竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

奈良の洒落た商店街はなぜ「餅飯殿」っていうの?

2010年04月20日 | 日記
平城遷都1300年、そろそろ祭りの本番ですね!
奈良にも多くの観光客が訪れるでしょう!
もちろん、「ひがしむき商店街」や「もちいいどの商店街」にも
多くの人が来るでしょう!
なんで、「もちいどの」て言うの?
案外その由来を知らない人もいるでしょう!

それにはこんな話があるんですよ。


  役行者が大峰山を開山して二百年くらいたった頃のことや。
  大峰山中の阿古滝に、大蛇が棲んでいて、修行にくる人たちに悪さをしたんやて。
 それで、登って来る人がほとんどなくなって、霊場はさびれてしもうた。
  この時、大峰山中興の祖、理源大師が、「大蛇を退治せよ」という勅命を受けてん。
 理源大師は、奈良に住んでた大峰山の先達(せんだつ)箱屋堪兵衛を呼んで、
 助けてもらうことにした。
 堪兵衛は、たいへんな力持ちで、勇気もあり、大法螺貝を吹き鳴らすことができてん。
  二人は大蛇をおびきだした。
 理源大師が法力を使うて大蛇を呪縛し、その大蛇を、堪兵衛が刀でまっぷたつにしてんて。
 それで、大峰山霊場はにぎわいを取り戻すことができたんや。
  この箱屋堪兵衛は、奈良から理源大師を尋ねるとき、
 いつも理源大師の大好きな餅飯をお土産に持って行ったんやて。
 そこで、理源大師は、おもしろがって、堪兵衛を餅飯殿と呼んでた。
 この堪兵衛、つまり餅飯殿が住んでた所を、餅飯殿と呼ぶようになったということや。

    原話資料:進藤秀樹・竹原威滋・丸山顕徳編 『奈良市民間説話調査報告書』 
    再話 : 村上 郁


上の写真は箱屋堪兵衛が住んでいたといわれる建物です。
どこにあるかというと、東向き商店街から三条通に出て
すぐ左手の餅飯殿商店街に入るところで、左右を見てください。
確か、右手がお餅屋さんで、左手にはコンビニがあります。
餅飯殿商店街を中に入って、少し歩くと、左手の最初の路地の角で立ち止まってください。
その角の建物を写したのがこの写真です。
確かに「ならまち長屋、餅飯殿箱屋」と表示してあるでしょう!
それからその路地に入り、数歩行くと、左手に
餅飯を売ってるお店があるよ!
アイスクリームの看板もあるので、すぐ分かります。
是非、そこで餅飯を食べて、この民話を体感してくださいね!
それから、路地を先に歩いて行くと、猿沢池に出ます。

この続きは、また、次のブログに書きます。
お楽しみに!

2010.4.20.        竹原威滋

追伸:
このところの寒暖の激しい不順な天候で風邪をひいていたので
ブログが途絶えていてすいませんでした。






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