「怪物ミサイル」として知られる弾頭重量8トンの超高威力地対地弾道ミサイル「玄武5」が初めて公開され、米軍超音速戦略爆撃機「B1B」も登場した。

2024-10-02 21:22:45 | 韓国を知ろう
 

【社説】

ソウル都心で2年連続で行われた時代遅れの「軍事パレード」

登録:2024-10-02 06:23 修正:2024-10-02 09:42
 
 
国軍の日を迎えた1日午後、ソウル崇礼門から光化門一帯の都心で、陸・海・空軍が参加する大規模な軍事パレードが行われている=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 国軍の日である1日、ソウル都心の真ん中で大規模な軍事パレードが再び開かれた。今回の国軍の日の行事には5300人余りの兵力と340台余りの装備が参加した。「怪物ミサイル」として知られる弾頭重量8トンの超高威力地対地弾道ミサイル「玄武5」が初めて公開され、米軍超音速戦略爆撃機「B1B」も登場した。国軍の日の行事に米国の戦略資産が姿を現したのは極めて異例のことだ。北朝鮮の挑発を抑止し、韓国の国防力を誇示するための行事だが、むしろソウルが軍事的緊張の真ん中に位置する都市であることを浮き彫りにする愚を犯すのではないか懸念される。

 大規模な軍事パレードそのものがすでに時代遅れの軍事政権の名残だ。1956年の第1回国軍の日を記念して始まった軍のパレードは、1968年以後4~5年ごとに開かれてきたが、2013年以後中断され、昨年10年ぶりに復活した。さらに、2年連続で開かれたのは、全斗煥(チョン・ドゥファン)軍事政権以来40年ぶりのことだ。軍事政権が好んだ権威主義的な軍事行事に、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は特別なこだわりを見せている。今回の国軍の日を臨時休日にまで指定した。国軍の日の行事には昨年の100億ウォン(約10億8千万円)に続き、今年は約80億ウォン(約8億7千万円)の予算を編成したが、国会予算政策処は予算の無駄遣いの恐れがあるとし、大規模な行事の開催周期を調整する必要があると指摘した。ただでさえ財政が悪化する状況で、交通統制で市民の不便まで招き、不要な行事を行う必要があったのか疑問だ。

 時代遅れの軍事パレードにこだわるのは、北朝鮮の脅威に軍事的圧迫で対応するという強硬一辺倒の北朝鮮政策と無関係ではないだろう。尹大統領は昨年の国軍の日の記念式典で、「北朝鮮が核を使用した場合、韓米同盟の圧倒的な対応で北朝鮮政権を終わりにする」と述べたのに続き、今年も「北朝鮮が核兵器の使用を企てるなら、その日がまさに北朝鮮政権の終わりの日になるだろう」と語った。しかし、軍事的な圧力だけでは北朝鮮核問題を解決できないことは、この30年余りの歴史が証明している。国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は9月26日、メディアとのインタビューで、「北朝鮮との対話の扉を閉ざしてきたことが、逆に状況を統制不能の状態に悪化させたのではないかと問いたい」と述べた。北朝鮮の脅威に対する軍事的対応は必須の課題だが、それがすべてではない。韓国は、朝鮮半島状況の安定的管理に向けた対話の模索にも着手しなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

 キム大使はさらに「全朝鮮人民が血のにじむ闘争で成し遂げた我々の国威を巡り、誰とも取引するつもりはない」とし、米国との非核化交渉に応じない立場を再び表明した。

2024-10-02 21:18:13 | 朝鮮を知ろう。
 

北朝鮮「取引するつもりはない」…米大統領が誰でも非核化交渉は不可

登録:2024-10-02 06:32 修正:2024-10-02 09:35
 
北朝鮮のキム・ソン国連大使、国連総会で演説 
トランプ前大統領側近「北朝鮮の非核化を放棄するのは危険」
 
 
北朝鮮のキム・ソン駐国連大使が9月30日、国連総会で演説をしている=ニューヨーク/AP・聯合ニュース

 北朝鮮のキム・ソン国連大使は30日、国連総会の演説で、「我々は主権国家の合法的権利である我々の自衛権をめぐり、振り返ることも、遠い過去に戻ることもしない」とし、核保有国として認めることを求めるとともに、非核化交渉不可の方針を明らかにした。

 キム大使はさらに「全朝鮮人民が血のにじむ闘争で成し遂げた我々の国威を巡り、誰とも取引するつもりはない」とし、米国との非核化交渉に応じない立場を再び表明した。また「米国で誰が政権を握っても、私たちは一介の行政府ではなく米国という国家的実体そのものを相手にする」とし、11月の大統領選挙で米国にどんな政権が発足しても、このような方針は変わらないと述べた。キム大使は、韓国と米国が北朝鮮の核の脅威に対応するとして発足した核協議グループ(NCG)については、「北朝鮮に対する核兵器使用の試みだ」と非難した。

 キム・サンジン駐国連韓国代表部次席大使は、北朝鮮のキム大使の演説に対する答弁権を行使し、「問題の根本原因は、北朝鮮が安保理決議に違反し違法な核兵器と弾道ミサイルを開発するとともに、先制的な核攻撃を敢行すると脅して、朝鮮半島およびこの一帯の地域の緊張を高めていることにある」と反論した。

 一方、韓米日専門家ネットワークの「トライフォーラム」が主催したシンポジウムに出席したロバート・オブライエン前大統領補佐官(国家安全保障担当)は、先日ラファエル・グロッシ国際原子力機関(IAEA)事務局長が「北朝鮮は事実上核保有国になった」と発言したことについて、「危険な質問」だと述べた。オブライエン前補佐官は「北朝鮮を核保有国として認め、ロシアや中国と同じ方式で軍備統制をしようとすれば、日本や韓国などはその時点で核兵器を持とうとしないだろうか」と語った。ドナルド・トランプ前大統領の側近であるオブライエン前補佐官のこのような発言は、トランプ前大統領が再び政権に就いた場合、北朝鮮を核保有国と認めて核軍縮交渉をしうるという指摘がなされる中で出たものだ。

 オブライエン前補佐官はまた「私はクアッド(QUAD、中国に対抗する米日豪印4カ国の協議体)が拡張されるのを望んでいる」とし、クアッドに韓国を加えた方が良いという見解を示した。また韓国が加わった場合、協議体の名前を「クイント」(5者協議体)と呼ぶことができるとも述べた。

ワシントン/イ・ボニョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする