治療はどのように進められるのか  治療薬がまだないため対症治療のみ可能  エイズ治療剤の初期使用、意見分かれる

2020-02-08 15:01:32 | 韓国を知ろう

「2次・3次感染期間短く…SARSより速い伝播力」

登録:2020-02-08 08:49 修正:2020-02-08 13:11
 
「重大な峠」新型コロナ専門家診断 
(1)感染拡散はどこまで 
「地域社会での伝播は限定的」 
「経路の分からない感染を注視すべき」 
 
(2)どれほど危険か 
持病がある場合、健康を脅かす可能性 
死亡率は2%より低くなるかも 
 
(3)治療はどのように進められるのか 
治療薬がまだないため対症治療のみ可能 
エイズ治療剤の初期使用、意見分かれる
 
 
6日午後、京畿道高陽市の首都圏鉄道車両整備団・高陽基地で、防疫作業者たちがKTXの車両内部を消毒している=高陽/カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症は最初の患者が出た後、2次・3次感染に広がる期間がSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)より短く、伝播力はより強いという診断が出た。また、感染しても深刻な重症疾患にはつながりにくいということだ。6日の大韓感染学会の記者懇談会と7日の「新型コロナウイルス感染症中央臨床TF」記者会見に出席した感染学の専門家らは、韓国国内で地域社会での広がりは限定的だと見ているが、感染経路の分からない患者の発生については警戒を緩めてはならないと助言した。

(1)ウイルスの伝播力は?

 MERS、SARSより新型コロナウイルスの再生産指数(感染者一人が直接感染させる平均人数)は低いにもかかわらず、速い伝播を示していることについては、世代時間が短いためという分析が出ている。パン・ジファン国立中央医療院中央感染症病院運営センター長(中央臨床TFチーム長)は「1次感染から2次感染、2次感染から3次感染までにかかる時間を『世代時間』というが、新型コロナウイルスは世代時間が非常に短い傾向があり、より早く広がるものと考えられる」と述べた。ただし、中国内でも2次感染が本格化したとは考えがたく、国内でも2次感染は非常に限定的な状況と見るべきという分析が出ている。シン・ヒョンシク国立中央医療院感染症研究センター長は「国内でも地域社会での伝播が活発なら原因不明の肺炎患者が多いばずだが、最近光州(クァンジュ)で報告された1件があったのみ」と話した。亜洲大学病院のホ・ジュンヨン教授(感染内科)も「中国外の患者が(中国のように)さほど増えていないのは、武漢で初期にウイルスが拡散しやすい(特殊な)環境が存在したためだろう」とし、「武漢と武漢の外の中国の状況の違いからも分かるように、対応によって拡散の程度が変わる」と見通した。ソウル大学医学部のキム・ナムジュン教授(感染内科)は、「国内の事例のうち、疫学的関連性が低い事例が増える可能性があることに注目しなければならない」と述べた。

(2)危険度はどのくらい?

 韓国国内の患者のほとんどが安定した状態だ。キム・ナムジュン教授は「国内患者の平均年齢は49歳であり、(国外に)旅行に行ける人たちが主に感染した状況」だとし、「しかし、この病気が(感染に脆弱な患者が多い)病院に流入した場合、死者発生を避けるのは難しい」と話した。ただ、今後の死亡率は現在の2%水準よりは低くなるだろうという見通しが出ている。シン・ヒョンシクセンター長は「中国以外の国で発生した患者200人余りのうち2人が死亡したが、香港の死亡者は心臓病があり、フィリピンでは2次感染で死亡した可能性が高いそうだ」とし、「他の理由で死亡した可能性を考慮すれば、死亡率は非常に低い」と話した。

 新型コロナウイルス感染症患者の肺機能の損傷度は、SARSやMERSに比べて低いという臨床的な判断も出ている。パン・ジファンセンター長は「国内の感染者のケースにのみ推定される限定的な結果」という前提で、「今回の患者のレントゲン撮影写真を見ると、(一般的な肺炎のように)肺に炎症があり白く見えるが、実際に患者が息切れしたりする症状は軽く、炎症が相対的に軽い肺炎ではないかと見ている」という意見を出した。

(3)治療法は?

 サムスンソウル病院感染内科のペク・ギョンラン教授は「新型インフルエンザは治療薬があるが、新型コロナウイルスは対症療法でしか治療できない」とし、「エイズ治療薬などを使うが、風邪のような症状を示した時から使うべきかどうかについては意見がまとまっていない」と話した。それでも完治する理由は、人間の体の免疫システムが作動するためだ。シン・ヒョンシクセンター長は「健康な成人は免疫体系が作動して10日から3週間の間に菌が全てなくなり、病気が自然に治る」とし、「新型感染症なので抗体ができるまでには時間がかかるだろう」と話した。

パク・ヒョンジョン、パク・ダヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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