竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

コミックの元祖:高山寺「鳥獣戯画」を見てきました!

2014年10月25日 | 民話
今、「クール・ジャパン」と持て囃されているのは
アニメ、 ゲーム、 J-POP、 コスプレ。

それらの起源をたどると、
コミックの元祖「高山寺の鳥獣戯画」にたどり着く。

先日、その絵巻の実物を見てきました。


京都国立博物館展覧会場入り口

平安時代にこんなに動物を生き生きと描いていたなんて、驚きです。
このような日本の伝統が、今日の漫画、コミックに生かされているのがよく分かりました。

「鳥獣人物戯画」は、甲乙丙丁の4巻からなりたっています。

甲巻には、兎と蛙、猿が、水遊び、相撲、射的などをして遊ぶ場面が描かれています。
乙巻には、馬・牛のほか、麒麟、龍など伝説上の生き物が描かれています。
(以上、平安時代制作)

丙巻には、人間が勝負事をして遊ぶ様子、後半には動物が人間のように振る舞っている姿が描かれています。
丁巻には、僧侶、貴賤、老若男女が仏事や騎射などの技比べをしている様子が描かれています。
(以上、鎌倉時代制作)

高山寺は、奈良時代に創建され、鎌倉時代に明恵上人が後鳥羽上皇から土地と建物を与えられ、
次第に大きくなったそうです。いわば、今風にいうと、「大学と国会図書館」の機能を持っていたようで
さまざまな貴重な文書、宝物も所蔵されています。
この展覧会では、もちろんそのような文書、絵伝などもみることができました。

当日は、昼から行ったのですが、博物館を出ると、日もどっぷりと暮れ、
京都タワーと夕焼けも楽しむことができました:


鳥獣戯画展は11月24日まで展示されています。
下記サイトをご覧ください:
京都国立博物館HP


ぜひ、皆さまもこの機会をお見逃しのないように!

今日のブログは、展覧会の話題でした。

では、来週まで御機嫌よう! さようなら!


奈良町『たまゆら』音楽祭(11月9日)にナーミン・テラーが出演し奈良の民話を語る!

2014年10月18日 | 民話
一昨日には富士山に初冠雪が見られました。

富士吉田市の上空から見た富士山(10月17日毎日新聞より)

いよいよ冬に向かいますね。
皆さん、お元気ですか?

今日は、奈良県大芸術祭の話題です。

奈良町たまゆら音楽祭に
今年は、なんとわが「ナーミン・テラー」(奈良の民話を語りつぐ会の語り手)が参加します。

先ずは案内プログラムをごらんください:


見やすいポスターはこちらをクリックしてください。

奈良県大芸術祭参加
第2回奈良町『たまゆら』音楽祭

日時:11月9日(日)正午より
会場:奈良町物語館

奈良サウンドを奏でるアマチュア音楽祭です。
その合間に、奈良の民話の語りがあります。

ナーミン・テラーが語るのは次の4話です。

1.園生姫のはなし
2.ふしぎな旅人
3.十三鐘の石子詰め
4.北林のたぬき
『村上郁再話 子どもと家庭のための奈良の民話』より)

市民に知られたイベントにナーミンのメンバーが
参加できることになり、とてもうれしいです。

ぜひ、ぜひ、皆さまもご参加して、盛り上げてください!!

今日は、ナーミンの参加するイベント情報でした。

では、来週までお元気で!


グリム記念講演:三成美保「前近代ドイツにおける『家』とジェンダー」・11月15日・武庫川女子大学

2014年10月11日 | 民話
今日は、グリム童話刊行200年記念講演会のお知らせです。

グリミンのメンバーによって科研費による研究(代表:野口芳子)を行っています。
研究課題は「グリム童話を中心とするドイツ伝承文学とジェンダー」です。

昨年秋には独文学会でシンポジウム「グリム童話とドイツ伝承文学における父親像と母親像」をしました。
詳しくは下記のサイト参照。
グリム・シンポ・北大

そして、今年は、ドイツ法制史をジェンダーの視点から研究されている三成美保(奈良女子大学)先生に
ご講演いただくことになりました。

以下にその案内をいたしますので、ぜひ、ご参加ください。

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グリム童話刊行200年記念講演会

日時:11月15日(土) 13時―14時30分 その後茶話会

会場:武庫川女子大学 鳴尾キャンパス C館-708
道順:阪神電鉄・梅田→(急行10分)→尼崎→(普通10分)→鳴尾→(徒歩7分)→大学
   案内地図は下記サイトをご覧下さい。
   交通アクセス

演題:「前近代ドイツにおける『家』とジェンダー」

講師:三成美保(奈良女子大学研究院生活環境科学系教授、ジェンダー法学会副理事長、ジェンダー史学会理事、日本ジェンダー学会理事)

後援:武庫川女子大学女性学研究会、グリムと民間伝承研究会


(家族像、G.アダム、1830年以前)

本講演会は日本学術振興会科学研究費補助基盤研究C給付による研究グループへの、専門的知識供与として企画されたものである。
(研究代表者:野口芳子、課題研究番号:24520379、課題研究題目「グリム童話を中心とするドイツ伝承文学とジェンダー」)

問い合わせ先: 武庫川女子大学文学部英語文化学科教授 野口芳子 ☎ 0798-45-9748
noguchiy@mukogawa-u.ac.jp   参加費無料、事前申し込み不要、参加資格なし。

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今日のブログは、グリム童話刊行200年記念講演会のお知らせでした。

来週まで、御機嫌よう!  さようなら!



『グリム童話初版第2刷全2巻』が日本の古本市場に出回っています。なんと1620万円!

2014年10月04日 | 民話
皆さん、今日は耳寄りな情報を!

グリム童話の初版、第1巻は1812年に900部印刷され、刊行されました。
紙の紙質が良くないので、現存する本は少なく、1965年に時点で書籍愛好家の間で150万円の値がついている。
そして第2巻は1815年に出版されました。

グリム童話の各版の解説は下記のブログをご覧ください。
グリム童話ミニ講義1



これは初版の第1刷で、グリム兄弟の弟ヴィルヘルムが所持していたもののレプリカです。
グリム兄弟生誕200年祭の1986年に復刻されて、
その際、私が奈良教育大学で公費購入したものです。もちろん大学図書館で見れますよ。
(確か全2巻で当時3万円ぐらいしました。)
これは、グリムの所持本の複写本ですから、
グリムがのちに書き込んだメモも残っており、とても貴重な本です。
ですから、オリジナル本は、世界記録遺産に指定され、
カッセルのグリム兄弟博物館に保管されています。

詳しくは下記ブログをご覧ください:
グリム童話ミニ講義3

以上のグリム童話初版は第1刷(初刷)ですが、
それぞれ第2刷も刷られています。

その初版第2刷全2巻がなんと現在、日本の古本市場に出回っています。


これが、グリム童話初版第2刷全2巻(first Edition, second issue.1812-15, Berlin)です。
もちろん、どなたかが所蔵されていたオリジナル本ですので
いかにも200年の経過を感じさせています。
雄松堂書店の「在庫本ニュース」(2014.9.)で見て
とても貴重な本なので、買おうかなと思って
お値段をみると、

なんと1620万円(消費税8%込)でした。手も足もでません。
きっと、どこかの大学が貴重本として買われないかと、期待しています。

それとも、どなたか家宝として、消費税10%に引き上げ前に買われませんか?!


今日は、グリム童話初版の古本情報でした。

では、来週まで、お元気で!  さようなら!