竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

東洋大学シンポ:12月17日:「こびと」という異界:借りぐらしのアリエッティ、白雪姫、一寸法師

2011年11月27日 | 日記
今日は東洋大学で開催される「こびと」に関するシンポジウムを
紹介しましょう。


人間科学総合研究所公開シンポジウム: 「こびと」という異界
日時:2011年12月17日(土) 15:30~18:00
場所:白山キャンパス 6号館3階6309教室



<プログラム>
司会:石田 仁志(東洋大学文学部・教授)
コメンテーター:竹原威滋(奈良教育大学教育学部・特任教授)

1.「異界」の意味領域
  -言説史の観点から-  
  池原陽斉(東洋大学大学院博士後期課程3年)

2.『借りぐらしのアリエッティ』にみる「こびと」像
  -英国ファンタジーとジブリ映画のはざまで-
  信岡朝子(東洋大学文学部・専任講師)

3.グリム童話『白雪姫』にみる「こびと」像
 -北欧・ゲルマン神話とディズニー映画のはざまで-
 大野寿子(東洋大学文学部・准教授)

4.「小さ子」譚にみる日本の「こびと」像
 -御伽草子「一寸法師」と昔話研究を中心に-
 大村達郎((財)宮本記念財団研究員)

ご覧のように、ジブリ映画『借りぐらしのアリエッティ』、
グリム童話『白雪姫』、御伽草子『一寸法師』と
いずれも「小さ子」、「こびと」が登場します。

まず、かわいいデザインのポスター
をご覧ください。

わたしは、コメンテーターとして、

★ 家につく精霊:「座敷童子」、「コボルト」、「ゴブリン」
★ 地下の精霊:「金銀を掘るこびと」、「ツヴェルク」、「ドワーフ」
★ 水から生まれた精霊:「少彦名神」、「桃太郎」、「田螺息子」など

を例示しながら、
人に親切をしたり、悪戯もする「異界から来た小さ子の来訪神」の系譜という視点から
お話してみたい。

「こびと」という異界に旅して、古今東西の物語の世界に
しばし遊んでみませんか!


関西の方々はちょっと遠いですが、
関東方面の方は、是非いらしてくださいね。

さらに詳しくは下記サイトをご覧ください:
「こびと」という異界

今日は、シンポジウムの案内でした。



民話に関する国際学会があるのをご存知?!

2011年11月21日 | 日記
今日はメルヘンや民話の国際学会のことを話ましょう!

「へーえ! 日本昔話学会があるのは、このブログで読んで知っているけど
国際学会まであるの?」と驚かれるみなさまもおられるかもしれませんね。
そう、あるのです。

International Society for Folk Narrative Research
といいます。

日本語では「国際口承文芸学会」ないしは「国際民間説話学会」と訳されています。
(公式の日本語の学会名称は定まっていません)

1959年に創立大会があり、1962年に正式に設立され、ほぼ4年に1度、国際大会が開催されています。
世界の80ヶ国から約700人の会員がいます。

詳しくは、下記の学会HPをご覧ください。

INSFNR


私が初めて参加したのは、確か1978年、スコットランドのエジンバラで開催された大会でした。

以下の写真は、主催者のエジンバラ大学のブルフォード教授が民俗衣装(男のスカート)を来て、
レセプションにおいてマックス・リュティ教授夫妻を出迎えているところです。


私の撮った貴重な、私の恩師リュティ教授夫妻の写真です。
(写真をクリックして、拡大して見てくださいね。)

それ以来、何度か大会に参加し、研究発表をしてきました。

次回の大会は次の通り開催されます:

●国際口承文芸学会 (ISFNR) 第16回大会 (予告)
 2013年6月25日~30日 ビリニュス市(リトアニア共和国)
 ビリニュス大学 リトアニア民間文芸研究所
 総合テーマ:現代社会における口承文芸、その統一性と多様性
 学会参加申込:2012年6月30日までに
 研究発表申込:タイトルと要旨(300字以内)を2012年10月1日までに。

詳しくは右記サイト参照:第16回大会

前回の大会の様子は、故櫻井美紀さんのHPをご覧下さい。

ギリシャ15日間の旅

今回は、国際学会の紹介でした。

大和郡山の民話絵本「げんくろうぎつね」が刊行されました!

2011年11月14日 | 日記
大和郡山には「源九郎狐」という狐がいるのをご存知ですか?
20年ほど前に東吉野村で民話の調査をしていた時、
「源九郎狐」の話を3話、聴きました。

1.郡山に行った源九郎さん
2.郡山と三尾の源九郎狐の騙し合い
3.禿留と源九郎狐の騙し合い

いずれも面白い話だが、三つ目の話を紹介しよう!


源九郎さんと、四国の禿留っていう狸とな、騙し合いをして。ほだらな、源九郎さんが、
  「おれ、明日、大名行列仕立てて来るさかい、ほんでに、あんじょう見とれ。」
て、そないに言うたらしいですな。その、四国の禿留って言う狸に。ほだら、
  「おう。」
言うて、ほで、あの、高見峠で待っとったらしいですな。ほんなら、
  「下に、下に、」
言うて、ほんまの大名行列が来たんらしいですな。
  「おい、うまいこと化けたのう。」
言うて、顔出したら
  「無礼者。」
言うて、一ぺんに手打ちになったって言う話を聞きましたなあ。

語り手:松場 賢一(東吉野村三尾)


ところで、その「源九郎狐」の面白い話がいっぱい載ってる絵本が
このほで刊行されました。



大和郡山の語り伝えたい ふるさと民話「げんくろうぎつね」
作絵・文:藤戸輝子  きり絵:馬場敏枝  500円
こおりやま民話絵本の会 中田光子


なぜ、「源九郎狐」というか、そのゆわれがあとがきに載ってました:

源義経が、頼朝に追われ吉野山に落ちのびたとき、白狐が家来に化け、
義経の妻「静御前」を守り、無事に送り届けたのだそうです。
そこで、義経はそのお礼に、源義経の「源」と「九郎判官」という位
から「源九郎」と言う名前を白狐に授けたのだそうです。

ところで、以前にも大和郡山の民話絵本を紹介しました。
見てくださいね。

民話絵本『稗田の村と広大寺池』刊行される!

今日は絵本の紹介でした。



第63回正倉院展に行ってきました!

2011年11月07日 | 日記
今年も正倉院展に行ってきました!


金・土・日曜日は午後7時まで延長しているので、ゆっくり見れますよ。


印象に残った宝物をカタログの写真から三つ紹介しましょう!


一つ目。今年の呼び物は、なんといっても、「黄熟香」(香木)でしょう。
ラオスからベトナムにかけての山岳地帯産出の香木が交易により日本にもたらされたようです。
時の権力者、足利義政、織田信長、明治天皇も切り取って香をたいたそうである。
内部が空洞になっているのは、雑臭が混じらないよう、香気の無い部分を除去したためとされる。



二つ目。「碧地金銀絵箱」の蓋表の模様です。
中央に一対のインコが花をくわえる姿が描かれ、その上下に一対ずつ花喰い鳥を配置している。
このような図柄は、はるかペルシアから来たようである。



三つ目。「十二支八卦背円鏡」(十二支及び八卦文様の鏡)は正倉院に伝わる56面の鏡の中で重量は最大のものだそうである。
鏡の背面の中央には、伏した獣の形をした紐を通す孔(あな)がある。
その外側の四つの円周に、四神(青龍、朱雀、白虎、玄武)、八卦文、十二支、葡萄唐草文帯を配している。
なかなか見事な鏡である。

後は、11月14日までありますので、是非見てきてくださいね。

昨年の正倉院展の訪問記ブログもご覧下さい。

なんとシンデレラの靴が正倉院展にあった?!