「柔軟なアプローチ準備した」…
米国、北朝鮮に警告と交渉のメッセージを同時発信
登録:2019-12-13 01:23 修正:2019-12-13 07:50
米国、北朝鮮に警告と交渉のメッセージを同時発信
登録:2019-12-13 01:23 修正:2019-12-13 07:50
国連安保理会議で「北朝鮮、関与のための大胆な決定を下すと信じている」
「同時的・並行的な措置を取る準備ができている」と繰り返し強調
ビーガン特別代表、安保理理事国との昼食会で北朝鮮問題への協力を強調
2012年4月8日、北朝鮮の平安北道鉄山郡東倉里の西海衛星発射場で、一人の兵士が警戒に当っている=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社
米国が11日(現地時間)に開かれた国連安全保障理事会会議で、北朝鮮に対し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験発射など緊張を高める行為の自制を要求した。米国は「柔軟なアプローチをする準備ができている」という点を繰り返し強調し、北朝鮮が交渉に応じるよう求めた。同日の会議は、最近米国に対する圧力を強めている北朝鮮の動きに対応し、今月の議長資格を持つ米国の要請で開かれたものだ。
米国のケリー ・クラフト国連大使は同日午後、国連本部で開かれた安保理会議で、「北朝鮮は今後数週間以内に『新たな道』に進むと脅しており、深刻な挑発の再開を暗示する発表をしてきた」とし、「これは実質的に北朝鮮が長距離弾道ミサイル技術を利用した宇宙飛翔体や、核兵器で米大陸を攻撃するために考案された大陸間弾道ミサイルを発射できることを意味する」と述べた。米国が年内に「新たな計算法」を提示しない場合に備え、北朝鮮が人工衛星や大陸間弾道ミサイルの実験発射を準備しているという判断を示したのだ。
クラフト大使は最近、北朝鮮の相次ぐ飛翔体の発射について、「弾道ミサイルの発射は射程距離にかかわらず、地域の安保と安定を損なうと共に、国連の対北朝鮮制裁決議の明白な違反だ」とし、「北朝鮮のこのような行動は、未来に向けたより良い道を探す機会を閉ざす恐れがある」と指摘した。また、「ミサイルと核実験は、北朝鮮の安保と経済的目標を肯定的に解決し、地域の安定を改善する合意に向けた我々の交渉能力を弱め、逆効果をもたらすだろう」と警告した。また、「我々は、北朝鮮が敵対と威嚇から離れ、我々皆と関与するための大胆な決定を下すと信じている」とし、「そうでないことが明らかになった場合は、安保理は相応の行動を取る準備ができていなければならない」と述べた。北朝鮮が“レッドライン”を超えた場合、国連レベルで北朝鮮への追加制裁を加えるべきだという意味と見られる。
クラフト大使は、スティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表らがこれまで明らかにしてきた通り、「同時的・並行的な措置を取る準備ができている」と強調した。彼は「我々は並行して行動し、合意に向けた具体的な措置を同時に取る準備ができており、柔軟なアプローチを取る準備もできている」と述べた。そして、「我々が何かをする前に、北朝鮮がまずすべてのことを実行に移すべきだと求めたことはない」とも述べた。北朝鮮が完全な非核化を行わない限り相応措置を提供しないと言っているわけではないと、再度強調したのだ。
同会議に先立ち、ビーガン特別代表は、国連米国代表部で安保理理事国代表らと昼食をともにし、北朝鮮の核問題に対する外交的な解決策の原則を再確認し、安保理レベルの協力を強調した。ビーガン代表は昼食会で、現在の厳しい状況で安保理が結束して北朝鮮政策を展開しなければならず、そのようなメッセージを北朝鮮に送るべきだという考えを示したという。
この日安保理会議に当事国大使として出席した韓国のチョ・ヒョン国連大使は「朝鮮半島で70年間続いた戦争と敵対の遺産をたった一日で克服することはできない」としたうえで、「北朝鮮が国連安保理決議の義務を履行するとともに、交渉進展を通じた具体的な結果につながるよう、意味のある朝米対話に乗り出すことを強く求める」と述べた。
同会議で中国とロシアは、朝米対話を再開する必要性に共感しながらも、国連安保理の対北朝鮮制裁を緩和すべきという立場を示した。中国の張軍国連大使は「できるだけ早く、対北朝鮮制裁決議の“可逆条項”を適用し、措置を取るべきだ」と述べた。北朝鮮が大陸間弾道ミサイルの発射と核実験を中止したので、対北朝鮮制裁のレベルも調整すべきということだ。ロシアのネベンジャ国連大使も「昨年の肯定的なモメンタムがあったが、安保理レベルの肯定的な措置は不十分だった。今必要なのは政治的決断だ」と述べ、制裁の緩和を主張した。
ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)