竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

『子どもと家庭のための奈良の民話 第2巻:動物たちのはなし』が出版されました!

2013年10月26日 | 日記
『子どもと家庭のための奈良の民話 第2巻:動物たちのはなし』が出版されました!



第1巻の「人の世のはなし」の続刊です。

-------第2巻:出版情報------------

監   修:  奈良の民話を語りつぐ会 代表 竹原 威滋
再   話:  村上 郁
編   集:  青木 智史・竹原 威滋
デザイン : 青木 智史・マスダ ケイコ・山崎 彩乃
編集 協力:  小西 雅子・吉本 京       
定   価:  840円(税別)/ A5判 100頁
発 行:  京阪奈情報教育出版株式会社
       〒630-8325奈良市西木辻町139-6
発 行 日: 2013年10月31日

-------目 次-------------
 一、人と動物  
 二、きつねがいっぱい、たぬきもおるで  
 三、柳生の市窪ざる  
 四、鳥たちのはなし  
 五、へびのはなし  
 六、かえるのはなし  
 七、動物とちゃうけどな
 おまけ
--------------------------

目次をみただけでも、面白そうでしょ!
ぜひ、子どもたちに声に出して読んであげてくださいね。

第1巻を紹介した8月3日のブログもみてください。

続刊の第3巻は、「こわいはなし、おもしろいはなし」の予定です。

1巻:本格昔話(人間が主人公の話)、2巻:動物昔話、3巻:笑い話と怖い話 
これで三部作が完結の予定です。
あとしばらく、お待ちください。

台風一過、早く秋晴れが続くといいですね!
みなさん、お元気で!
また、来週、お会いします。


飯倉照平著『南方熊楠の説話学』(勉誠出版)刊行:柳田民俗学のルーツに触れる!

2013年10月19日 | 日記
今、私は、「グリム童話と比較民話学」というタイトルで小論を書いているところです。
今月末の締切論文で奮闘しているところに、『南方熊楠の説話学』が出たので、思わず読んでしまいました。



グリム兄弟がヘッセン地方で民話を集め、出版した際、ヨーロッパをはじめ、さまざまな資料を渉猟し、
グリム兄弟は、たえず比較の視点から自らのメルヒェンを見つめている。
「子どもと家庭のメルヒェン集」であるのに、初版から学問的な注を付けている。
その伝統の下、今日では、世界の伝承世界のなかでそれぞれのメルヒェンを位置づけることが可能になってきている。

よく言われることであるが、
シンデレラのルーツが中国にあると最初に指摘したのは、民俗学者の南方熊楠である。
9世紀の中国で書かれた『酉陽雑俎(ゆうようざっそ)』に出てくる「イェーシェン(葉限)」と言う物語である。

今回、飯倉先生の『南方熊楠の説話学』を読んで、なぜ、そのような発見に導かれたか、
その背景が、よく納得できた。

南方熊楠といえば、生物学者として粘菌の研究で知られているが、
アメリカに長年滞在し、ロンドンでは大英博物館に通い博学な熊楠は
フォークロアに関心を持ち、国境にとらわれない視点で説話を見つめていた。

熊楠は、1890年1月9日の日記に
「グリムス『フェーリー・テールス』を読む」と記している。

熊楠もグリム兄弟に関心を持ち、国際的な説話学をめざしていたのである。


長年、熊楠全集の校訂に携わり、中国民話を研究されてきた飯倉先生でなければ書けない
話題満載の本が、『南方熊楠の説話学』である。満を持して出るべくして出た本である。


柳田国男と熊楠の出会いからその後の微妙な人間関係なども読み取れる。
次の一文などを読むと、二人の考えが対照的なので、思わずニヤリとしてしまう。

「蛙が鳴かない池の由来」について、柳田が神の降臨とのかかわりで説こうとしたのに対し、
蛙は雌雄の情念が盛んになると鳴くが、深く冷たい池で性欲が静まれば鳴かないこともあるのだ、
と熊楠は説く。(本書147頁)

案外こんなところに二人の本質が垣間見れるのであろう。

また、こんなエピソードも披瀝されている。

晩年の柳田国男が民俗学を志した動機についてたずねられたところ、即座に
「それは南方の感化です。私のような官吏をしていたものが、こういうことをやるようになったのは、
まったく南方の感化です」と語ったという。(本書154頁)

もちろん、本書の読ませどころは、
「酉陽雑俎」、「日本霊異記」、「今昔物語」、「大蔵経」などに出てくる説話群の
世界的な視野での比較である。

なお、巻末には、熊楠が引用した中国書と大蔵経一覧、飯倉先生の熊楠にかんするお仕事の一覧が
載っており、今後の熊楠研究に役立つであろう。

ところで、以下の私の関連ブログもみてくださいね!
なんとシンデレラの靴が正倉院展にあった?!


今日は、新刊の紹介でした。

ようやく、台風一過、秋らしく、いや急に寒くなってきましたね。
みなさま、お元気で!


BSプレミアム『ワンス・アポン・ア・タイム』グリム童話などをベースにした現代ファンタジー!

2013年10月12日 | 日記
NHK・BSプレミアムで
誰もが知っているおとぎ話をベースとしたファンタジードラマ『ワンス・アポン・ア・タイム』が
9月19日からスタートしています。


BSプレミアム 毎週木曜日午後11時15分から全22回です。

ウォルト・ディズニー・カンパニー傘下のABCスタジオ制作したものですので
映像もきれいで、物語の構成もしっかりしています。
今まで4回みましたが、みなさんにも
おすすめしたいので、今日のブログで紹介します。

是非、来週木曜日17日の5回目からぜひみてくださいね。


------読売新聞10月10日のテレビ番組ガイドより---------------

白雪姫、赤ずきん、ピノキオ、ヘンゼルとグレーテルなど、
幸せになるはずだったおとぎ話の主人公たちは、
ある魔法の呪いで記憶を失い、白雪姫は学校の先生に、
赤ずきんはウエートレスに姿を変えるなどして、
時間が進まない街「ストーリーブルック」で暮らしていた。

一方、親を知らずにたくましく育ったエマ(ジェニファー・モリソン)は、
28歳の誕生日に突然現れた少年ヘンリーに導かれ、
ストーリーブルックを訪れる。
エマが街へ足を踏み入れた途端、止まっていた時間が動き始めた。
実はエマは、白雪姫の子どもだったのだ。



10日放送の第4話にはシンデレラが登場する。



番組の黒岩美香プロデューサーは、
「読み聞かせで使われるようなおとぎ話がエピソードとして登場するので、
親子で会話しながら楽しめる。読んだことがない話も、
これが読むきっかけになれば」と話す。

白雪姫はなぜ継母にあれほど嫌われていたのか、
赤ずきんのずきんはなぜ赤いのか。
おとぎ話の謎が徐々に明かされるのも新鮮で、
幅広い世代が楽しめそうだ。

第5話まで、ドラマの前後にワンスの扉」という解説ミニ番組が付くのも特徴だ。
速水もこみちが、ドラマの世界を分かりやすく案内してくれる。

-------以上 読売新聞記事より------------------------


また、スペシャル番組「魔法の国のミステリー 『ワンス・アポン・ア・タイム』の秘密」出演:関根勤、中川翔子
BSプレミアム 10月14日(月)午後10時30分~
をみると、どんな番組かよくわかりますよ。

詳しくは下記サイトをご覧ください。
NHK海外ドラマホームページ

中川翔子エンディング!NHK BS「ワンス・アポン・ア・タイム」ダイジェスト

今日のブログは、アメリカで1500万人以上の人が感動したファンタードラマの紹介でした。

ところで、15日から奈良教育大で「語りの講座III」が始まります。
定員に余裕がありますので、飛び入りでもどうぞ、おいでください。

「語りの講座III」

10月なのに、暑いですね。みなさま、お元気で!



北海道学会グリム・シンポジウムのおこばれ:富士山と札幌観光

2013年10月05日 | 日記
9月27日から30日まで北海道に行ってきました。
北大で開催されたグリム・シンポジウムに参加するためでした。
詳しくは、9月8日のブログを見てください。

27日関空から新千歳空港までANAの直行便で2時間でした。
当日はとてもいい天気で、窓側の席でしたので、
なんと、富士山を見ることができました。

  
ほら、翼の右下にうっすらと富士山が見えています。


望遠で撮りました。珍しい写真ですので、是非見ていただきたくて、載せました。
富士山は世界遺産になって、誇らしげに見えました。

さすが、富士山ですね。手前は日本アルプスの山々があるのですが、
雲海から顔を出しているのは、富士山だけでした。

29日午前中には、北海道大学で、シンポジウム「グリム童話とドイツ伝承文学における父親像と母親像」がありました。


私は、「『灰かぶり・千枚皮』の場合 ―東西の民間説話を巡って―」と題して発表しました。

シンポジウムが終わると、ホッとして、シンポのメンバーで、北大近くのカレー店に行きました。


13品目の夏野菜の「スープ・カレー」をいただきました。
スパイシーだがサラサラと食べやすく、すっきりとした味わいでした。
スープ・カレーは、札幌が発祥の地とは知りませんでした。

札幌観光といえば、先ず、時計台ですね。


札幌農学校の演武場として建てられ、学生達の兵式訓練の場であったそうです。
中に入ると、札幌農学校関係の展示がありました。

そこになぜか、NHKの大河ドラマ「八重の桜」のポスターがありました。



その謎は、以下の新聞記事を読んで融けました。


八重さんは、新島襄と札幌に来ていたのですね。

そして、大通り公園で名物トウキビを食べながら、テレビ塔を眺めました。



今日は、「北海道学会グリム・シンポのおこばれ:富士山と札幌観光」でした。

では、次週、ブログでお会いするまで、お元気で!

それはそうと、
奈良教育大の「語りの講座パートIII」受講希望のみなさま、
もう、申し込まれました?