学びのプラスあるふぁ:日常の気付き

人の人生、それぞれが皆オリジナル。街を歩き人に話しかけることから「なるほど」と納得できる発見がある。

街歩き

2020-01-31 21:20:18 | 日記
昨日は久しぶりに僕のイメージ通りの街歩きを楽しんだ。大阪の富田林市(とんだばやし)に寺内町(じないまち)というところがある。市の名前も町の名前も読みがややこしい所でひよっとすると他府県の人には読みが難しいかも知れない。それはさておき、大阪ではなかなかの歴史のある街で、17世紀から明治にかけての町屋など文化財の古い建物が散在している所である。
そんな板塀や土塀が蔵などが並ぶ町並みを自転車で走る外人さんがいる。ドイツからきたクリスタ・マリアさん(53)歳、独特のアングルで撮ったスマホ写真の展示会を町の交流館で催した。連日、いろんな人(と言っても退職した年配の人)が訪れて一緒に写真を撮っている。恥ずかしながら僕もその一人。ドイツの人だから少しは写真やカメラの心得はあるらしいが、スマホ写真家で絵葉書も作成して販売している。30年も富田林市に住をかまえて、今ではポケットに飴ちゃんを入れて人にあげる大阪のおばちゃんだ。話す言葉も大阪の河内弁だ。人懐こい人柄と熱い話し方が人気の秘密である。
同じ寺内町で古民家を借りて”街カフェ”を営むマリアさんの友達のおばちゃんとも話した。彼女もまたよくしゃべる元気の良いおばちゃんだ。よく炊き込んだおでんを食べさせてもらった。ビールとおでん、楽しいひと時をおばちゃんのおしゃべりに耳を傾けながら味わった。なんとも言えない田舎の雰囲気が体を温ためてくれた。
お二人の独特の大阪弁の熱い喋り方に聞き惚れた、そんなひと時が街歩きの醍醐味だ。彼らの個人的な人生の歩みから、考え方、などに共感しながらのひと時は笑いの中での最高の楽しさを与えてくれた。聞き惚れるという英語があって、I was charmed by her way of talking.(話し方に魅了された)ということになる。僕が強調したいのは charm という単語で「魅力、人を惹きつける」などの意味だ。決して難しい話術の問題ではなく、一生懸命の熱っぽさが人を魅了することを再認識することとなった。

学びの+α

2020-01-28 19:55:39 | 日記
テレビのマクドナルドのコマーシャルを見ていてなぜか急に思い出した事がある。20年近く前になるだろうか、大学のゼミでマクドナルドを世界のファストフード店に育て上げたレイ・A・ロックを調べて卒業論文にした学生がいた。論文を書くためのいろんな規則や約束事を教える過程で、僕自身も彼の調査からいろんなことを知ることとなった。ロックを通して仕事で成功するためのABCを学んだ気がしたのだ。つまり、“学びのプラスあるふぁ”という表現。学位で与えられるもの以外の多くの学びの+αが学校の外にあるということを考え出すきっかけとなった。
レイ・ロックはセールスマンとして全国を歩き回って得た経験と観察を基に店の在り方を学んだという。また仕事を好きでやっている従業員の魅力は活力や熱意にあふれたものだということを知った。彼、本人と言えば「これに失敗すれば自分には行き先がないという」追い込み意識があって、その意識が仕事をやり遂げるための自分だけの創意工夫を生み出していく。そして現在、世界中で知らない人はいない大マクドナルドを作り上げた。成功する人にはそれ相応の背景が存在するのである。いろんな人の成功談の背景や道程を調べるのは楽しい。アメリカにいる時も最近ではあまり耳にしなくなったアメリカン・ドリームを実現した人の話しにはいつも興味を持って調べたりしていたのを思い出す。“マクドナルドとジョン・ロック”を卒論に選んだ学生もきっと挑戦や工夫や執念といったプラス思考の意味を学んだに違いない。
僕はと言えば小学生の頃から偉人の自叙伝を読むのが好きだった。現在でも同じようなことをやっていて、本屋に足を踏み入れてはその種の本を手にして立ち読みしている自分に気がつく時がある。興味のあることを調べるという作業は楽しい。必ずどこかに学びがあるからだ。
アメリカの古い格言の中に、“成功者とは”という次のようなものがある。「1回目で失敗しても、しつこく挑戦を繰り返せ(If at first you don’t succeed, try, try, and try again. )”

熱い人

2020-01-24 16:25:31 | 日記
僕の年齢の人達にとっては野球の大ヒーローの一人、プロ野球の歴史に名を残す大投手、金田正一さんが亡くなった。ぼくが彼に憧れたのはかつてのプロ野球では最弱チームとも言えた国鉄スワローズ(限ヤクルトスワローズの前身)で強い巨人相手に立ち向かった姿だった。また金田といえばいつも引き合いにだされるのがルーキーで最も人気の長嶋茂雄を4連続三振に斬ってとったエピソードで、僕は今でもはっきりと思い出す事ができる。その後は移籍して野球人生を巨人の一員として終えることになる。もし初めから巨人に入団して投げていたら、彼の功績は変わっていただろう、などと話題になることがよくあったものだ。(実に興味深い彼の野球人生を知る手立てはいくらでもあるので一度調べて見て欲しい)
今日の話は熱意ということに決めた。プロ野球界の“熱い男”、金田の話し方は少しオーバー過ぎる程で僕は正直ちょっと後退りをすることも多々あった。1日1日、一歩一歩を熱っぽく進むことを僕は金田から学んだような気がする。大学で教えていた時も、あの先生は“熱い”と言われるのが一番好きだった。“熱い先生”と呼ばれたいために話し方を工夫した。大学時代には沢山の講演に呼ばれたのが自分の中では一番の自慢だった。
僕のいちばん好きな英語の単語は enthusiasm(インスーズィアズム)という単語。「熱中、熱意」、などと人を虜にできる力を持つ熱情などの意味を持つ。自分の“熱さ”を人に伝えるには話す言葉に熱い力がなければならない。たとえば“今日”という日のことを話す時には“今日ほど大切な日はないと思うこと”などと今日を強調してから話すことで何か熱いものが伝わって来る。言葉とは本当に不思議な力を持っていて、話す人の熱意が加わると強烈な影響力を持っている。話すことばを工夫すること、話し方を工夫すること、知恵を絞ればどんなことでも人に伝える事ができると信じている。ひょっとすると、これは人生すら変える力を持っているのかも知れない。

心の食べ物

2020-01-21 16:23:20 | 日記
車を運転していたり、町に出かけるとファミレスを中心にいろんなところに「食べ放題」というバナー(旗)が目につくように思う。若い人を中心に皆さんそれほどたくさん食べるのだろうか。知り合いの友人の若者に聞くと、それほど沢山食べる積もりがなくても食べ放題にした方が最終的にお得感があるという。そうか、食べるか食べないかの問題ではなく損得の問題なのだ。いずれにしろ僕のように歳をとってくると、食べ放題、などという食べ方が全く理解できない。なにをどの程度食べるかという習慣は健康を含めてその人の性格や行動すらも決めるとすら言える、という類のことを教えられて生きてきたような気がする。僕はいわゆる“もったいない”を教えられた世代なのだ。食べ放題を提供する人には宣伝や儲けばかりを考えるのではなく、もう一歩先を考えて欲しいなと考えたりした。
さて、人を造る食べ物があるとすると、思考を育てる食べ物もあるような気がする。否定的な後ろ向きの教育をされると後ろ向きのイメージが植え付けられて、そのような思考形態を繰り返し教えられた子供などは同じような姿勢が身についてしまう。「〜してはいけない」と繰り返し教えられた子供は、自分の才能への制限ばかりが強調されて体に染みついて自分の才能に蓋(ふた)をしてしまうという。失敗を恐れることを学んだ子供は大人になっても挑戦する心を失っているというようなものだ。
成功の反対語は失敗ではない。「成功の反対は挑戦しないこと」、と自分にいい聞かせて人生を歩いてきた人がいる。みずほ銀行の頭取、藤原浩治さんの考え方が先日の読売新聞の夕刊に載っていた。人は自分の脳にどのような言葉を食べさせるのか、なにを心に吸収させるのか、などと自分の使う言葉も含めて特に注意深くなる必要があるのかな。

自転車に乗りたい

2020-01-17 15:23:30 | 日記
近所の知り合いの老人と立話しをした。僕の「どうですか?お元気にされていますか?」の質問に「元気ですけど、だらだらしてますわ」という答えが返ってきた。86歳だという彼、ダラダラ過ごされて元気、なにもいうことはない。それでいいのだ。
若い現役の働き盛りの人にはそれは当てはまらない。ダラダラの意味を学生に教えた事がある。ダラダラは「怠惰」という言葉に置き換えられる。“怠惰は疲れる前に休憩する習慣である”という格言のようなものがある。行動を起こさない人、出遅れる人の習慣はまさにこれである。何らかの疲れを理由に先延ばしする習慣が身につくとろくな事がない。なにを目指す場合にも“出遅れ”というのは致命傷になる事が多い。
アメリカに住んでいた時、自転車乗りを息子に教えていた男性の言葉が大好きで何度も授業や講演で利用したことを思い出す。行動力の重要性を教えるにはこの“自転車乗りの挑戦”を引き合いに出すのが一番手っ取り早くて訴える力がある。
   “自転車に乗りたければとにかく自転車にまたがる事。気がつけば10マイル先にいる”
   (Just get on your bike, and before you know it, you’ll have ridden 10miles.)
子供が自転車乗りに挑戦する姿をみる事が僕は大好きである。父親の手助けを得ながら、倒れても倒れても繰り返す平衡感覚と体重移動の練習。気がつけば遠くまで相当の距離を進んでいるのだ。人生そのものではないだろうか。人生は「自転車に乗りたい」、まずは」「〜たい」という強い願望を持つことだ。強ければ強いほど実現の可能性は高い。英語の習得にくる日もくる日も頑張っていた僕の若い頃は、アメリカに憧れて、アメリカ英語をマスターするにはまずアメリカへ。憧れが「〜したい」に変身して、僕の人生を変えたのだ。