竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

我が家の庭で鶯に初鳴き/ブログ1か月ほどお休みにします。すみません。

2014年03月08日 | 民話
今週中頃、3月6日に、我が家の庭でウグイスの初鳴きを聴きました。
本当に、春ですね。


これは、ネットからいただいた写真です。

声がすれど、姿が見えず、しばらく庭を歩いていると、
青空に飛んで行ってしましました。


ところで、数日前に緊急のお仕事が転がり込んできました。
締切に追われ、超多忙なので、ブログを一か月ほど、お休みにします。

4月中旬ごろ再開します。

いつもブログを見ていただいているみなさま!
勝手なことですみません。

では、4月中旬まで、
みなさん、お元気で!

2014年3月6日   竹原威滋


(追記)
「たまたま」さんのコメントをうけて、追記しました。
上記の写真はメジロでした。


これもネットからいただいた写真です。
こちらが 真正のウグイスです。

「ウグイス色」をしているのはメジロです。
メジロの方がかっこいいですね。
ウグイスは声は可憐だが、姿はじみですね。
勉強になりました。

梅花女子大の梅三葉/藤本芳則講演「ストーリーテラーとしての巖谷小波」(3月8日京都女子大)

2014年03月01日 | 民話
ようやく春めいて来ましたね。

勤め先の「梅花女子大」の梅も今、満開です。

その3ショットをお見せしましょう!


咲き誇る白梅


見事なしだれ梅 ピンク色


あでやかな紅梅


春の訪れを実感していただいたあとで耳寄りな情報です。

来週土曜日に日本児童文学学会関西例会において
巖谷小波の研究で知られている藤本芳則先生の講演会があります。
題して「ストーリーテラーとしての巖谷小波」です。

以下、案内を引用します。

------日本児童文学学会関西例会 案内----------------------------------


会場:京都女子大学 U校舎 2階 U209教室
日時:2014年3月8日(土)

大学への交通アクセス案内
キャンパスマップ (35):U校舎(幼児教育棟)

■研究発表

13:30~14:00(質疑10分を含む)
物語の伝達における「間」の効果 ―人形劇を中心に―
           糸井嘉(名古屋短期大学)

14:00~14:30(質疑10分を含む)
絵本の構造を意識した絵本作り ―Suzy Leeの境界三部作から一
           中山由紀子(梅花女子大学大学院)

■講演
14:30~15:20
テーマ「ストーリーテラーとしての巖谷小波」
           藤本芳則(大谷大学短期大学部)

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ご覧のように研究発表のあと講演です。
会員はもとより、一般の方も歓迎とのことですので、
お誘いあわせの上、ぜひ お出でください。


------■講演要旨■--------------------------------------

ストーリーテラーとしての巖谷小波
                 藤本芳則(大谷大学大学短期大学部)

 小波は必ずしも過去の作家ではない。戦後も「世界お伽噺」の一部が刊行されているし、
『こがね丸』は、人形劇映画でTBSより放映されたという。
現在の子ども読者向けに編まれた作品集には、「三角と四角」「たぬきのからつづみ」「十二月の苺」などが収められている。
 現在でも、小波作品が読まれる理由は、ストーリーの面白さにある。
新しい感覚や感性、思想はないが、オチのある話や完結感のある物語など、ページを繰る面白さを味わうことができる。
ひとことでいえばエンタテイメントとしての魅力である。
 もともと小波には、奇抜なストーリーや不思議な物語への嗜好があった。
小波自身のことばでいえば、「人間を写し得た物より、鬼神を描いた物の方が、
事実を書いた歴史や、人惰を描いた物語より、想像を原とした神話や、夢幻を主とした伝説の方が、
自分には面白く感じたのである。」(「序言」『東洋口碑大全 上巻』(博文館、大正2年)

 最初の創作の試みが、「蛇、蛙、蛞蝓の、三すくみから立てた」「純日本式の、因果応報の教訓譚」
(巌谷小波『小波身上噺』芙蓉閣、大正2年)であり、
回覧雑誌『十亭叢書』にかちかち山の後日譚ともいえる「かちかち山後夕譚」を寄稿し、
「我楽多文庫」に「鬼車」を掲載したのもそうした性向を物語る。
『こがね丸』も子ども読者を意識するよりは、自らの好みを重視して書かれた作品だったが、
子どもをさほど意識しなかったにもかかわらず、
児童文学として成功したところに小波の児童文学作家としての資質がうかがえる。

「小波お伽噺」の面白さを、よく指摘される洒落以外に今三点あげるとすれば、次のようになろうか。
① 見立て(擬人化)の面白さ
② 昔話や俚諺等の引用
③ 物語としての完結性
ただし、小波の場合、① ②は、幼い読者には迎えられても、年長の読者には適しているとはいいがたく、
幼年童話にこそ小波の資質が生かすことができた。

また、小波お伽の内容を大きく見れば時期的には、渡独以前と以後に大別することが可能だろう。
佳品が多いのは、前期である。冒頭紹介した作品もすべて前期の作だし、
戦時中刊行された『明治のお伽噺』上下巻も、同様である。
つまり選集なりアンソロジーなどに収録されているのは前期に発表された作品であり、
後期になると教訓性があらわになってきて、面白さは薄れてくる。
洋行帰りの児童文学者として世間的にも評価され、社会的地位が確立されていくにつれ作品がつまらなくなっていく。
小波自身もかつてのような自分の趣味を優先することが難しくなり、
子どもへの「教育的配慮」を考えざるをえなくなってきたからであろう。
しかし、教訓性の強いところは、だれもが指摘するように欠点であるが、
ストーリーの面白さは、とりわけ幼年童話として評価されてよいのではないかと思う。

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少し長いが、要旨を載せました。

今日は、梅のフォトと講演案内でした。
では、来週末までお元気で!