竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

『小学図書館ニュース』4月28日号・グリム童話特集見てください!

2012年04月28日 | 日記
少年写真新聞社から『小学図書館ニュース』が毎月3回刊行されているのを
ご存知ですか?

学校図書館も最近は「子ども読書活動」推進運動の気運もあって
施設が充実してきています。
登校して朝の15分は「朝の読書運動」をする学校も増えてきています。

また、学校図書館には写真新聞ニュースも掲示されています。
もちろん、読書を啓発するさまざまな掲示物もあります。

今日はそんな掲示物のひとつ『小学図書館ニュース』を紹介しましょう!


4月28日号はグリム童話特集です。

実は、この号の監修をさせていただきました。

是非、地元の小学校図書館で見てみてください。
あるいは、この機会に小学校で購読していただければ、うれしいです。

上記の写真はほぼB2判の大型ポスターです。

そこにはトップに

「読みつがれて200年 グリム童話
あの有名なお話もめずらしいお話も、全部グリム兄弟の作品」

とあり、その下に、

「ヘンゼルとグレーテル」
「ブレーメンの音楽隊」
「ワラと炭とそら豆」
「ガラスびんの中のばけもの」

の楽しい影絵や写真が載っています。

さらにその下にはグリム兄弟の伝記、グリム童話の絵本などが
写真付きで紹介されています。

きっと、子どもたちはこのポスターに惹かれて、
グリム童話を読んでくれること請け合いです。

さらにこのポスターには、学校図書館司書・教諭向けの付録が付いていて
次のような記事が載っています:

【巻頭読み物】グリム童話の世界を巡る  奈良教育大学 名誉教授 竹原威滋

【連載】科学はともだち 実験編6 金環日食を見よう  科学読物研究会 会員 坂口美佳子
【昔話まちがい探し】花さかじいさん
【書評】どっこい!理科系456のほん
【書籍プレゼント】応募方法

みなさん、関西では282年ぶりに「金環日食」が見れるのをご存知ですか?
5月21日(月)朝6時17分ごろかけ始め、7時28分から7時30分頃に約1分程度、金環日食になり、
8時54分ごろ日食が終了します。
奈良市の日食情報は下記のサイトを見てください。
奈良の日食予報

【連載】にはこのアップ・ツー・デイトな話題も載っているのです。

でも、みなさん、「太陽観測用フィルム」のついた「日食用メガネ」でみてくださいね。
今なら、文房具屋、大型電器店で売っていますよ!

今日のブログは、『小学図書館ニュース』の話題でした。

急に温かくなってきましたね! 汗をかいて風邪をひかないようにね!
では、来週土曜日にお会いします。



講演「昔話とメディア ― <いばら姫>をめぐって」 5月13日 精華町図書館 申込受付中!

2012年04月21日 | 日記
★退職後初めての講演会です。
 村上郁さんの語りとともにお届けします。


子どもと本の講座
「昔話とメディア(語り・絵本・アニメ)-グリム童話「いばら姫」をめぐって-」
日時 : 平成24年5月13日(日) 午前10時~午前11時30分
場所 : 精華町立図書館 1階集会室

詳しくはポスターを見てください。

申込方法は下記サイトをご覧ください。
精華町立図書館 子どもと本の講座

ネット社会に生きる子どもたちにとっても、音声による伝承文化にふれあい、
文字による読書に親しむことがとても大切です。
講演では、グリム童話初版出版から200年にちなんで、グリムの「いばら姫」を取り上げ、
語りを聴いて、絵本を一緒に読んで、さらにアニメを見て、
三つのメディアの体験を通して語りの魅力に迫ります。


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★実は、5月にもう一つ講演会をします。
  
 これは高槻市にある学習グループ「空とぶアヒル」主催の公開講演です。

「ドイツ・メルヘン街道とグリム童話の世界」 
日時 : 平成24年5月21日(月) 午前10時~午前12時
場所 : 高槻市総合市民交流センター

詳しくは下記サイトをご覧ください。
空とぶアヒル開講式

グリム童話初版出版から200年にちなんで、ドイツ・メルヘン街道を辿りながら、
グリム兄弟の人生とグリム童話の成立過程を紹介し、伝承メルヘンの魅力に迫ります。
「蛙の王さま」、「いばら姫」を事例に、
グリム兄弟がどのようにして「聴くメルヘン」 から「読むメルヘン」へ仕立て上げ、
今日世界の子どもたちに親しまれるに至ったかを お話しましょう。


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★三つ目の話題は学会情報です。


説話・伝承学会 春季大会
開催日:2012年4月28日(土)~4月29日(日)
会場:京都女子大学(交通アクセス

◎ 4月28日(土)
 公開講演 13:10~16:30
◇ 「やんばる」の歌と踊り   小林 公江(京都女子大学教授)
◇ 鴨長明の旅心―『方丈記』再読―   浅見 和彦(成蹊大学教授)
◇ 説話伝承の世界観   百田 弥栄子(中日文化研究所教授)

◎ 4月29日(日)
 公開シンポジウム 13:00~17:15
テーマ「親鸞伝の成立と伝承」
◇ 親鸞聖人絵伝の一作例―愛知・願照寺本を中心に―
          石川 知彦(龍谷大学龍谷ミュージアム教授)
◇ 親鸞伝の基軸―覚如宗昭の聖人像―
          沙加戸 弘(元大谷大学教授)
◇ 親鸞聖人の両親とその肖像
          小川 正文(同朋大学仏教文化研究所研究顧問)
 司会  阿部 泰郎(名古屋大学教授)

さらに詳しくは下記サイトをご覧ください。
説話・伝承学会 春季大会

講演、シンポ、いずれも一般に公開されていますので
興味のある方はどうぞお出でください。
わたしも参加していますので、来られたら、お声をかけてくださいね。


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★四つ目の話題

ホームページ「竹原・語りの文化研究所」をこのほど立ち上げましたが、
「奈良の民話地図」のサイトを増設しました。


■ 奈 良 の 民 話 地 図

ならまち民話地図 ⇒ 日本語版 英語版 独語版 中国語版 韓国語版 動画版

よしの民話地図 ⇒ 日本語版 英語版 独語版 中国語版

やぎゅう民話地図 ⇒ 日本語版

★ 奈良民話地図三部作 : 教育教材、観光用地図として自由にご使用ください! ⇒ ダウンロード 可
 Copyright (C) Mahoroba Project of Nara University of Eduction. All rights reserved.

是非、「竹原・語りの文化研究所」ホームページでご確認ください。


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今回のブログは講演二つと学会情報とホームページのリニューアルの話題でした。

「花冷え」というか、まだ肌寒い時があります。健康に気をつけてくださいね!



ホームページ「竹原・語りの文化研究所」を開設しました!/奈良教育大の弘法清水

2012年04月14日 | 日記
三月末で奈良教育大学を退職、
毎日が日曜日になりつつあります。

時間ができたので、
今までの大学のホームページに変わり、
個人のホームページを立ち上げました。

その名も「竹原・語りの文化研究所:Takehara Folklore Institut」と言います。
これから、末永くご愛顧のほどお願いします。

http://web1.kcn.jp/takehara-folklore/をクリックしてください。

まず、昨年の民話祭りの写真を2枚いれました。

そのあと、イベント情報として5月の講演の案内をしています。

後は、奈良の民話 、奈良の民話地図、メルヘン研究、研究会・学会と
各項目が続きます。

そして、奈良教育大学、梅花女子大学
最後に、これまでの公開講演等 です。

「奈良の民話を語りつぐ会」のホームページは、今は工事中ですが、
来週あたりに作成します。

ともかく、ホームページ内をサーフィンして見てください!
また、新たな発見があるでしょう。


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それはそーと、月曜日にはNHK第1ラジオの「関西ラジオワイド」の
「旬の人、時の人」を聴いてくださいました?
「十兵衛杉」、「13鐘の石子詰め」、「水間峠の地蔵」、「井光の井戸」、「弘法清水」などを
とりあげました。
つい口が滑って、奈良教育大にも「弘法清水」があると口走ってしまいました。
春日山の原生林からの伏流水なので、おいしいミネラルウオーターにできるかも。
今日は大学図書館前の「弘法清水」と満開の桜をとってきました。
見てください。


手前右手が「弘法清水」、奥の建物が図書館と満開の桜

では、次回土曜まで、お元気でね!



野口芳子『卒論を楽しもう―グリム童話で書く卒論―』刊行!/竹原がNHK 第1ラジオ4月9日夕方出演!

2012年04月07日 | 日記

このほど、野口芳子先生が『卒論を楽しもう―グリム童話で書く人文科学系卒論』を 
武庫川女子大学出版部から出版されました。




このブログでも何回かグリミン例会の案内をしてきましたが、
その中で野口ゼミの卒論発表会のプログラムをご覧の方もおられるでしょう。

野口先生は、毎年約20名の卒論生を指導されてこられました。
先生の卒論指導はとても丁寧で、野口ゼミに入ってきた2回生の段階からテーマ選びのヒントを与え、
その後3年間にわたって指導されるのです。
4回生の9月下旬から12月上旬にかけて学生は3度、原稿を提出し、
野口先生の3度の査読を通してよりよい卒論に仕上げていくのです。

本書は、卒論の書き方と実例、参考文献、評価方法などを紹介したもので、
グリム童話を題材に説明したものです。
野口ゼミ生が実際に書いた卒論をもとに説明しているので、
これから卒論を書く学生さんには是非お勧めしたい必読書です。
また、グリム童話研究者や愛好者にとっても、読み物としてとても面白い内容になっています。

下記のサイトもご覧下さいね。
Amazon.co.jp:卒論を楽しもう-グリム童話で書く人文科学系卒論


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前回のブログで案内したように
「ならまち」、「よしの」、「やぎゅう」の「奈良民話地図」三部作を制作、刊行しました。

そのことが注目されたのか、
このたびNHK第1放送の「関西ラジオワイド 旬の人・時の人」で取り上げられることになりました。
ナーミンの活動についても是非お話したく存じます。

4月9日(月)午後5時20分頃から30分のなま放送でインタビューを受けます。
ご都合つけば、お聞きください。
(当日のニュースなどの都合で時間が変更になるかもしれません。)
(その日が番組中止の場合は、4月13日(金)に延期になります。)


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それでは、野口先生の著書に話題を戻しましょう。

この本の中味を少し覗いてみましょう!
そのほんの一部を引用します。

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グリム童話をテーマとする意味について(本文6ページより)

 グリム童話は、アンデルセンの童話のように1人の作家が自分の想像力で創作した創作童話ではなく、
人々が伝承してきたものをグリム兄弟がまとめて編集した伝承文学である。
その中には、西洋の古代、中世、近代の人々の価値観が様々な形で交錯している。
現代人である私たちが理解できないところには、現代とは異なった社会や文化における価値観が反映している。
そこに焦点を当てると、主として西洋の古代や中世の人々の考え方や社会が垣間見えてくる。
それはまるで別世界のように、現代の我々とは異なった価値観をもった世界である。
その世界に触れると、今まで信じていた固定観念が揺らぎ、覆されてしまう。
自分の信じていたのはあくまで現代における価値観であり、普遍的価値観などではないということがよくわかる。
価値観とは時代によって社会によって変わるものであり、変更可能なものなのだ。

 伝承文学であるグリム童話の中に出現する「金髪」や「7」や「血」や「石」や「靴」や「星」や「ハシバミの木」や
「カラス」や「百合」や「13」や「魔女」や「悪魔」などは、現代とは異なった価値観をもっている。
グリム童話の中のそれらについて調べることによって、西洋古代や中世の価値観が見えてくる。
価値観の転換がなぜ起こったのか、いつ現代の価値観になったのか。
これらのことを調べることによって、自分自身の価値親を相対化して物事を客観視ずる能力が身につく。

 「学問する」とは本来、このような能力を身につけることだと思う。
一見、役に立たないようなグリム童話の研究が、自分を見つめ直す能力を養う。
つまり、人生において非常に有用な能力を身につけることになるのだ。
これは決して数値や資格で表すことができる能力ではない。
しかし、大学教育において身につけるべき能力である価値観の確立に寄与する大切な能力なのだ。

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以上で本日のブログはおしまい! また来週土曜日にお会いします。

「奈良町・吉野・柳生民話地図」が読売・奈良新聞に紹介される!/退職のご挨拶

2012年04月02日 | 日記

今年は、古事記編纂1300年、グリム童話出版200年、東西の語りの文化にとって記念すべき年です。
また奈良には、多くの神社・仏閣がありますが、それには案外知られていない物語が秘められています。
そのような語りの文化を奈良県下で調査した成果を未来に引き継ぐために、その教材化に取り組み、
このたび「ならまち民話地図」、「吉野民話地図」、「柳生民話地図」を刊行いたしました。
いわゆる、「奈良民話地図3部作」が完成です。
今回は3部作をまとめて公開します。


「ならまち民話地図」


「吉野民話地図」


「柳生民話地図」

併せて、奈良観光の活性化に寄与するため、外国人にも奥深い奈良の文化に親しんでいただくよう、
英語版、ドイツ語版、中国語版、韓国語版も順次作成中です。

これらの地図は、本学の授業(持続発展・文化遺産教育、異文化教育、伝統文化教育、小学校英語など)で教材として
使用する予定ですが、必要に応じて教育界および観光に携わる方々にも広くお分けいたします。

現在までに作成した民話地図のリストを掲げましょう:

 1.「ならまち民話地図」日本語版     6.「吉野民話地図」日本語版 
 2.「ならまち民話地図」英語版      7.「吉野民話地図」英語版
 3.「ならまち民話地図」ドイツ語版    8.「吉野民話地図」ドイツ語版 
 4.「ならまち民話地図」中国語版     9.「吉野民話地図」中国語版 
 5.「ならまち民話地図」韓国語版    10.「柳生民話地図」日本語版

  (注)表面の地図を見ながら、裏面の民話テキストをお読みいただけるように工夫して
     あります。

先日、奈良県記者クラブにお伺いし、情報をお伝えしたところ、
2012年3月28日の讀賣新聞奈良版と奈良新聞が記事として掲載してくださいました。

吉野や柳生「民話地図」奈教大・竹原特任教授ら制作 in 讀賣新聞奈良版

奈良町・柳生・吉野 民話の舞台 散策して - 奈教大特任教授が地図 in 奈良新聞

上記のサイトをぜひクリックして記事をお読みください。

紙面の関係で外国語ヴァージョンについては、両新聞社の記事には載っておりませんでした。

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【退職のご挨拶】

奈良教育大学特任教員(ドイツ伝承文学)の竹原威滋です。

私はこの3月末日をもって退職いたしました。

昭和47年4月に赴任して以来40年の長きに亘ってドイツ語教師として
奈良教育大学で教鞭をとることができましたことを幸せに思っております。

ここまで大過なく来られましたのも、皆様の支えと励ましがあったからこそと、
心から感謝しております。

これからの皆様のご健康とご多幸を、そして奈良教育大学の益々のご発展をお祈
り申し上げます。

長い間お世話になり、本当にありがとうございました。

2012. 4.1.     竹原威滋

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(追伸)
4月からは梅花女子大大学院でのドイツ伝承文学の講義・指導を担当するかたわら、
奈良における語りの文化の再生のため、市民ボランティア活動をする予定です。

また、奈良教育大学のHPに載せていた「竹原威滋のホームページ」も閉鎖しました。
今後は下記の個人HPをご覧くださいますようお願いいたします。 

竹原の個人HP: http://web1.kcn.jp/takehara-folklore/ 試行版開設中

なお、このブログは今後も週一度、書き続けますので、ぜひ定期に見ていただけると
ありがたいです。今までは月曜日に更新していましたが、
今後は、週末にゆっくり見ていただくため、原則毎週土曜日に更新いたします。

Brog: 語りの文化を楽しむブログ:http://blog.goo.ne.jp/namin_2010 原則毎週土曜日に更新

本日は、民話地図のご紹介と奈良教育大学退職のご挨拶でした。
次回は、4月7日(土)にブログでお会いいたしましょう!