竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

近鉄奈良駅から徒歩15分のところに龍が棲んでいる!

2010年05月01日 | 日記
前回のブログで、「奈良民話祭り」がNHK「ならナビ」で紹介されると
お知らせしましたが、やはり28日の「ならナビ」のCATV便りで放映されました。
わずか2分ほどですが、民話祭りの様子は充分伝わったと思います。
見ていただけましたか?

さて、本日のテーマに移ろう。
近鉄奈良駅から歩いて15分足らずのところに龍がいる!

もう少し具体的に説明しよう。
近鉄奈良駅から西へ少し歩いて行くと
油阪に「蓮長寺」という寺がある。そこの本堂の天井絵に
狩野派の絵師が描いた龍が棲んでいるのだ。
そのことは案外知られていない。
上の写真を見て欲しい。
余りにも真実に描かれているので、
今にも飛び掛ってくるのではないかと不安になるほどである。
それにはこんな伝説があるのだ。


蓮長寺の龍

奈良の油阪に、蓮長寺いうお寺があって、その内陣の天井に、
狩野元俊が描いたといわれる大きな龍の絵があるねん。
むかし、この龍が、夜になると寺から抜け出して、付近の田畑を荒らしたそうや。
そこで、蓮長寺のお坊さんが、龍の目と鱗を三枚、墨で塗りつぶしてしもうた。
すると、龍は、もう天井から抜け出すことができんようになった、いうことや。
それから、この龍の絵は、円で囲んで描かれてるけど、
それは、ある霊能者が、龍と対決したとき、龍の霊力を封じ込めるために
書き加えたものやという話もある。

また、こんな話もある。このあたりには、むかし、池があったんやて。
あるとき、大変な旱魃に見舞われた。それで村人が寺に集まって雨ごいをしていたら、
池から龍が現われて、大雨をふらせたということや。


    原話資料:進藤秀樹・竹原威滋・丸山顕徳編 『奈良市民間説話調査報告書』 
    再話 : 村上 郁





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