竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

勿忘草から学会案内へ:日本口承文芸学会 ・シンポ「災害と口承文芸」東北大学 2014.6.7.-8.

2014年05月17日 | 民話
みなさま、お元気ですか?
厳しかった冬も過ぎ、我が家の庭には、薔薇、紫蘭、ジャーマン・アイリスと
賑やかに春の花が、咲き競っています。

その中でひっそり咲いてくれた花があります。


勿忘草(わすれなぐさ)です。

2年ほど前に知人からいただいたき、移植したのですが、今年、やっと咲いてくれました。

この花の名前はドイツでは「フェアギスマインニッヒト(Vergiss-mein-nicht)」と呼ばれ 
ドイツの詩人ウィルヘルム・アレントの下記の詩が有名です。

Ein Blumchen steht am Strom
Blau wie des Himmels Dom
Und jede Welle kust es
Und jede auch vergist es

 ながれのきしのひともとは、
 みそらのいろのみずあさぎ、
 なみ、ことごとく、くちづけし
 はた、ことごとく、わすれゆく
 (上田敏訳「海潮音」より)

また、この花には次のような伝説が伝えられています:

  昔、騎士ルドルフは、ドナウ川の岸辺に咲くこの花を、恋人ベルタのために摘もうと岸を降りたが、
  誤って川の流れに飲まれてしまう。
  ルドルフは最後の力を尽くして花を岸に投げ、「Vergiss-mein-nicht!(僕を忘れないで!)」という言葉を残して死んだ。
  残されたベルタはルドルフの墓にその花を供え、彼の最期の言葉を花の名にした。

花言葉「真実の愛」「私を忘れないで下さい」も、この伝説に由来します。

悲しい話ですが、とてもロマンチックですね。


さて、東日本大震災から、3年が経ちました。
ルドルフならず、多くの人々が津波に飲み込まれ、亡くなられました。

6月に東北大学で開催される「日本口承文芸学会」では、
「災害と口承文芸」というテーマでシンポジウムが行われます。

次の公開講演もありますよ。

  「災害の経験を伝える」活動の最新動向 ― 災害かたりつぎ研究塾の合宿活動をもとにして ―
                         東北大学災害科学国際研究所 佐藤翔輔
  「語り」「聞く」という営みについて ― 東日本大震災の波をくぐって ―
                       民話採訪者・みやぎ民話の会顧問 小野和子
   震災被災地にみる死者と生者の接点     東北大学大学院 鈴木岩弓

もちろん、瓜子姫、桃太郎、眠り姫、河童伝説などにつての興味深い研究発表もありますよ。

詳しくは次のサイトをご覧ください:
大会プログラム

ご都合つけば、みなさまも、思い切って参加されませんか?


では、みなさま、来週末のまた、ブログでお会いしましょう!




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1 コメント

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Unknown (Tokko)
2014-05-22 02:12:27
勿忘草…ドイツの詩だったのですね。
「海潮音」(上田敏の訳)だから、つい英語かフランスかと
勘違いしていました。すみません。
また「海潮音」を読み直します
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