昨日、正倉院展に行ってきました。
今回の見どころは、19年ぶりに出陳された螺鈿紫檀五絃琵琶でした。
その楽器は下記の国立博物館のホームページで観ていただくとして、
62回正倉院展
私が感激したのは、なんとシンデレラの靴が正倉院展にあったことです。
エー、そんなことはありえないと思うあなたにじっくり案内します。
シンデレラの靴というとみなさん、何を思い出しますか?
フランスのペロー童話では、ガラスの靴ですよね。
フランス語では「ガラス」と「毛皮」の発音が似ているので
ペローは口伝えの話を聴き間違えてしまった。
もとは「毛皮の靴」だったとの説もあります。
さて、ドイツのグリム童話では、灰かぶり姫は、3度ハシバミの木に願って、
鳥からドレスと靴をもらいます。
1度目は「金と銀のドレス」と「絹と銀で刺繍した靴」
2度目は「きのうよりももっと立派なドレス」とあり、靴のことは触れられていません。
3度目は「いままで誰も着たことのないような立派な輝くドレス」と「黄金(きん)の靴」を
鳥からもらいます。
特に1度目の「絹と銀で刺繍した靴」に注目したいと思います。
原語では 靴は Pantoffel とあり、正確には「スリッパ、室内ばき」です。
ところで、今回の正倉院展では、光明皇后自身が着用した可能性もある
「繍線鞋(ぬいのせんがい)」が出陳されていた。
これは、錦で織られており、花鳥文錦の刺繍が施されています。
唐の都の女性たちの間で愛用されていたといいます。
それが遣唐使によってわが宮廷へも舶載されたようです。
実はシンデレラのルーツはどうも中国にあるのを、皆さんご存知ですか?
9世紀の中国で書かれた『酉陽雑俎(ゆうようざっそ)』に出てくる「葉限(イェー・シェン)」と言う物語です。
継母にいじめられた葉限は、願いをかなえてくれる不思議な魚から、翡翠の羽衣と金の靴を出してもらい、
着飾ってお祭りに出掛けた。しかし祭りの場で継母たちに姿を見られてしまったので、慌てて家に引き返した。
その時に金の靴の片方を落としてしまう。その靴はある人に拾われ売られ、回りまわって王さまの手に入る。
金の靴は毛のように軽く、石を踏んでも音がしない。王さまは、この不思議な靴を国中の婦人に履かせてみたが、
一人としてぴたりと履ける者が無かったが、最後に葉限が履くとぴったり合い、王さまの后になる。
ところで、シンデレラのルーツが中国にあると最初に指摘したのは、民俗学者の南方熊楠です。
中国では昔、身分の高い家の娘には「纏足(てんそく)」という風習があり、
足の小さい人は美人とされたのです。
葉限の靴もきっと「繍線鞋」に似たものだったろう。
グリム童話の灰かぶり姫の「絹と銀で刺繍した室内履き」もこれと似たもので
あったでしょう。
というわけで、「シンデレラの靴が正倉院展にあった」と言っても
いいと思いませんか?!
あなたも、是非、正倉院展に行って、シンデレラの上靴を見てきてください。
もちろん、五絃琵琶、繍線鞋のほかにもすてきな宝物が展示されていますよ。
11月11日までやってます。金、土、日曜は午後7時まで延長しているので
夕方5時に行くのがねらい目ですよ。私もそうしました。
今回の見どころは、19年ぶりに出陳された螺鈿紫檀五絃琵琶でした。
その楽器は下記の国立博物館のホームページで観ていただくとして、
62回正倉院展
私が感激したのは、なんとシンデレラの靴が正倉院展にあったことです。
エー、そんなことはありえないと思うあなたにじっくり案内します。
シンデレラの靴というとみなさん、何を思い出しますか?
フランスのペロー童話では、ガラスの靴ですよね。
フランス語では「ガラス」と「毛皮」の発音が似ているので
ペローは口伝えの話を聴き間違えてしまった。
もとは「毛皮の靴」だったとの説もあります。
さて、ドイツのグリム童話では、灰かぶり姫は、3度ハシバミの木に願って、
鳥からドレスと靴をもらいます。
1度目は「金と銀のドレス」と「絹と銀で刺繍した靴」
2度目は「きのうよりももっと立派なドレス」とあり、靴のことは触れられていません。
3度目は「いままで誰も着たことのないような立派な輝くドレス」と「黄金(きん)の靴」を
鳥からもらいます。
特に1度目の「絹と銀で刺繍した靴」に注目したいと思います。
原語では 靴は Pantoffel とあり、正確には「スリッパ、室内ばき」です。
ところで、今回の正倉院展では、光明皇后自身が着用した可能性もある
「繍線鞋(ぬいのせんがい)」が出陳されていた。
これは、錦で織られており、花鳥文錦の刺繍が施されています。
唐の都の女性たちの間で愛用されていたといいます。
それが遣唐使によってわが宮廷へも舶載されたようです。
実はシンデレラのルーツはどうも中国にあるのを、皆さんご存知ですか?
9世紀の中国で書かれた『酉陽雑俎(ゆうようざっそ)』に出てくる「葉限(イェー・シェン)」と言う物語です。
継母にいじめられた葉限は、願いをかなえてくれる不思議な魚から、翡翠の羽衣と金の靴を出してもらい、
着飾ってお祭りに出掛けた。しかし祭りの場で継母たちに姿を見られてしまったので、慌てて家に引き返した。
その時に金の靴の片方を落としてしまう。その靴はある人に拾われ売られ、回りまわって王さまの手に入る。
金の靴は毛のように軽く、石を踏んでも音がしない。王さまは、この不思議な靴を国中の婦人に履かせてみたが、
一人としてぴたりと履ける者が無かったが、最後に葉限が履くとぴったり合い、王さまの后になる。
ところで、シンデレラのルーツが中国にあると最初に指摘したのは、民俗学者の南方熊楠です。
中国では昔、身分の高い家の娘には「纏足(てんそく)」という風習があり、
足の小さい人は美人とされたのです。
葉限の靴もきっと「繍線鞋」に似たものだったろう。
グリム童話の灰かぶり姫の「絹と銀で刺繍した室内履き」もこれと似たもので
あったでしょう。
というわけで、「シンデレラの靴が正倉院展にあった」と言っても
いいと思いませんか?!
あなたも、是非、正倉院展に行って、シンデレラの上靴を見てきてください。
もちろん、五絃琵琶、繍線鞋のほかにもすてきな宝物が展示されていますよ。
11月11日までやってます。金、土、日曜は午後7時まで延長しているので
夕方5時に行くのがねらい目ですよ。私もそうしました。