大阪では久しぶりに15度を超えるような温かい一日。寒い日が続いたこの冬の終わりを告げるような太陽を起床と同時に味わった。朝刊を取りに庭に出ることで、その日の温度がなんとなく予測できる。真冬の厳しい寒さの中でも、太陽が出ていると確かに柔らかい温かみを感じることができる。太陽の力は本当にすごいとつくづく思うことがある。
思い切って外出、大阪城を歩いてみようと思い立った。家からたかだか20分強かかる距離である。理由はお城のすぐ横にある洋風の建築として知られていた旧陸軍の司令部の建物の新装の様子を見てみようと思ったからだ。この建物、大阪城の東側に位置していてなぜか魅力がある。観光客を惹きつけるレストランや土産物屋さんが入っていて活況を呈していた。たくさんの観光客のほとんどが話している言葉から中国からの人達のような印象を受けた。自撮り棒でお城を背景に写真を撮って楽しんでいた。
さんざん人々のいろんな動きを写真に収めてから、桜門からお城に隣接する豊国神社へ。鳥居の下でひとり、三味線を弾いている男性がいた。僕はすぐ横のお店で買ったビールと鶏の空揚げで休憩。鳩や雀がよってくる。男性の弾く三味線が近くの人々を楽しませているように思う反面、誰も本当に注意を払っていないようにも見える。何を思って彼は三味線をつま弾くのだろうか。
この日、三味線の音を耳にしているのは9割以上が外国からの人々だ。この光景を見ていると、自然と「がんばってね」と声をかけたくなる。その場の人々も、何かを感じながら、きっと聞いていない振りをしながら聞いているのかもしれない。「朝の来ない夜はない」という言葉は、頑張ればいつかは陽が当たる時が来るという意味だ。
どの国から来た人であっても、きっと感じることは同じで、どこかで応援している気持ちがあるのではないだろうか。
In every country, the sun rises in the morning.(どこの国でも、太陽は朝に昇る)