竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

「OSAKA光のルネッサンス」に行ってきました!

2011年12月26日 | 日記
クリスマス・イブの夜、寒かったですが、思い切って大阪・中之島に行ってきました!

★市庁舎前のスターライト




★中之島イルミネーションストリート




★中央公会堂イルミネーション










★中之島バラ園 ローズライト・ファンタジー







雪のなら瑠璃絵も素敵でしたが、
「OSAKA光のルネッサンス」も幻想的な光の祭典を大いに楽しむことができました。

そのあと、公会堂内のレストラン「中之島倶楽部」で「じっくり煮込んだビーフシチュー」をいただき、
体を温め、お腹も満腹、楽しいイブを過ごせました。

今年は、未曾有の大震災、風水害と大変な1年でしたが、
来年は、佳き年でありますようにと願いつつ、今年のブログの締めといたします。
みなさま、良いお年を!

「こびと」シンポ/ゴヤ展/富士山

2011年12月18日 | 日記
12月17日、東洋大学でシンポジウム<「こびと」という異界>があり、東京に行ってきました。

このシンポは11月27日のブログで紹介しましたので、ご覧ください。


百人を超える方々が熱心に聴いてくださいました。 (写真提供:山本まり子先生)

<プログラム>
司会:石田 仁志(東洋大学文学部・教授)
コメンテーター:竹原威滋(奈良教育大学教育学部・特任教授)

1.「異界」の意味領域
  -言説史の観点から-  
  池原陽斉(東洋大学大学院博士後期課程3年)

2.『借りぐらしのアリエッティ』にみる「こびと」像
  -英国ファンタジーとジブリ映画のはざまで-
  信岡朝子(東洋大学文学部・専任講師)

3.グリム童話『白雪姫』にみる「こびと」像
 -北欧・ゲルマン神話とディズニー映画のはざまで-
 大野寿子(東洋大学文学部・准教授)

4.「小さ子」譚にみる日本の「こびと」像
 -御伽草子「一寸法師」と昔話研究を中心に-
 大村達郎((財)宮本記念財団研究員)


私はコメンテーターとして参加しました。右手は司会の石田先生。 (写真提供:山本まり子先生)

翌日は、秋が深まる都内を散歩しました。


ニコライ聖堂とイチョウ並木

その後、国立西洋美術館で「プラド美術館所蔵 ゴヤ展 光と影」を見てきました。


ゴヤの代表作:「着衣のマハ」に出会いました。

そして、帰りの新幹線で富士山を見ることができました。





シンポジウムの盛会を富士山も祝福してくれているようで、満足して帰途に就きました。

「奈良マラソン」の日、なら講座「奈良のことば」を聞いてきました!

2011年12月12日 | 日記
10月17日のブログで紹介した講演「奈良のことば」を昨日、聴いてきました!

昨日は、ちょうど「奈良マラソン」の日で、講演会場の奈良教育大の前の道路も
ランナーであふれていました。


全国から1万8千人のランナーが参加したそうです。

さて、奈良講座「奈良のことば」ですが、
加藤久雄先生は、共通語、標準語の違い、方言分布、奈良弁の特徴などについて
わかり易く丁寧に解き明かしてくださいました。



なかでも興味をひいたのは、
 
奈良県は近畿方言圏に属するが、南部の吉野郡大塔村・十津川・天川村・上北山村・下北山村の五箇村は
乙種(関東)アクセント地域で、北部の甲種(近畿)アクセント地域と顕著な対立を示している

という点である。

また、

それは単に奈良県内のことに止まらず、近畿地方の中で、
この奈良県南部方言が特異な区画を示すので、学界では
これを「言語島」の典型的な例としている。

ことである。

次の方言地図で確認してください。(奈良県南部の青色の部分)


ウィキペディア「日本語の方言のアクセント」より

奈良生まれで、奈良育ちで、現在も奈良に住んでいるという方でない限り、
奈良弁で語れない。

その人の自然な日常語で語ることが大切だと納得しました。

皆さんも是非自分の自然な言葉で、ふるさとの民話を語りついでくださいね。

★グリム童話ミニ講義1★初版は1812年クリスマス刊行されました!

2011年12月05日 | 日記
このブログのタイトルにもあるように
来年はグリム童話が発行されて200年になります。
そこで、本日のブログより、折に触れて「グリム童話講義」を始めます。

1812年12月20日にベルリンのライマー社から発行されました。
この初版は900部発行されたそうです。
これには、みんさんのよく知っている蛙の王さま、ヘンゼルとグレーテル、
灰かぶり、いばら姫、白雪姫などの伝承メルヘン、86話が収録されています。

そのあと、初版の第2巻が1915年に発行されました。
これには、がちょう番の娘、命の水、もの知り博士など70話が
収録されています。


右が初版第1巻(1812年)、左が初版第2巻(1915年)です。(写真は奈良教育大が所蔵する復刻版です。)


この写真は逆に、右が初版第2巻(1915年)、左が初版第1巻(1812年)です。

グリム童話は、原題を Kinder- und Hausma"rchen と言います。
写真をよくみてください。原題を読み取れますでしょう!
日本語に訳すと、『子どもと家庭のメルヘン集』です。

これはグリム兄弟の弟のウィルヘルムが持っていた本なので、
ウィルヘルムによる書き込みもみられます。(タイトル頁の左ページ)

グリム兄弟は、集めた民話を45年かけて、
「聴くメルヘン」から「読むメルヘン」へと万人に親しまれるように
何回も改訂版を出しています。

1819年 第2版
1837年 第3版
1840年 第4版
1843年 第5版
1850年 第6版
1857年 第7版=決定版

第7版には、第1巻に86話、第2巻に114話が収録されていて、合計で200話になります。
これがグリム兄弟が最後に出した版なので、「決定版」といわれています。

少し間をおいて、ブログでグリム童話についてショート講義をします。お楽しみに!