竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

グリム童話卒論発表会案内2月5日開催!/若草山焼き・きれい!

2012年01月29日 | 日記
毎日、寒い日が続いていますね。

昨夜は、学園前の知り合いのお家の3階から若草山の山焼きを見ました!
コタツにあたりながら、暖かいスープをいただきながら、ちょっぴり贅沢な見物でした。

窓ガラス越しにベランダから撮った写真、3葉、お見せしましょう!







少し遠くからでしたが、それなりに花火を楽しみました。

うまく若草が焼けたようなので、今年は佳い年となるでしょう!


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さて、今日は、研究会のご案内です。

グリムと民間伝承研究会(略称:グリミン)第54回例会が
2月5日武庫川女子大学であります。

先ずは、案内をご覧ください!

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★グリムと民間伝承研究会(グリミン)★第54回例会案内★

新春を迎え、皆さま、お元気でいらっしゃいますか。
今年こそ、自然災害や事故のない、そして平和な年でありますように。

★今回は武庫川女子大学の野口ゼミの学生8名と関西大学の浜本ゼミの
 学生1名に発表してもらうことになりました。
 関西学院大学、梅花女子大の院生たちも聴きにきてくださるようです。
 是非、若い学生たちの斬新な発表を聞いて、励ましてあげてください。

            記

●日時: 2012年2月5日(日)午前10時~午後5時
     (時間厳守:早めにお出でください) 
     (昼休みが短いので、必ずお弁当をご持参ください)
●場所:
 武庫川女子大学 鳴尾キャンパス MM503教室(マルチメディア館 5階)
〒663-8558 西宮市池開町6-46 文学部 野口芳子研究室 0798-45-7948
●道順:
 阪神電鉄・梅田→(急行10分)→尼崎→(普通10分)→
 鳴尾→(徒歩7分)→大学
  案内地図は下記サイトをご覧下さい。
  アクセス・地図
●内容: 各自、発表20分、質疑など10分 計30分です。

■10:00~12:40 発表・午前の部
10:00-10:10   グリミン研究会のご案内 グリミン世話人 竹原威滋 
10:00-10:30   開会挨拶:今年の卒論の紹介  指導教授 野口芳子
武庫川女子大学 野口ゼミ生
1.10:30-11:00 グリム童話における「子ども」について 齋谷瑠璃
2.11:00-11:30 グリム童話における「美しさ」について 國村悠喜
3.11:30-12:00 グリム童話における3の数字について  高野芙美加
4.12:00-12:30 グリム童話における「異類婚」について 志野有加

■12:30~13:30 昼食(出席者紹介)
日曜日ですので、大学食堂も休みです。買いに行く時間がないので、
★各自、弁当・お茶をご持参ください★

■13:30~15:00 発表・午後の部 I
5. 13:30-14:00 明治期に翻訳されたKHM5「狼と七匹の仔山羊」の受容について 木虎晴香
6.14:00-14:30 グリム童話における「月」について  廣川亜沙美
7.14:30-15:00 グリム童話における『金持ち』について 西田あずさ

■15:00~15:30 ティー・タイム休憩

■15:30~16:30 発表・午後の部 II
8.15:30-16:00 グリム童話「ホレばあさん」について
  ―最初の英語訳'Mother Holle'との比較― 金岡ほなみ
関西大学・浜本隆志ゼミ生
9.16:00-16:30 昔話の死のリンゴ―死のリンゴを食べることの意味 嶋田諒子

■16:30~17:00  総合質問および総括


日曜日なので、18:00 までに大学退出を厳守です。
時間厳守で始めますので、9時50分には集合してください。
よろしくお願いいたします。

★世話人
  池田香代子 野口 芳子  竹原 威滋

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グリム童話に関心がある皆さま
おはなしに興味のあるみなさま
ナーミンのみなさま

現代の学生たちがグリム童話についてどんな卒論を書いているか
聞いてみたくはありませんか?
9人に学生がすべてグリム童話をさまざまなテーマで発表します。
よろしかたら、是非、いらしてください!




★グリム童話ミニ講義2★なんとグリム兄弟が聴き書きしたお話のメモが今も残っている!

2012年01月23日 | 日記
今年は、グリム童話初版が出版されて、ちょうど200年です。
そこでグリム童話を話題にしたブログを時々載せます。
その初回は昨年12月5日のブログでした。そこではグリム童話の初版の成立事情を話しました。

今回は、その出版の前のグリム兄弟の民話調査、フィールド・ワークのエピソードを話しましょう!
なんとグリム兄弟が聴き書きしたお話のメモが今も残っているのですよ!
それを先ず、載せましょう!



この聞き書きメモは、1808年にグリム兄弟の弟ヴィルヘルムが、カッセルの「太陽薬局」を経営するヴィルト家の
次女グレーチヒェンから聴いて書き留めたものです。
当時ヴィルヘルムは22歳、グレーチヒェンは21歳でした。
聴いたお話は、「ねことねずみについて」です。
グリム童話では2番目に入っている「猫と鼠のとも暮らし」にあたります。

もう一度、メモをよく見てください。
初めにそのタイトル Vom Ka"tzchen und Ma"uschen が下線を引いて書かれています。
よく見ると、かろうじて読めますよね。

それでは、お話を拙訳で掲げましょう!

 猫と鼠がいっしょに所帯を持って暮らしていました。
そしてふたりは冬に備えて脂(あぶら)の入った小さな壺を買いました。
そして、教会の祭壇の下に置いておきました。
その後まもなく猫は鼠に「洗礼に立ち会って名付け親にならなければならないから、
行かせてくれないか。」と言いました。
そこで鼠は「いいわよ」と言いました。
 ところが猫は教会に行くと、脂の壺の上皮をぺろりとなめてしまいました。
猫が家に帰ってきたとき、鼠は「子どもはなんて名前になったの?」と尋ねました。
「うわかわぺろり」と、猫は答えました。
 それからまもなく、猫は「また名付け親にならなければならないのだ。」と言いました。
そしてまた教会に行き、脂の壺の半分まで食べてしまいました。
そして鼠が「子どもはなんて名前になったの?」と尋ねたとき、
猫は「はんぶんぺろり」と答えました。
 最後にもう一度、猫は名付け親になるため教会に行くことになったのですが、
鼠は猫を行かせたくなくて、とても思案して
「うわかわぺろり、はんぶんぺろり、いづれも奇妙な名前ね。」と言いました。
ところで猫は脂の壺をすっかりなめつくして、家に帰ると、
「子どもは、ぜんぶぺろりという名前になったよ」と言いました。
すると鼠は頭を強く振りながら「ぜんぶぺろり、まあ、それは意味ありげな名前ね」と言いました。
 まもなく冬が来て、ふたりは教会の祭壇の下に隠しておいた脂の壺のところに行ってみると、
壺は空っぽでした。そこで鼠は「あんたがぺろりとやったのね。名付け親になると言って出かけたのに。」と
言いました。そこで猫は「黙れ! でないと、お前を食べてしまうぞ!」と言いました。
そして、鼠がまさに口を開いたとたんに、猫は鼠にとびかかり、呑み込んでしまいました。
                          ― 口伝えによる ―

以上がヴィルヘルム・グリムの聴き書きメモです。
彼自らが最後に「口伝えによる」と書いていますが、
グレーチヒェンから聴いたメモだけあって、素朴な荒削りな文体です。

それが、4年後にグリム童話初版として文字で読むテキストになると
文体が整えられ、読みやすくなっています。

初版(1812年)テキストは、日本語訳も出ていますので、実際に読み比べてみてくださいね。

★グリム童話ミニ講座第2回★はこれでおしまい! 次回もお楽しみに!

柳生民話地図の試行版ができました!!!

2012年01月16日 | 日記
いままで、「奈良町民話地図」、「吉野民話地図」を作成してきましたが、
この度、第3弾として「柳生民話地図」を作成しました。
その試行版をブログで特別公開します。



柳 生 民 話 地 図
YAGYU FOLKTALES WALKING MAP ©2012
発行: 奈良教育大学「地域と伝統文化」教育プログラムまほろばプロジェクト
監修: 奈良教育大学 竹原 威滋(特任教授)、青木 智史(特任講師)
作画: マスダケイコ、山崎彩乃
再話: 村上 郁

地図の裏面には次の9話を掲載します。

①柳生石舟齊と一刀石(柳生)
②おふじ井戸(阪原)
③十兵衛杉(柳生)
④広岡の腰痛地蔵(広岡)
⑤茗荷の地名由来(茗荷)
⑥猿の肝(阪原)
⑦水間峠の地蔵(水間)
⑧天狗の石合戦(鍋倉渓)
⑨園生姫の話(月ヶ瀬)

地図には9話のカットが載っています。

拡大した地図を以下に載せますのでよく見てみてくださいね。



いずれのカットも、お話の雰囲気が出ていて、見ていて楽しいでしょ!

地図の左下には、『古事記』の編纂者:太安万侶の墓も入れておきました。

完成しましたら、大学のホームページにアップしますので、楽しみにしてください。
「柳生民話地図」は3月に発行予定です。

それまでは、「奈良町民話地図」「吉野民話地図」をご覧くださいね!


辰年年頭に「世界の龍の話」を読もう!

2012年01月09日 | 日記
14年前に比較民話研究会の方々と龍をめぐる世界の説話のアンソロジーを出版しました。
畏友丸山顕徳先生が東洋編を、私が西洋編を担当しました。
三弥井書店の吉田智恵さんが素敵な装丁の本に仕上げてくださいました。


京都花園妙心寺の天井画「雲龍図」(狩野探幽作)よりデザインしました。

妙心寺にある実際の「雲龍図」は見上げると、龍の眼光するどく、爪を立て、今にも舞い降りて、襲われそうな気分になります。
龍は仏教の守護者と考えられ、寺院の天井画としては、奈良の龍象寺、蓮長寺にも描かれています。

蓮長寺の龍も、あまり真実に描かれていたので、夜中には天井を抜け出して、近隣の田畑を荒らしまわったと伝えています。
お話「蓮長寺の龍」を参照ください。

さて、この本の案内をしましょう!
竹原威滋・丸山顯徳編『世界の龍の話』(三弥井書店刊)2200円

AMAZON古本情報

異界に住む想像上の動物「龍」をめぐり、広大なユーラシア大陸における様々な伝説や昔話を
各地の文化や地域的特徴を捉えた解説とともに紹介しています。

辰年の年頭に当たり、是非、『世界の龍の話』を読んでくださいね!

東洋編より
天狗に捕まった龍の話(今昔物語集)/天の神と竜宮の神(沖縄)/
虎が見つけてくれた「龍が遊ぶ明堂」(韓国)/龍女と三郎(漢民族)
緑桃村の龍母伝説(中国白族)/ブッダの龍退治(インド)/
尻尾を切られた龍(ペルシア)など。

西洋編よりの
ハンプシャーの龍伝説(イングランド)/空飛ぶ蛇(ウェールズ)/
魔法使いマイケル・スコットと白い龍(スコットランド)/ゲルデルンの怪物(ドイツ)/
龍ヶ岩に棲む龍と処女(ドイツ)/丘にいる龍(デンマーク)/
ヴイーヴル蛇のダイヤモンドの目(フランス)/バイヨルの騎士の龍退治(フランス)/
カタロニアの龍の洞窟(スペイン)/エレンスゲ(バスク)/子供とジャガー(南米)など。

タイトルを見ただけでもおもしろいでしょう!

辰年に当たり、出版社では近く増刷するそうです。よかったら、予約してみてください。

本日のブログは、辰年にあたり、龍の本のご紹介でした。

お屠蘇気分もこの3連休でおしまい。
皆さんも風邪をひかないよう、お仕事、勉学に励んでくださいね!

私の年賀状:龍のように飛躍の年に!

2012年01月01日 | 日記

2012年1月1日

奈良県民のみなさま!

ナーミン(奈良の民話を語りつぐ会)のみなさま!
奈良教育大、奈良大、梅花女子大、ハイデルベルク大の愛する学生のみなさま!
「なら・語りの入門講座」受講生のみなさま!
比較民話研究会のみなさま!
グリミン(グリムと民間伝承研究会)のみなさま!
【科研:超域する異界】のみなさま!

そして、このブログを開いてくださったあなたへ!


明けまして、おめでとうございます。

皆さまのご健勝とご多幸をお祈りいたします。
本年も、よろしくお願い申し上げます。

92歳の母とともに新年を迎えることができました。

今年3月で奈良教育大学の特任教授のお務めも終わり、
4月からは、ドイツ伝承文学の講義で非常勤講師として
梅花女子大と奈良大に出講するかたわら、
奈良の語りの文化の再生にとりくんでいきます。

奈良の民話を語りつぐ会代表  竹原威滋


以下は私の年賀状です。



そして、次のサイトは年賀ヴァージョンのホームページです。

竹原威滋HP