地質環境ホール、鉱物資源ホール、竜行川渝ホール、恐竜ホール、生命の起源ホール、多種多様な生命ホールなど、6つの常設展示ホールを設置。その展示物の数は約1万点となっている。

2022-11-27 09:56:21 | 中国を知らなければ世界はわからない
 

成都自然博物館がプレオープン 

アジア最大の全身骨格の恐竜がお披露目

人民網日本語版 2022年11月24日16:24
 

館蔵品約7万点の成都自然博物館が22日、プレオープンした。博物館の敷地面積は約6万1000平方メートルで、うち展示ホールの面積は約1万7000平方メートルとなっている。新華社が報じた。

博物館の館蔵品はバラエティに富んでおり、地質環境ホール、鉱物資源ホール、竜行川渝ホール、恐竜ホール、生命の起源ホール、多種多様な生命ホールなど、6つの常設展示ホールを設置。その展示物の数は約1万点となっている。

完成した成都自然博物館(成都理工大学博物館/写真提供・取材対応者)。

2階の「竜行川渝ホール」には、スゼチュアノサウルスやマメンチサウルスなど、様々な大きさの恐竜の骨格が展示されており、数億年前の「ジュラシックワールド」にタイムスリップしたような気分に浸ることができる。

同ホールの真ん中で存在感を示しているのは、骨格の長さが24メートルもあるマメンチサウルスの化石で、「博物館の宝」と見なされている、アジアの全身骨格の恐竜化石の中で最大の化石だ。

マメンチサウルス(写真提供・取材対応者)。

この恐竜の化石は、1957年に石油地質調査隊員が、現在の重慶市合川区太和鎮付近で発見した。化石は出土して以降、何度か場所を移し、1961年からは成都地質学院(現在の成都理工大学)が保管するようになった。

成都理工大学の欧陽輝教授は、「このマメンチサウルスの化石は全身の骨格の完全度は80%以上だ。中国ではマメンチサウルスより大きい竜脚類の恐竜も発見されてきたが、マメンチサウルスほど完全ではない。そのため、マメンチサウルスの標本は貴重で、非常に価値がある」と説明している。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年11月24日

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「戦いの日、矢と石が飛び交う中で乗り出し陣頭指揮するのを武将らが引き止めながら『大将が自ら軽々しく乗り出してはなりません』と言った。戦闘を直接督励し、ついて銃弾を受けて死んだ。ああ!」

2022-11-26 20:55:42 | 韓国文化

李舜臣将軍の最期の場面が書かれた

「柳成龍備忘録暦」日本で発見、韓国に戻る

登録:2022-11-25 10:46 修正:2022-11-25 12:13
 
 
柳成龍の備忘録暦の臨時の表紙の部分。李舜臣将軍が鷺梁海戦で戦死した状況についての内容が直筆で書きこまれている=国外所在文化財財団提供//ハンギョレ新聞社

 「戦いの日、矢と石が飛び交う中で乗り出し陣頭指揮するのを武将らが引き止めながら『大将が自ら軽々しく乗り出してはなりません』と言った。(それに耳を貸さず)戦闘を直接督励し、ついて銃弾を受けて死んだ。ああ!」

 朝鮮時代の壬辰倭乱(文禄・慶長の役、1592~1598)当時、李舜臣(イ・スンシン、1545~1598)将軍が鷺梁海戦で最期を迎える状況を描写するように書いた当時の知人の直筆の記録が初めて世に出た。記録者と推定されるのは、李舜臣の親友であり名宰相だった柳成龍(リュ・ソンリョン、1542~1607)。開戦後、右議政と領議政を務め、戦時の政府を率いて抗戦を主導し、17世紀の朝鮮、中国、日本でベストセラーになった壬辰倭乱回顧録『懲毖録』を書いた人物でもある。文化財庁と国外所在文化財財団は24日、柳成龍が直筆で書いたと推定される16世紀の備忘録の暦が日本で発見され、韓国に持ち込まれたと発表した。

 
 
柳成龍の備忘録暦の本文の第1章。本の題が書かれており「巻数題面」と呼ばれる=国外所在文化財財団提供//ハンギョレ新聞社

 国外所在文化財財団が公開した資料によれば、返還された暦の正式な名前は「柳成龍備忘記入大統暦『庚子』」。冊子は縦(38センチ)が横(20センチ)より長い長方形の形をしている。大統暦とは、天体を測定して太陽と月の運行と節気を計る冊暦の一種だ。もとは明で作られたもので、朝鮮時代の農作業と日常生活の指針として広く使われ、余白に日程や感想を書く備忘録の役割も兼ねていた。返還された遺物は庚子年(1600年)の大統暦を含む版本。1599年に刊行され、金属活字本として作られている。1600年庚子年の大統暦の暦法を用いた暦は、これまで韓国国内で他の版本は見つかっておらず、文化財的価値はさらに高まりうるという。

 
 
暦で庚子年の二十四節気の日時を記した部分(右)と各方位の吉凶を占う参考図である「年神方位之図」の部分(左)=国外所在文化財財団提供//ハンギョレ新聞社

 国外所在文化財財団側は「京都大学のキム・ムンギョン名誉教授の情報提供で現地に所蔵された暦の存在を知り、文化財庁と国外所在文化財財団が数回調査を行って基本内訳を把握し、還収戦略を立てて交渉した末、9月に国内に持ち込むことに成功した」と伝えた。

 朝鮮時代の冊暦を見ると、持ち主が余白に日程や感想を書きとめておくことが多かった。返還された柳成龍の所蔵品と推定される暦も、余白に墨と赤い顔料を使った筆文字でその日の天気、日程、約束、病状や処方などを記録してあるのが特徴だ。国外所在文化財財団は「記載された筆跡と主に言及される人物、事件などの情報をもとに、柳成龍の文集『西厓集』の中で年代記が記録された『西厓先生年譜』と照合してみると、身近に置き頻繁に使って手垢がついた柳成龍の唯一の手澤本と推定される」と明らかにした。

 
 
柳成龍の備忘録暦の6月の頁の一部(左)。日本に連れて行かれた姜沆の帰国に関する内容が書かれている=国外所在文化財財団提供//ハンギョレ新聞社

 余白に記された備忘録の内容は、壬辰倭乱の最高政府官僚であり軍事戦略家として活躍した柳成龍の具体的な日常を示している。『西厓先生年譜』では扱われていない内容が書かれており、友人である李舜臣との交遊状況、当時捕虜となって日本に連れて行かれた学者の姜沆(カン・ハン、1567~1618)の帰国など、庚子年の歴史的事実も広く把握できる。原表紙が消失し臨時でつけた仮綴りの表紙には、李舜臣が部下らの引き止めにもかかわらず鷺梁海戦の現場で督励していた中、銃弾を受けて戦死した状況を描写した直筆記録が残っていた。戦死の情況の他に、柳成龍が弾劾を受けて辞職したという知らせを聞いた李舜臣が、船に乗っているときには真水を汲み置き自らを戒めたというエピソードも書かれている。

 
 
柳成龍の備忘録暦の7月の頁の一部。懿仁王后の死去の知らせを聞き玉淵精舎で悲しみに沈んだことが記されている=国外所在文化財財団提供//ハンギョレ新聞社

 文化財庁は「直筆で描写された当時の李舜臣の行跡記録として希少であり、史料的価値が高い。宗孫家所蔵の宝物『柳成龍宗家の門跡』から抜け落ちていた新しい資料を発掘し取り戻したという点も意味深い」と評価した。今後は傘下の国立故宮博物館で管理し、柳成龍関連史料として展示などに幅広く活用する計画だという。文化財庁と国外所在文化財財団は24日午前10時30分、ソウル景福宮の国立故宮博物館でこの暦をマスコミに公開する。

ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」の矢野秀喜事務局長も本紙との通話で「日本の産業革命遺産が真のユネスコ世界遺産として認められるためには、国際社会とした約束を守らなければならない。

2022-11-25 18:52:25 | これが岸田・元安倍内閣の本質
 

軍艦島強制動員の歴史を隠す…7年たっても約束を守らない日本

登録:2022-11-23 20:21 修正:2022-11-24 06:52
 
東京の「産業遺産情報センター」に行ってみると、歴史歪曲は依然 
ユネスコの警告状、日本は来月1日までに履行報告書提出
 
 
東京都新宿区の「産業遺産情報センター」内に、朝鮮人強制労働で知られる端島(軍艦島)がパノラマ映像で展示されている=産業遺産情報センター提供//ハンギョレ新聞社

「端島の写真以外は何も変わっていません」

 18日午前、東京都新宿区の総務省第2庁舎別館1階にある産業遺産情報センター。センターの関係者は「昨年と変わった展示内容はあるか」という本紙取材陣の質問にこう答えた。「軍艦島」と呼ばれる長崎沖にある端島の全景写真がよりよく撮れたものに変わっただけで、他はそのままだという。展示内容の変更計画については、「(日本)政府が決めることなので、よく分からない」と答えた。

 同日午前10時30分から約2時間、展示を見に来た人は1人だけだった。センターは事前予約制で運営されている。内部の写真は撮れず、訪問時に名前、電話番号、住所などの個人情報を書く。他の展示館とは異なり非常に厳格に運営されている。

 2020年3月にオープンしたこのセンターは広さが1078平方メートルで、3つの展示区域に分かれている。日本の産業遺産の概要(1区域)と産業化の様子(2区域)の展示を過ぎると、韓日間で激しい対立になっている軍艦島に関するコーナーになる。展示を隅々まで見て回ったが、朝鮮人強制動員、過酷な労働環境、差別など強制動員被害者が軍艦島で体験した残酷な歴史的事実は片鱗さえ見つけることができなかった。むしろそれを否定する内容ばかりが多かった。

 「真実の歴史を追求する端島島民の会」の松本栄名誉会長の証言が代表的だ。太平洋戦争期、軍艦島の炭鉱で働いた彼は「少なくとも第2次世界大戦までは朝鮮人は日本の国民だった。朝鮮人と日本人の間に何の違いがあっただろうか」と述べた。彼の証言は要約され、別途に展示されており、映像でも無限に繰り返されている。軍艦島で幼少期を過ごした在日同胞2世、鈴木文雄さんの生前の証言も「周囲の人に可愛がられた。朝鮮人だからといって後ろ指差されたこともない」という内容を中心に展示されている。

 これに対して、15歳で軍艦島炭鉱に連れて行かれ過酷な労働に苦しめられたと訴え、2001年に死亡したソ・ジョンウさんや「軍艦島は地獄のようだった」と証言したチェ・ジャンソプさん(2018年89歳で死亡)など朝鮮人被害者の声は完全に抜けている。

 
 
2015年7月5日、ドイツのボンで開かれた第39回ユネスコ世界遺産委員会で、佐藤地駐ユネスコ日本大使が韓国人の強制労働事実を認める発言をしている=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 昨年7月、ユネスコ世界遺産委員会は、日本が近代産業施設を世界遺産に登録する際に勧告した後続措置を履行していないことに対し強い遺憾を表明し、充実した履行を求める決定文を採択した。ユネスコは2015年7月、軍艦島を含む日本近代産業施設23カ所が「明治日本産業革命遺産」という名前で世界遺産に登録された当時、日本政府に各施設の「全体の歴史」を理解できる「解釈戦略」を用意するよう勧告した。

 これは日本政府が国際社会に約束した事案でもあった。2015年7月、当時の佐藤地駐ユネスコ日本大使は「1940年代、一部の施設で多くの韓国人とその他の国民が本人の意思に反して動員され、過酷な条件で強制的に労役した」と認めた。それと共に「日本は情報センターの設立など犠牲者を悼むための適切な措置を解釈戦略に含める準備ができている」と強調した。

 日本が全体の歴史を知らせるとして作ったのが産業遺産情報センターでは、7年が経った今も約束を守られていない。ユネスコの警告状を受け取った日本政府は来月1日までに履行報告書を出さなければならない。履行するか否かについてはまだ明確な立場を表明していない。

 
 
東京都新宿区の日本総務省第二庁舎別館1階にある産業遺産情報センター=東京/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 日本の強制動員関連の市民団体は、ユネスコの勧告を履行するよう要求している。「強制動員真相究明ネットワーク」は9月、「日本政府がユネスコ勧告を履行していく態度を明確に示す意思があるならば、加藤康子産業遺産情報センター長を解任しなければならない」という要請書を岸田文雄首相などに送った。加藤センター長がユネスコを公然と非難し、同センターの解説戦略などの形は直さないと公言しているためだと明らかにした。

 「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」の矢野秀喜事務局長も本紙との通話で「日本の産業革命遺産が真のユネスコ世界遺産として認められるためには、国際社会とした約束を守らなければならない。センターをそのまま放置しておいた政府がどのような履行報告書を提出するのか注視している」と話した。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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岐阜基地には、日本に侵攻してくる航空機やミサイルを攻撃する部隊「第4高射群」や、航空装備品の試験や研究を行う「飛行開発実験団」などが所在しています。

2022-11-24 18:52:25 | 岸田・石破の早期退陣を望む声が多い

クローズアップ

軍用機騒音と大軍拡 

空自・岐阜基地の地元で実態を交流

テレビの音聞こえず 心臓縮む感覚 睡眠障害

 岐阜県と愛知県の平和委員会は20日、航空自衛隊・岐阜基地がある各務原(かかみがはら)市で集会を開き、軍用機の騒音による深刻な健康被害や基地強化の実態を交流しました。日本共産党の本村伸子衆院議員が参加し、岸田政権が進める「敵基地攻撃能力」の保有、軍拡と一体の自衛隊基地機能強化を許さない国民的運動を広げようと訴えました。(玉田文子)


図

 岐阜基地には、日本に侵攻してくる航空機やミサイルを攻撃する部隊「第4高射群」や、航空装備品の試験や研究を行う「飛行開発実験団」などが所在しています。13日には3年ぶりに「航空祭」が開かれ、戦闘機や輸送機の編隊飛行が公開されました。

「戦争する国」一体ですすむ

 試験や訓練飛行など軍用機による基地周辺の騒音被害は深刻です。

 集会で両平和委員会は、3~6月に実施した基地周辺住民へのアンケート結果を報告しました。対象は岐阜県各務原市、岐阜市、岐南町、笠松町、羽島市、愛知県犬山市、江南市、扶桑町など約1万世帯で、254人が回答しました。

 「騒音が気になる」は83%、「夜間や朝の訓練はやめてほしい」は79%に及びました。「テレビの音や会話が聞き取れない」「心臓が縮むような感覚を覚える」「防音工事をしたがうるさくて通話できない」「家の窓がビリビリと音を立てる」「子どもがおびえて大泣きする」などの実態が寄せられ、体調不良や睡眠障害を訴える人もいます。

 自衛隊基地など国が重要と指定する施設の周辺住民を監視下に置く「土地利用規制法」は「知らない」が72%。「騒音で平穏に暮らせないのに自由に抗議の声も上げられなくなるのではと不安」などの声も寄せられています。

 岐阜県平和委員会の武藤清吾常任理事は、回答者の背景に基地問題を気にかけている何倍もの住民がいると指摘。爆音問題と岸田政権の「戦争する国づくり」は一体だとして軍縮や核廃絶、平和外交を求める世論を広げていこうと呼びかけ。愛知県平和委員会の矢野創事務局長は、「回答者を訪問すると『声を聞いてくれてありがとう』と感謝を伝えてくれる人もいる。騒音や基地機能強化、『土地利用規制法』への住民の不安の声をすくいあげ基地や防衛省に届けて改善を求めていく」と話しました。

写真

(写真)集会で報告する本村議員=20日、岐阜県各務原市

相手国からの攻撃リスクも

 本村議員は、日米首脳会談(13日)でも岸田首相がバイデン米大統領に日本の「防衛費の相当な増額確保」を表明したことや、国内では「敵基地攻撃能力」の保有を推進する「国家安全保障戦略」など3文書を年内にも改定することを告発し、「軍拡の加速化、国民負担増の加速化を許さない運動を広げよう」と強調しました。

 岐阜基地には、「敵基地攻撃能力」の強化と連動した電子戦評価システム(電波妨害を受けた機器が有効に機能するかどうかを調べる研究施設)が建設されつつあり、相手国から攻撃されるリスクを高めていると指摘しました。

 「土地利用規制法」について「本来は住民が自衛隊を監視することが憲法上当たり前のことだが、この法律では監視されるのが住民側となり、国民主権の精神に反している」と批判。政府が調査する住民の情報が全て法律に明記されず、政令で運用され、内閣府が一元管理するなどの問題を指摘し、法律の廃止に向け一緒に声を上げようと呼びかけました。

 閉会あいさつで岐阜県平和委員会の篠田久美子代表理事は、限られた人数で手分けして広範囲にアンケートを配布し切実な実態をつかむことができたと強調。「一人ひとりの声は小さいが皆さんの声をつなげると国を動かす大きな力になる。平和を守る運動を引き続き一緒につくっていきたい」と話しました。

 参加した岐阜市の女性は「軍用機の騒音被害に心を痛めている。『戦争する国づくり』と一体に基地の騒音問題もひどくなっていることがよく分かった。基地をなくしていくために力になりたい」と話しました。

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「我が国の反撃能力の保有と増強が抑止力の維持・向上のために不可欠」だとし、国産ミサイルの改良や外国製ミサイルの購入などにより「今後5年を念頭にできる限り早期に十分な数のミサイルを装備すべき」

2022-11-23 18:37:27 | 米国は、「世界の憲兵」をやめろ!

 

有識者会議報告書

安保政策の危険な転換許すな

 岸田文雄首相が設置した「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」が22日、軍事力の抜本的強化に関する報告書を首相に提出しました。報告書は、相手国のミサイル発射拠点などをたたく「反撃能力」(敵基地攻撃能力)の保有とともに、軍事力強化の財源として「国民負担」の必要性を強調しました。岸田政権はこれを踏まえ、年末の国家安全保障戦略など安保3文書の改定に向け、議論を加速させる構えです。東アジアの軍事緊張を一層激しくし、日本国民の暮らしを圧迫する危険なたくらみを許してはなりません。

「反撃能力」保有明記

 報告書は、日本周辺の「厳しい安全保障環境」を口実に「5年以内に防衛力を抜本的に強化しなければならない」としています。同時に「日米同盟は我が国の安全保障政策の基軸」だとして、米国の核戦力を含めた「拡大抑止」や、自衛隊基地の共同使用など日米の「共同対処能力」の強化をうたっています。

 日本の敵基地攻撃能力については「我が国の反撃能力の保有と増強が抑止力の維持・向上のために不可欠」だとし、国産ミサイルの改良や外国製ミサイルの購入などにより「今後5年を念頭にできる限り早期に十分な数のミサイルを装備すべき」だと求めています。

 「抑止力の向上」を理由に軍事力を増強すれば、相手国は対抗策に乗り出し、結果として脅威を一層高める「安全保障のジレンマ」、際限のない軍拡競争を招くことは明白です。しかも、敵基地攻撃能力の保有は、集団的自衛権の行使を認めた安保法制の下、米国が日本周辺で戦争を始めれば、日本は攻撃を受けていないのに、自衛隊が米軍を支援するため相手国をミサイル攻撃することなども可能にします。それは日本への報復攻撃を呼び込むことになります。

 報告書には、敵基地攻撃能力の保有以外にも、憲法9条の下で制約されてきた施策の解禁が盛り込まれ、戦後安保政策の大転換が図られようとしています。

 武器輸出に関し「制約をできる限り取り除き、我が国の優れた装備品等を積極的に他国に移転できるようにする」などし「海外に市場を広げ、国内企業が成長産業としての防衛部門に積極的に投資する環境をつくることが必要」だと指摘しています。政府内では既に殺傷兵器の輸出を解禁する検討に入っていると報じられています。

 また「政府と大学、民間が一体となって、防衛力の強化にもつながる研究開発を進めるための仕組みづくりに早急に取り組むべき」だとし、科学技術の軍事利用の推進、軍学共同の体制づくりが狙われています。

「国民負担」で大軍拡

 報告書が軍事力強化の財源について「国民全体で負担することを視野に入れなければならない」とし、増税を主張していることも重大です。「幅広い税目による負担が必要」としつつ、「多くの企業が国内投資や賃上げに取り組んでいるなか、こうした努力に水を差すことのないよう」にすべきだと法人税を対象にすることに否定的な考えを示しており、所得税などの大幅増が狙われる危険性が大きくなっています。

 平和と憲法を壊し、暮らしを押しつぶす大軍拡の道を何としても止めなければなりません。

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