恐ろしい、悪い結果が予想され近寄りたくない。②人知でははかりがたい、優れた力がある。驚くべきである…などとある。親父を怖いもののひとつに加えた昔の人達にはいろいろ思惑があって定義②を強調して家庭内でのオヤジの存在感を言い表したのであろうと思う。(オヤジ=怖い)という考え方のどこかに親近感が漂うオヤジという言い回しが僕は好きである。同列で考えるには憚る(はばかる)が女性は特に夏の定番、ゴキブリを“怖い”と表現する機会がかなり頻繁にある。オヤジは女性が怖がるゴキブリ退治でやっと自分の存在感を出す機会を持つというなんとも情けないご時世である。科学の進歩、家庭内の便利な暮らしに“頼れるオヤジを示す機会”が無くなってしまったのだ。昔はなんだかんだと言いながらオヤジが家庭というチームを束ね(たばね)ていたのである。「出てこいゴキブリ、虫たちよ」と腕の力こぶを誇示しているオヤジたちの“カラ元気”…さぁ、いよいよ暑い夏がやてくる。

諺を超越した男

2021-07-16 16:45:02 | 日記
 野球好きの人には楽しい祭典、オールスター・ゲームの季節がやってきた。海の向こう、アメリカでは日本人、大谷翔平が大活躍して「彼はいったい何者だ」とか野球というスポーツの「時代の寵児(ちょうじ)」と時流に乗ってもてはやされるいわゆる時の人である。「夢の祭典」と言われるアメリカ・オールスターゲームに両刀使い(two-way player)で出場、投手としては大活躍だ。投手では160キロ連発の投球で観衆を唸らせた。打者としては安打は出なかったらしいがア・リーグのキャッシュ監督に「大谷が野球とファンのためにしてくれていることに感謝したい」とまで言わしめた。祭典が終わって「 ちょっと疲れた、また出たい、みんなに感謝、楽しかった」と大谷は爽やかにインタビューを締めくくった。
「二兎を追う者一兎も得ず」という諺がある。ウサギを二兎を追っては結局一兎も捕まえることなく失敗する、成功しないという格言だ。大谷翔平は二兎を手にして「天は二物を与えず」という格言すら超越してしまった。人が見ていないところで並々ならぬ工夫と努力が積み重ねられたに違いないと僕は思っている。僕が子供の頃“世界のホームラン王”となった元巨人軍の王貞治氏(現ソフトバンクホークス取締役会長)が残している名言が「敵と闘う時間は短い。自分との闘いこそが明暗を分ける」である。成功した人はどこか他人には見えない所で集中して工夫して努力しているのだと思う。それでも自分が好きで努力を楽しめることでなければ長続きもしない。大谷翔平のショウタイムは我々に何かを示唆してくれているように思えて仕方がない。先ずは自分が本当にしたいこと、好きなことが何なのかを自問してみることから始めよう。