国会で開かれた「与党・政府・大統領室協議会」は、北朝鮮の挑発にともなう安全保障上の脅威と対応が議題だった。会議の出席者らは一斉に、「北朝鮮のさらなる挑発には強力に対応する」と述べた。

2022-06-10 09:34:14 | 韓国を知ろう

韓国与党・政府・大統領室、

北朝鮮の核実験間近との見通しに「行動で示す」

登録:2022-06-09 06:46 修正:2022-06-09 07:02
 
北朝鮮の7回目の核実験が差し迫ったとみられる中、安全保障に関する初の協議会
 
 
国民の力のクォン・ソンドン院内代表が今月8日午前、国会で開かれた「北朝鮮挑発関連国家安保点検第2回与党・政府・大統領室協議会」で発言している=国会写真記者団//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の7回目の核実験が差し迫ったとみられる中、与党「国民の力」と政府、大統領室が8日、初の協議会を開き、韓米同盟を基づいて北朝鮮の武力挑発に強力に対応する意思を強調した。ただし、新型コロナウイルス感染症が広がる北朝鮮にワクチン提供など人道支援の可能性は残しておくとした。

 この日国会で開かれた「与党・政府・大統領室協議会」は、北朝鮮の挑発にともなう安全保障上の脅威と対応が議題だった。会議の出席者らは一斉に、「北朝鮮のさらなる挑発には強力に対応する」と述べた。

 国民の力のクォン・ソンドン院内代表は北朝鮮に向かって、「前政権では北朝鮮がミサイル挑発をしてもミサイルとは呼べず、未詳飛翔体という奇異な言葉で北朝鮮を庇おうとしていた」とし、「挑発には必ず国際社会の強力な制裁と報復が伴う。これ以上北朝鮮に一方的に振り回されることはないだろう」と述べた。ソン・イルジョン政策委議長も、「(尹錫悦政権は)北朝鮮の武力挑発に迅速かつ強硬に対応し、北朝鮮の挑発に厳重な警告を送ることができる政権だ」と述べた。

 韓国政府と大統領室は、北朝鮮が7回目の核実験を実施した場合、韓米同盟を軸に国際社会の協力を強化して対応する方針を明らかにした。

 イ・ジョンソプ国防部長官は「最近(北朝鮮の)7回目の核実験準備動向まで把握されており、朝鮮半島の安全保障は非常に厳しい状況だ」とし、「高度化している北朝鮮の核・ミサイル脅威に対応するため、米国の拡大抑止(核の傘)公約の実行力を高め、韓国軍の『韓国型3軸体系』もさらに強化していく」と強調した。パク・チン外交部長官も「北朝鮮の相次ぐ核・ミサイル開発と挑発は、これに対応する韓米同盟レベルの抑止力の強化につながり、結局、北朝鮮自身の安保を阻害する結果を招くだろう」と述べた。

 大統領室の国家安保室は、文在寅(ムン・ジェイン)政権との違いを強調し、強対強の対応方針に言及した。シン・インホ国家安保室第2次長は「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の国家安保室は言葉ではなく行動で示す」とし、「北朝鮮の核を頭に載せて生きていくわけにはいかない。3軸体系を中心に北朝鮮核ミサイルを無力化できる対策を任期内に講じる」と述べた。韓米は今月6日、北朝鮮の短距離弾道ミサイル8発の発射を受け、翌日、同じ数の地対地ミサイルを発射して対抗した。

 一方、クォン院内代表は非公開会議後、「抑止力の強化が北朝鮮の核・ミサイル発射自体を阻止できると思うか」という質問に対し、「戦力増強や精神戦力の強化などが北朝鮮の核実験やミサイル挑発を直接的に抑止できないことは専門家の間では周知の事実」だとしたうえで、「長期的には各種経済制裁や対北朝鮮封鎖(戦略)などが必要だ」と述べた。クォン代表は、国防部が軍の精神力強化を準備・施行中だとも付け加えた。

 ただし、人道主義に基づく北朝鮮支援の可能性は排除しなかった。クォン代表は「挑発には強力に対応する一方、人道支援と対話は続けていくというのが、我々の対北朝鮮基調」だと説明した。

ソン・ダムン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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