冷たい空。ダウンのポケットに手をつっこんで空を見上げる。皆既月食( a total lunar eclipse )が静かに進行している。
20:00 東の空に満月が薄いもやの中に輝いている
21:20 月は少し上空に移動して半分以上欠けていた
21:40 あの満月の7割が隠れて頼りない姿になっている
10:00 薄いカーキー色の月の影
宇宙のドラマだ。天空のドラマが取りざたされる度になぜか解放された気分になる。地球が生まれてから46億年などと、とほうもない時間の経過を考えてしまうからか。人の一生、100年の時代に入ったと言われても、宇宙の時間と比べれば本当に、本当に、瞬き(まばたき)のような一瞬だ。そんな一瞬の人生の中で、僕たちは悩んだり、落ち込んだり、いやはや人間のちっぽけな存在を考えてしまう。
When it gets dark enough, you can see the stars.(本当に暗くなると、人は星を見ることができる)
本当に真っ暗になると星が見える。上の英文は各自、自分なりに訳せばいいと思う。真っ暗の中からは確かに見える一条の光というものがある。光を見ようと努力しないと、見えるはずのものも見えないのかもしれない。暗くなるというイメージや状況は、必ずしも否定的に落ち込むということと同じ意味ではないのかも。皆既月食とは何の関係もないこんなことを考えてしまった。今夜も寒いいいいー。