竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

グリム童話誕生200年記念出版:大野寿子編 『カラー図説 グリムへの扉』(勉誠出版)刊行!

2015年06月27日 | 民話
今日のブログは新刊情報です。

グリム童話の初版が出来てちょうど200年の年、2012年に
カッセルのグリム博物館長のラウアー先生とマールブルク大学教授のツィンマーマン先生を招いて、
グリミン(グリムと民間伝承研究会)の野口、大野、溝井の3先生と共に東洋大学でシンポジウムを開催しましたが、
その時の発表を中心に、さらに、高橋、田口、西村の3先生に寄稿いただき、
このたび書籍としてまとめました。

大野寿子編 『カラー図説 グリムへの扉』(勉誠出版)です。A5判・並製 352 頁 本体2,400円




世界でもっとも有名な童話集へ誘う決定版ガイドブック!

学術的に緻密でありながらも、一般にも分かりやすく、カラー図版満載です。

紀伊国屋書店、ジュンク堂書店などで実際に手に取って見てください。


グリム兄弟の生涯、グリム童話と挿絵、グリム童話と世界の昔ばなしなど
最近の研究に基づき、図版を見ながら、楽しく学べますよ!

オール・カラーで350頁で2400円(税別)とは安いと思いません?


-----目次より---------------------------------

序章 グリムへの誘い 大野寿子(東洋大学准教授)

Ⅰ章 グリム兄弟の人物像をたどる
 グリム兄弟と故郷ヘッセンとの相反的な関わり ハルム‐ペア・ツィンマーマン(チューリヒ大学教授・スイス)
 「子どもと家庭」に込められたグリム兄弟のメルヒェン観 田口武史(長崎外国語大学教授)

Ⅱ章 グリム童話と挿絵の歴史をたどる
 『子どもと家庭のメルヒェン集』200年―グリム童話の挿絵と影響の歴史 ベルンハルト・ラウアー(グリム兄弟協会理事・ドイツ)
 挿絵からみたグリム童話―日本における西洋の影響 西口拓子(専修大学教授)
 19世紀西洋視覚とジャポニスム―挿絵の世界は切られてなんぼ 高橋吉文(北海道大学名誉教授)
 明治期におけるグリム童話の翻訳と受容―初期の英語訳からの重訳を中心に 野口芳子(武庫川女子大学教授)
 グリム童話と比較民話学 竹原威滋(梅花女子大学客員教授)

Ⅳ章 グリム兄弟博物館の歴史を
 カッセル・グリム兄弟博物館1959-2014 ベルンハルト・ラウアー
 グリム兄弟博物館ポスターギャラリー

Ⅴ章 参考資料
 参考資料①グリム童話を学ぶ人のために 竹原威滋
 参考資料②『子どもと家庭のメルヒェン集』(1857年第7版)
 参考資料③『子どもと家庭のメルヒェン集』(小さな版)
 参考資料④『ドイツ伝説集』(1816~18年第1版)

おわりに  大野寿子

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私の担当した箇所は「グリム童話と比較民話学」と巻末の「グリム童話を学ぶ人のための文献目録」です。

「グリム童話と比較民話学」では、日欧における民話比較学の歴史を通観しました。

また、巻末のグリム文献表は、気合いを入れてまとめました。
現在の日本におけるグリム研究をカバーしているのではないかと思っております。

詳しくは、出版社のHPを見てください。

最後に、編者の大野寿子先生、勉誠出版の堀郁夫さんのご苦労に感謝します。


ではまた、今日のブログは新刊情報でした。

では、皆さま、来週末にまた、ブログでお会いしましょうね!





春の民話祭り2015:大和民俗公園内 旧臼井家住宅:盛会・多謝!

2015年06月25日 | 民話
今日のブログは、「春の民話祭り」についての報告です。

ナーミン(奈良の民話を語りつぐ会)主催の民話祭りは
年に1回、夏に開催していましたが、
今年から、春、夏、秋の年3回、開催予定です。

今年初の「春の民話祭り」を大和民俗公園内 旧臼井家住宅で
先週末、6月21日に開催しました。

感謝をもって皆さまに報告いたします。


大和郡山の県立民俗博物館の大和民俗公園内には風車小屋があります。


菖蒲園では、ハナショウブが見事に咲いていました。


大和民俗公園内の古民家「旧臼井家住宅」、民話祭りに集う人々。
プログラムに見入り、開催を待つ人も。 今年から幟も新調しました。



「中将姫」を語るナーミン・テラーと聴き入る人々。


畳の間も椅子席も満杯! 延べ70人近くの人々が集う。


新作紙芝居「へびがかえるをのむわけ」に大人も子どもも大爆笑!

民話・昔話の語りには、古民家はぴったり。

遠いところ、はるばる聴きに来てくださった皆さま、ありがとう!!

スマホやネットに余念のない若者よ、
たまには、ひと昔まえには、どこの家庭でも見られた「のどかな語りの文化」に触れてください。

次回は、「夏の民話祭り」、奈良町物語館で 8月7日(金)に開催予定!

また、近づいたら、このブログでお知らせします。

次回は、2日後の今週末、定例ブログでお会いしましょう! お楽しみに!



紙芝居「へびがかえるをのむわけ」:奈良のむかし話を伝承する会:第4弾発行!

2015年06月20日 | 民話
今日のブログは、奈良のむかし話絵本の紹介です。

このほど 新作紙芝居「へびがかえるをのむわけ」が「奈良のむかし話を伝承する会」によって刊行されました。



この作品は、「平成27年度キリン・子育て応援事業」に採択され、
公益財団法人「キリン福祉財団」の助成を受けて制作されたもので、
先日 奈良県内の公共図書館へ寄贈されました。

ご希望の方には実費(\1,800)でお分けするとのことです。
連絡先:奈良のむかし話を伝承する会
    代表 河瀬 紀江 電話:0742-47-5940

-----紙芝居あらすじ------------------------

昔、あるところにシャベラというおしゃべりな蛙が住んでいた。
ある年、ひどい日照りが続いたが、シャベラの住む泉に
だけは水も食べ物もあった。
威張っているシャベラのところへ、
蛍・なめくじ・みみずが食べ物の相談にきた。
おしまいに来た蛇に、シャベラは調子に乗って
「俺の尻なと ねぶっとけ」と言ってしまう。
それからは、蛇は蛙を見ると、とびついて尻からのみ
こむようになったということだ。

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「奈良のむかし話を伝承する会」では、
今まで 奈良市市民企画事業として紙芝居3部作(①良弁杉②いうなの地蔵③帯解の龍)
を制作されています。



この三部作は奈良市により市立保育園・幼稚園・小学校・図書館などに無償配布され、
奈良に伝わる民話・伝説をたくさんの子どもや大人に伝えることができました。
今後とも、奈良の紙芝居を作り続け、奈良のむかし話を
できるだけ多くの人に楽しんでいただき、
“伝統文化”を伝承していきたいとのことです。

紙芝居「へびがかえるをのむわけ」は、
明日の「春の奈良民話祭り」(大和民俗公園内 旧臼井家住宅 13:30~)でも
お披露目されます。
詳しくは、下記サイトをご覧ください。
「春の奈良民話祭り」ポスター 「春の奈良民話祭り」のブログ

奈良新聞のイベント情報にも載せていただきました。


ご都合つけば、明日、大和郡山の民俗公園の奈良民話祭りにいらしてくださいね。

今日は、紙芝居のご紹介でした。

梅雨のシーズンに入りました。
みなさま、お元気で!
また、来週末にブログでお会いしましょう!

日本昔話学会 2015年度大会「声の文化を語りつぐ」立命館大学・7月11日 (土) ~ 12日 (日) 開催!

2015年06月13日 | 民話
みなさま、お元気ですか?

先週末に日本口承文芸学会が國學院大學渋谷キャンパスであり、
高木昌史先生の講演「比較民話学のすすめ―柳田國男のグリム研究再考―」を
聴いて来ました。

会場に行く途中、渋谷のある住宅街で見事に咲き乱れる紫陽花(あじさい)を見つけました!



梅雨の合間の風景です。東京・渋谷でこんな花に出くわすなど、思いもしませんでした!


 さて、さて、今日は、昔話学会の案内です。

会場は、鵜野祐介先生が事務局の立命館大学です。

1日目の午後の講演は、「北海道の民間説話を探る」と題して元北星学園大学教授の阿部敏夫生です。

二つ目の講演は、中国の昔話研究の第1人者、百田弥栄子先生です。
テーマは「中国の伝承曼荼羅模様」です。

そのあと、「かんさい語り部横丁」と題して昔話の語りがあります。
大阪府 昔ばなし語りべ集団   南数美・辻口恵美子
兵庫県 姫路おはなしの会    小栗栖真弓
奈良県 長尾にじの子教室お話会 吉川紗代


2日目の午前の研究発表は、瓜子姫 異類婚姻譚などをテーマにした興味深い発表もありますよ。

午後のシンポは、「声の文化を語りつぐ」をテーマに
多彩な顔ぶれで、これも楽しみです。
昔話を聞くこと、語ること          黄地百合子
語りの記憶と表現     国学院大学教授  花部英雄
伝承の語りと新しい語り  日本民話の会会長 立石憲利


詳しくは、次のプログラムをごらんください。



学会のHPでもご覧になれますよ。


今回は、会場が京都の立命館大なので、関西の方には近いですね。

是非、いらしてください。

ではまた、今日のブログは学会の案内でした。

では、皆さま、来週末にまた、ブログでお会いしましょうね!

朝日カルチャくずは:グリム童話誕生200年記念講座パートIV:グリム童話はなぜ万人に好まれるのか?

2015年06月06日 | 民話
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

さて、今回はいつもブログを見てくださっている方々に
一足先に、早や、夏7月からの公開講座のご案内です。

朝日カルチャーセンターの「くずは」教室で
「グリム童話と昔話の世界にようこそ!」のパートIVを開講します!

よろしければ、ぜひおいでください!


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朝日カルチャ・くずは教室 2015年7月~9月期講座

■講義名:グリム童話と昔話の世界にようこそ!
―グリム童話はなぜ万人に好まれるのか? その秘密を解き明かす! ―



■講師:梅花女子大学客員教授                
    奈良教育大学名誉教授   竹 原 威 滋

■講義内容:
グリム童話200話が誕生して今年はちょうど200年目に当たる。
それを記念して、世界の子どもたちに今なお愛されている世界の昔話の中から
「灰かき娘」、「三匹の子ぶた」、「命の水」を取り上げて、
世界各地に伝わる昔話の面白さの秘密をさぐる。

■日時: 第3金曜 15:30~17:30  3回 (7月17日、8月21日、9月18日)
 
■受講料(税込):  会員 7452円 (3ヶ月3回・税込)
           一般 8424円 (3ヶ月3回・税込)
 1回受講可! 受講料:会員・一般とも  2808円(税込)

■カリキュラム:
7月17日・・・★伝説と昔話はどこがちがうの?
           グリムの伝説『かもしか撃ち』とスイスの昔話『灰かき娘』めぐって
8月21日・・・★昔話は残酷なの?
           イギリスの昔話『三匹の子ぶた』の絵本をめぐって
9月18日・・・★日欧の昔話では自然観がどうちがうのかな?
           日本の昔話『なら梨とり』とグリム童話『命の水』をめぐって


詳しくは下記のサイトをご覧ください:
夏期:パートIV
公開講座なので、好きなテーマの日、1回だけでも参加OKです。

現在開講中の春期パートIII:次回6月19日:のサイトもご覧ください。


「奈良の民話を語りつぐ会」、「平城西女性セミナー」、「藤井寺お話ころりん」の方々には少し遠いですが、
グリム童話を系統的に学んでいただくには良い機会です。

「とぶアヒル」の会員の方々はじめ高槻・茨木・枚方・京田辺の近辺にお住いの方、
ぜひ、いらっしゃってください!


今日は、カルチャーセンター講演のご案内でした。

皆さん、来週まで、御機嫌よう。 さようなら!