竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

「奈良なら民話祭り2015」 8月7日(金)奈良町物語館で開催、 燈花会の折りにぜひ来てください!

2015年07月25日 | 民話
みなさま、お元気ですか?

梅雨が終わると、太陽の輝く夏を迎えます。
「奈良民話祭り」は、平城遷都1300年祭の2010年に開催して以来、6回目を迎えます。
皆さまのお蔭で市民参加のイベントとして奈良燈花会の風物詩となりつつあります。





今年の民話祭りは8月7日(金)の1日のみ開催です。

次のように奈良町物語館にて5回公演します。
① 11:00~12:00 ② 13:00~14:00 ③ 14:15~15:15 ④ 15:30~16:30 ⑤ 16:45~17:45

燈花会の行き帰りにぜひお寄りください。

ポスターをご覧ください!



ナーミンテラー(奈良の民話の語り手)が心をこめて、語ります。
ナーミンテラーたちは、只今、リハーサル中です。   


みなさま、是非ぜひ、お出で下さいね!!


今日は、「奈良なら民話祭り2015」のご案内でした。
みなさま、来週まで、ごきげんよう!

奈良県洞川を舞台にした物語:富安陽子『菜の子ちゃんと龍の子』を読みました!

2015年07月18日 | 民話
台風11号が去りました。
奈良県も大雨に見舞われました。
みなさまの地域はいかがでしたか?

さて、今日のブログは、修験道のメッカ、奈良県天川村洞川(ほりかわ)を舞台にしたファンタジーの紹介です。
梅花女子大学でも教鞭をとっておられる富安陽子先生の近作『菜の子ちゃんと龍の子』です。



富安陽子作、YUJI画、1200円(税別)、福音館

この絵を見て、お気づきの方もおられるでしょう!

大きなまん丸メガネに、くるりんカールの髪の毛の「菜の子先生」、
ある日ふっと現れて、学校をひととき不思議空間に変身させては、
また去ってゆく謎の先生。



菜の子先生は「学校ふしぎ案内シリーズ」でおなじみのキャラクター、
今度は、なんと奈良県天川村の小学校に現れるのです。
でも、菜の子ちゃんは、菜の子先生の子どもの時の話かな。

まあ、それはさておいて、物語の発端は:
季子(ときこ)のクラスに現れた一日だけの転校生の「菜の子ちゃん」は言う。
「日曜日、龍泉寺のお祭りの夜、手伝ってもらいたいことがあるの。
空に昇れなくなった龍の子を、助けてやらなくちゃならないから....」
それから始まる大冒険! 屋根に引っ掛かってしまった龍の子を空に帰すために
必死に行動する季子と菜の子ちゃん。



YUJI先生の描く「龍の子」も実に可愛い。


私は日常世界にふと現れる異界の世界を物語る伝説をたくさん、フィールドワークで聴いてきました。

ある男に魚を籠ごと売って、お金を数えると木の葉だったという「キツネにだまされた魚屋さん」
月夜の晩、妖精に会い、楽しく踊って、瘤を取ってもらった「せむし男」
魔女の呪文を聞いて、ミルクを増やしたが、欲が高じて、ミルクに溺れてしまう「牛飼い」
これらは、村で語られて口伝えの物語。

それに対し、富安先生は、大和の伝承に基づいて、現代の小学生を主人公にした素敵なファンタジーに
よみがえらせました。

是非、この本をとって、しばし、子どもさんと不思議な世界に遊んでください!

これは、「日本全国ふしぎ案内」シリーズの第1作だそうです。

まさに、これから日本じゅうに菜の子ちゃんが現れて、
妖怪・異界の世界に誘って(いざなって)くれるでしょう!

今日のブログは、子どもに大人気の富安先生の創作童話シリーズの案内でした。

では、また、次週末にブログでお会いしましょう!








丸山顕徳編『語り伝える吉野の民話』(金壽堂出版)が刊行されました!

2015年07月11日 | 民話
このほど、『語り伝える吉野の民話』が刊行されました。

これは、丸山顕徳先生と比較民話研究会のみなさまと共にかつて
吉野の民話調査のフィールドワークをした研究成果の一端を
一般向けに本にしたものです。



94頁(一部カラー) B6判 並製 定価 本体750円
金壽堂出版  ISBN978-4-903762-13-5 C0093

ナーミン・テラー(奈良の民話の語り手)の皆さまにも早速、語りのテキストとして
利用していただけます。

収録した民話は以下の通りです。

   キツネにだまされた魚屋さん
   砂まきダヌキ
   高坊主
   河太郎のはなし
   伯母峰の一本足
   虫のしらせ
   井光の井戸
   キツツキを寺っ子と呼ぶわけ
   高見山の入鹿の首塚
   犬を飼わない村
   五郎宗岩
   役行者
   蛙になった人間
   義経と弁慶
   後醍醐天皇
   天誅組

また、巻頭には民話の平易な解説とともに吉野のイラスト地図があり、
巻末には吉野山の名所旧跡と年中行事の紹介があるので、
本書を片手に、吉野山散策などにもお薦めです!

詳しくは、左記にサイト参照:金壽堂HP

是非、手に取って見てくださいね。

今日のブログは、奈良の民話の新刊情報でした。

梅雨と台風が重なり、大変な気候ですが、みなさま、お元気で!
では、また来週末にブログでお会いしましょう!



ディズニー・実写版シンデレラを見てきました!

2015年07月04日 | 民話
今日は映画の紹介です。

朝日カルチャーで今「グリム童話と昔話の世界にようこそ!―世界のシンデレラ説話の比較を通して語りの魅力に迫る」を
開講しているので、これは見ておかなくてはと、上映中の「ディズニー・実写版シンデレラ」を見てきました!



主人公のシンデレラは、テレビシリーズ「ダウントン・アビー 華麗なる英国貴族の館」でレディー・ローズ役で一躍注目を浴びた
リリー・ジェームズが演じています。

ところで、おそらくみなさまは、ディズニーのアニメ版のシンデレラはご覧になったことがあるでしょう!



でも、今回のディズニーは、アニメでなくご覧のように実写版なのです。



しかも、物語も純粋のメルヒェンでなく、どこにでもありそうな現実の物語に仕立ててあります。

シンデレラが王子と出遭うのは、お城の舞踏会ではなく、それより以前に偶然、森で出会っているのです。
シンデレラは継母たちにいじめられ、うっぷん晴らしに森へ馬を走らせていると、
城で働く青年(実は王子)に偶然出会うのです。



王子がひと目惚れをしたのは、魔法のドレスで着飾ったシンデレラではなく、どうやら、ふだんの素顔の彼女だったらしいことから、
現実の世界に生きる観客にとって、より共感を持てそうな設定にした点が現代化の新解釈と見なされたようです。
もちろん、それ以外は、おおむねディズニーの古典アニメを、そのまま実写に置き換えたかのような作品に窺えます。

なにしろ、この映画のテーマは「本当の魔法はあなたの勇気」なのです。


映画館から出てきたら、子どもと大人で、人だかりでした。



見ると、なんと映画に出てきた「シンデレラの靴」が陳列してあったのです!



詳しくは、次のサイトをご覧ください。→ シンデレラ予告編

今上映中ですので、是非、ぜひ、見てください!!

今日のブログは、映画の話題でした。

では、みなさま、鬱陶しい梅雨を乗り切ってください。
また、来週、ブログでお会いしましょう!